建築家・小嶋一浩(1958–2016)が残したスケッチ、ノート、図面、原稿などを公開するデジタルアーカイブ「小嶋一浩アーカイブ」(https://kojima-archive.jp/)が、没後10年の命日にあたる2026年10月13日に公開されました。
開発・運営は、2026年8月に設立された一般社団法人小嶋一浩アーカイブが担い、400点以上の資料のうち、公開できる261点・11,552画像をデジタル化。研究室の卒業生の手作業とAIによる2万件を超える注釈を付け、3D空間・時間軸・地図から資料をたどれるようにしています。

小嶋一浩アーカイブ・収録資料より(B-06 p.90)
アーカイブに収められているのは、1979年から2016年までのスケッチブックやノート、設計・教育・執筆・旅の記録です。会員向けの閲覧では、気になった1枚をIIIFビューアで開き、筆跡や描線の細部まで拡大して見ることができます。
1万ページを超える資料には、スケッチの内容、書かれた地名、訪ねた土地、進行していたプロジェクト、人物名などの注釈が付けられました。研究室の卒業生たちが手作業で付けたものと、AIが付けたものを合わせ、その数は22,605件にのぼります。
たとえば1冊のA4ノートからは、ビシュケク、ホログ、ナルインなど、中央アジアの地名が14種類見つかっています。注釈をつなぎ合わせることで、膨大な資料を整理するだけでなく、小嶋の思考の連鎖や変遷を浮かび上がらせることを目指しています。
アーカイブサイトでは、資料どうしの関係を3D空間で見渡すことができ、視点を「分類」「時間軸」「地図」に切り替えられます。全体を見渡すことと1枚に向き合うことを往復しながら、完成した建築だけでは見えにくい試行錯誤をたどれるつくりになってるのが特徴です。
発起人一同は、アーカイブの目的を次のように述べています。
「建築になる前の、小嶋一浩の思考をひらく」
小嶋一浩の仕事は、建築作品だけにとどまりません。設計の過程で生まれた思考、教育の現場で交わされた言葉、都市や社会に向けられたまなざしもまた、次の時代へ受け渡すべき重要な資料です。
(略)
アーカイブの目的は、ひとつの建築家像を顕彰することにとどまらず、建築の領域を超えて広く参照できる知として開いていくことです。社会をどう見つめ、どう変えようとしてきたのか。資料を横断して初めて見えてくるものがあります。(小嶋一浩アーカイブ 発起人一同)

小嶋一浩アーカイブ・収録資料より(α-03 p.29)
資料の構成と注釈、一部の画像は誰でも閲覧することができます。170点・6,991画像は、賛助会員(年会費8,000円、2026年11月受付開始予定)向けに公開されます。
学術研究・教育での利用は申請不要。営利を目的とする利用は、事前に申請すれば利用が可能です。
小嶋一浩 Kazuhiro Kojima
1982年京都大学工学部建築学科卒業。1984年東京大学工学研究科建築学専攻修士課程修了。1986年 同大学博士課程在籍中にシーラカンス一級建築士事務所(のちC+A、CAt)を共同設立。1988〜91年 東京大学建築学科助手、1994年〜 東京理科大学助教授、2005〜11年 同教授、2011年〜 横浜国立大学建築都市スクール“Y-GSA”教授。2016年10月死去。(C+A〈シーラカンスアンドアソシエイツ〉公式サイトより)
名称:小嶋一浩アーカイブ(Kazuhiro Kojima Archive)
URL:https://kojima-archive.jp/(日本語・英語)
公開日:2026年10月13日
収録:261点・11,552画像(資料の年代:1979–2016)/注釈22,605件
賛助会員 年会費:8,000円(2026年11月受付開始予定)。170点・6,991画像を閲覧可
開発・運営:一般社団法人小嶋一浩アーカイブ(2026年8月19日設立)
資料所蔵:城戸崎和佐
開発協力・学術支援:東京大学大学院情報学環 教授 渡邉英徳/東京大学史料編纂所 附属前近代日本史情報国際センター 准教授 中村 覚
協力:シーラカンスアンドアソシエイツ
問い合わせ:一般社団法人小嶋一浩アーカイブ(admin@kojima-archive.jp)