2025年4月以降、すべての新築建築物に省エネ基準への適合が義務付けられ、設計現場ではこれまで以上に省エネ計算に伴う業務負荷が増大しています。YKK AP(本社:東京都千代田区)は、WEB省エネ設計支援サービスを展開するone building(本社:東京都目黒区)と協力し、そのような悩みを抱える建築設計事務所やゼネコン設計部の実務担当者向けに、非住宅建築物向け「省エネ検討 WEB サービス」を無料で公開しました。2025年4月からの省エネ基準適合義務化、および今後の基準引き上げに対応し、設計現場の省エネ計算業務負荷を大幅に低減します。





「省エネ検討WEBサービス」で実現するワークフロー
従来、省エネ性能の数値確認は設備仕様が決定した設計後半フェーズになりがちで、専門業者への外注などを経てようやく確認できるのが一般的でした。その結果、性能要件を満たすための調整が後工程に集中し、大幅な設計の手戻りや時間・コストの負担が生じるリスクがありました。
YKK APの「省エネ検討 WEB サービス」は、設計案の作成段階からWEBブラウザに建物の情報を入力することで、省エネ性能を無料でシミュレーションすることができます。建物の形状や窓のサイズ・配置が性能に与える影響を確認しながら設計を進めることで、手戻りリスクや計算コスト、着工遅れのリスク低減へ貢献します。

操作画面
本サービスは、専門知識やBIMデータがなくても利用できる、実務担当者向けの省エネ計算ツールです。専用ソフトの購入・ダウンロードは一切不要で、インターネット接続されたPCがあれば、いつでもどこでも利用可能です。
画面のガイダンスに沿って入力・選択するだけで簡単に省エネ性能を把握できるので、初めての操作でも安心です。
利用料金は無料で追加課金は必要なく、さらに計算回数・プロジェクト数も無制限です。コストを気にせず、納得いくまで何度でも検討できます。
さらに協力者の招待機能により、プロジェクトメンバーや設備設計事務所との共同利用も可能です。
本サービスで、建築物省エネ法に基づく適合申請(省エネ適判)のために必要な省エネ計画書類のうち、建築物の省エネ性能を評価するための「計算書」の自動作成が可能です。
オフィス、ホテル、病院など、非住宅のすべての用途に対応しています。2025年4月から、すべての新築建築物に適合が義務化された省エネ性能を、設計段階から的確に把握しながらデザインを検討することが可能です。

「Asutaina for Energy」との連携イメージ
本サービスは、YKK APが提供する非住宅向け簡易省エネ計算サービス「Asutaina for Energy」と連携しています。「Asutaina for Energy」で算出した判定結果のWEBPRO 入力シートをダウンロードし、本サービスにアップロードすることで、初期設計段階で入力した情報が自動反映され、さらに詳細な外皮性能の検討に進むことができます。
これにより、「初期の概算検討」から「詳細な性能検証」へと、よりシームレスな設計プロセスが可能になります。
株式会社 one building
テクノロジーで建築の未来をデザインするClimate Tech 企業。デジタル技術で建築情報を統合・活用し、持続可能な社会の構築を目指しています。建物の性能最適化と長寿命化を実現するサステナブル建築の標準化を推進し、次世代の建築をリードします。
illustration:古渡 大