CULTURE

隈研吾デザイン監修のCLTパビリオンが国立公園蒜山へ移築されるにあたり、真庭市が愛称を公募

CULTURE2021.02.22

隈研吾氏がデザイン監修を担当し、東京・晴海に期間限定で建設されたパビリオン〈CLT PARK HARUMI〉が、その役目を終え、岡山県北部に位置する真庭市の国立公園 蒜山(ひるぜん)に移築されます。

隈研吾建築都市設計事務所

〈CLT HARUMI PARK〉 外観写真:三菱地所設計・隈研吾建築都市設計事務所

軽快なデザインが目を引くこの建築物は、直交集成材・CLT(Cross Laminated Timber)の魅力を伝える「CLT 晴海プロジェクト」で建設された展示施設の1つで、半屋外の仕様。意匠であり構造材でもなるCLTパネルを”あらわし”の状態で仕上げ、木目の美しさを最大限に生かした、隈氏ならではのデザインとなっています[*1]

CLTとは、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料[*2]で、国産のヒノキ材とスギ材から加工された真庭市産のCLTが、この〈CLT PARK HARUMI〉において多用されています(利用量:「CLT 晴海プロジェクト」施設全体で680m³)

CLT PARK HARUMI「CLT晴海プロジェクト」

〈CLT HARUMI PARK〉外観写真:真庭市GREENable記者会見資料より

パビリオンは2019年12月から約1年間、晴海で展示施設として使用された後、真庭市内の国立公園 蒜山(蒜山高原)への移築が決まっており、部材を解体して移設・再築ができるように予め設計されています(詳細は、2019年2月に東京で行われた「CLT 晴海プロジェクト」の記者発表を取材した、地元テレビ局・真庭いきいきテレビが公開しているニュース映像をご覧ください)


#真庭いきいきテレビ YouTube公式チャンネル「CLT晴海プロジェクト始動」(2019/02/14)

木が持っている持続可能性をデザインで表現した、このCLTによるパビリオンを移築することで、真庭市では「木の国・真庭(MANIWA)」を世界に向けてアピールしたい考えで、移築されたCLTパビリオンは今後、地域における新たな観光文化発信拠点として使用されます。オープンは今年7月の予定。

この「蒜山⇔晴海プロジェクト」が本格化するにあたり、真庭市では、太田昇市長や隈氏らが出席した記者会見を2月22日(月)にオンラインで開催[*3]。プロジェクトの関係者が施設の概要説明を行いました。

真庭市×隈研吾 CLTパビリオン移築プロジェクト「GREENable HIRUZEN」

「GREENable HIRUZEN」イメージ(真庭市GREENable記者会見資料より)

市では、この「CLTパビリオン(仮称)」を中心に、ビジターセンター、サイクリングターミナル、隈作品の模型なども展示するミュージアムなどを配置した「GREENable HIRUZEN」を、蒜山に建設中です(安全祈願祭のニュース映像は下記シェア動画を参照)

施設内では、地域の特産品なども販売し、自然豊かな同地の魅力をさまざまなかたちで発信します。
ミュージアムでは、隈作品の模型をはじめ、隈氏が考える自然と建築、自然と人間との関係性を伝えるような展示を、隈研吾建築都市設計事務所と協働して計画中で、定期的に展示替えも行われるとのこと。


#真庭いきいきテレビ YouTube公式チャンネル「真庭の新たなランドマーク着工へ」(2020/10/14)

さらに、今回の移築プロジェクトでは、真庭市は阪急阪神百貨店ともコラボレーション。自然共生をテーマにしたブランド「GREENable(グリーナブル)」を共同で立ち上げています。
阪急百貨店うめだ本店では、サステナブルをテーマに掲げた売り場を2022年に新設する予定で、同店と連動した企画も考えているとのこと(報道発表資料および阪急阪神百貨店山口社長談)

真庭市×隈研吾 CLTパビリオン移築プロジェクト「GREENable HIRUZEN」

「GREENable HIRUZEN」イメージ(真庭市GREENable記者会見資料より)

隈研吾氏コメント:
「このパビリオンでは、コンクリートで箱をつくるという、20世紀の建築とは真逆を目指した。コンクリートは効率がいいと考えられてきたが、人にいろいろなストレスを与えることがわかってきた。自然との一体化、自然との共生をテーマに、”どうやったら自然の中に人が戻ることができるか”を考えた。このような建築のコンセプトは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響で今後、本格化するだろう。
CLT技術のリーダーともいえる真庭市の直交集成材を用いたこのパビリオンでは、CLTのパネルとパネルの間にわずかな隙間を設けて、風が通るようにしており、建物の内部にいながら、自然を感じることができる。パネルの間には透明なフィルム(高機能フッ素系フィルム / TEFKA)を張り、これが膜となって、強い雨風を防いでくれる。
このファサードは、木の葉をイメージした形状のパネルが、スパイラル状に空に向かって舞い上がるようなイメージでデザインした。晴海から移され、蒜山の丘の上に木の葉が舞っているような姿を想像して、オープンを今から楽しみにしている。」(2021年2月22日真庭市主催オンライン記者会見での発言を編集部で要約)

真庭市×隈研吾 CLTパビリオン移築プロジェクト「GREENable HIRUZEN」

「GREENable HIRUZEN」イメージ(真庭市GREENable記者会見資料より)

なお、真庭市では、晴海から蒜山高原に”里帰り”するCLTパビリオンの愛称を、広く国内外から募集します。募集期間は、2021年2月22日から3月31日まで。選考には、隈研吾氏も参加します。

公募の詳細は、主催者である真庭市の公式発表と、「GREENable HIRUZEN」ティザーサイトを参照してください。(en)

*1.参照元:三菱地所 2019年12月5日プレスリリースおよび隈研吾建築都市設計事務所ウェブサイト事例ページ
https://kkaa.co.jp/works/architecture/clt-park-harumi/
「CLT 晴海プロジェクト」デザイン監修:隈研吾建築都市設計事務所、設計監理:三菱地所設計、施工:三菱地所ホーム / 建物構造:木(CLT)造、鉄骨造

*2.参照元:一般社団法人日本CLT協会公式ウェブサイト「CLTとは」 http://clta.jp/clt/
*3.会見出席者(敬称略):環境省担当、太田昇真庭市長、隈研吾、山口俊比古(阪急阪神百貨店取締役社長)。なお、今回の移築プロジェクトは、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」および脱炭素社会の実現を目指し、環境省が進めるローカルSDGs「地域循環共生圏」とも連携している


愛称募集概要
(真庭市公式ウェブサイト【募集】隈研吾氏設計監修パビリオン棟の愛称)
https://www.city.maniwa.lg.jp/soshiki/40/39754.html

「GREENable HIRUZEN」ティザーサイト
https://greenable-hiruzen.co.jp/

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