看板・サインのリーディングカンパニーであるDAIKAN(ダイカン)は、ミラノデザインウィーク 2026に初出展し、インスタレーション「Return to…」を開催します。「固体が、液体に見える − SOLID AS LIQUID −」をテーマに、長年培ってきた独自の精密加工技術と熟練職人の手仕事技術を結集。硬質な物質がその制約から解き放たれ流動する美しさを提示し、マテリアルの原点へと立ち返る体験を創出します。

本プロジェクトの根底には、外部からの力や時間の経過に対して損なわれるのではなく、しなやかに対応して新たな価値を見出す「Resilience」の思想が流れています。DAIKANの極限的な金属加工技術と130が得意とする「造形と解体の循環」を可能にする設計思想を掛け合わせることで、金属という硬質な素材に「揺らぎ」という生命的な表情を与えます。素材・構造・空間が一体となったプロトタイプを通じ、静止した物体の中に流動性を見出す体験を提供します。
本展のタイトル「Return to…」には、人工物であるサインがその役割を超え、自然界の根源的な形や光のあり方へと立ち返るという意味が込められています。DAIKANがサイン製作で培ってきた金属や樹脂への精密な加工技術を注ぎ込み、光の反射と屈折を極限までコントロールすることで、固体でありながら液体の揺らぎを感じさせる視覚体験を構築。
また、本展示においては、DAIKANが開発した新素材「FLUX METAL」を用いた、デザインブランド「130(ONE THIRTY)/(MAGNARECTA)」による「FLUX TABLE」のプロトタイプも発表されます。デジタル加工と熟練職人の手仕事が融合し、素材・構造・空間が一体となった未視感のプロダクトが提示されます。

出展の核となる「FLUX METAL」は、鏡面研磨されたアルミの断面が液体のように波打って見える現象を固定化した素材表現。この意匠はデジタル加工だけでは完結せず、研磨の過程で断面形状が動いてしまうのを防ぐため、DAIKANの熟練職人によるミクロン単位の精密な手仕事が不可欠でした。DAIKANはサイン製作で培った高精度の金属加工技術を提供し、光の反射と映り込みを緻密にコントロール。この素材現象の可能性にいち早く着目したFEEL GOOD CREATIONのディレクションのもと、物質が固体であることを忘れさせるような、流動的で瑞々しい視覚体験が提供されます。
「FLUX METAL」という現象をプロダクトとして成立させるため、デザインブランド「130」との協働によって設計されたのが「FLUX TABLE」。「130」は、一本のフレームを連続的に立体構築する独自の技術を用い、天板を支える脚部構造を設計。圧倒的な軽量さと堅牢さ、「揺らぐ天板」と「ゆらがない土台」という対照的な要素を両立しながら、工業製品でありながらどこか手工芸的な表情を持つ「線」の造形を生み出しました。

展示会場は、ミラノの歴史的な情緒が漂うエリアに位置し、1階のメインフロアでは、素材・構造・空間が一体となったプロトタイプ3種(天板が弧を描くように曲がる「カーブ」、足元のペダル操作によってタイルごとにせり上がる「リフト」、表面全体が自動で波のように起伏し続ける「フルタイル」)が展示され、来場者は、光の粒子が溶け合うような風景の中を歩き、見る角度や距離によって刻々と変化する作品の表情を体感することができます。デジタルファブリケーションとクラフトマンシップの融合により立ち上がる、金属の流動的な佇まいは、素材が持つ情緒的な命を空間に吹き込みます。
地下フロアでは、触覚・嗅覚・味覚といった各知覚ごとの体験が展開され、DAIKANのマテリアルライブラリーから厳選した12種類の触感サンプル、KANSEI Designの監修による水晶などから抽出した香り、日本の伝統菓子・金平糖による味覚体験などを通じて、人が本来持つ感覚的なコミュニケーションへと立ち戻るきっかけが提示されます。DAIKANがパーパスに掲げる「『ちゃんと』つくるが心を動かす。Run together, create resonance.」 の通り、未知なる素材との出会いが、職人の手仕事に秘められた可能性をひらき、人の感性を解き放つ契機となるでしょう。
開催概要
展示名:Return to…
会期:2026年4月20日(月)〜4月26日(日)
時間:10:00〜19:00(最終日は15:00まで)
会場:Palermo 18
所在地:Via Palermo 18, 20121 Milano MI, Italy(Google Map)
主催:DAIKAN(株式会社ダイカン)
協働:130(株式会社MAGNARECTA)
Concept & Material Direction:株式会社FEEL GOOD CREATION
Scent Direction:KANSEI Design