CULTURE

変容し続ける街と社会、公共空間のあり方を問う

新刊『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』

CULTURE2022.09.10

社会、考古、建築、舞台芸術、デザインの領域で活動する20名の論客たちが提示する、21世紀中葉(21.5世紀)へ向けた社会と空間の見取り図。

誠文堂新光社から、社会、考古、建築、舞台芸術、デザインの領域で活動する20名の言葉を通じて、21世紀中葉(21.5世紀)へと向けた社会と空間とは何かを多角的に考察する書籍が刊行されます。サブタイトルは「変容するビルディングタイプ」。
“人生100年”とされる今の時代、その折り返し点となる2050年=21.5世紀における、人々の働き方や暮らし方など変化を、社会学の視点で解説します。

著者は、同出版社より、2020年に『ビルディングタイプ学入門 新しい空間と社会のデザインがわかる』を著している4氏(五十嵐太郎、髙宮知数、槻橋 修、中村陽一)

建築家の伊東豊雄氏と、伊東氏が設計した〈座・高円寺〉こと杉並区立杉並芸術会館のオープン時より芸術監督を務める、演出家で劇作家の佐藤 信(まこと)氏の特別対談も収録。百年、千年単位で考えるべき公共圏のための空間について意見が交わされます。

新刊『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』表紙

目次抜粋

21.5 世紀の社会と空間のデザインへ向けて
-文明社会の危機管理と木の葉のざわめきを意識しつつ ビルディングタイプのゆくえを考える
日常から積み重ねるデザインアプローチ
プレイスメイキングの現場で生まれるささやかな気づき
タクティカルアプローチが21.5 世紀のビルディングタイプを拓く
公共圏のための空間-百年、千年単位で考える
キーノートセッション 対論 佐藤信✕伊東豊雄
1広場-公共圏としてのオープンスペース
日本における先史から古代の広場・再論
中国都市における市/インダス文明の広場(庭)/古代メソポタミアの都市景観/近現代の広場
2劇場-文化芸術の居場所というビルディングタイプの行方
劇場の歴史を公共性から振り返る
小劇場と〈公共〉-〈脱植民地状態〉を再び意識するために
劇場の公共について-これから起こることの先憂として
21.5世紀のデザインに、公共を実装する

新刊『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』中面

新刊『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』中面

新刊『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』中面

新刊『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』中面

本書では、多くの人が日常的に親しんでいる住宅やオフィスなどの建築、そして劇場という施設=空間を、ビルディングタイプというその使い方やしつらえから多面的に眺めた。

そして、社会とともに変化してゆくこれからの建築や空間における重要かつ注目すべき点を、百年、千年単位で考える公共圏のための空間をはじめ、社会デザイン、考古、建築、舞台芸術の分野に属する20名の論客たちが鮮やかに示した。

これは、前著『ビルディングタイプ学入門―新しい空間と社会のデザインがわかる』(誠文堂新光社、2020)企画時点から編者たちが抱いていた問題意識でもあった。

「短期的な変化」ではなく、「中長期的な社会の変容によるものである」という点から、前著では、主要なビルディングタイプの起源や変遷を丁寧に追いかけ、現在抱える課題や先進事例を紹介することで、ビルディングタイプの変容までを紹介した。しかしその分、読者層を狭めたきらいがあったことは否めない。

その点を受け、本書では、コロナ禍で見直された人と人との距離感や空間コントロールに対する意識の変容は、社会そして空間という概念をどのように変化させるのかという問いと、その変化との立ち向かい方のヒントを指し示す。

具体的には、コロナ禍を挟んで編者・著者が学生たちと取り組んできた、街づくりやポストコロナ空間の設計競技の紹介とともに、それらの取り組みによって明らかになった、これからのリアル/デジタル両方の社会と空間におけるキーワードである「公共性」についての考察である。

それは決して、コロナ禍による一時的、一過性のものではない、都市誕生以来の歴史や文化も踏まえた、説得力のある応えである。今、そしてこれからを生きる人々の期待に応える1冊となる。


著者プロフィール

中村陽一(なかむら よういち)
立教大学名誉教授、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ代表理事、社会デザイン学会会長。東京大学客員助教授,都留文科大学教授、立教大学21世紀社会デザイン研究科・法学部教授、社会デザイン研究所所長などを経て現職。80年代半ばより市民活動・NPO/NGOの実践的研究、基盤整備に取り組む。SB/CB、民学産官協働によるまちづくりの専門家としてCSR、SDGsなどもカバー。ニッポン放送「おしゃべりラボ」 パーソナリティ。編著・共著に『3・11後の建築と社会デザイン』(平凡社新書)、『新しい空間と社会のデザインがわかるビルディングタイプ学入門』(誠文堂新光社)など多数。

髙宮知数(たかみや ともかず)
プロジェクトデザイナー/マーケティングプロデューサー。立教大学社会デザイン研究所研究員。立教大学21世紀社会デザイン研究科兼任講師。東日本国際大学地域振興戦略研究所客員教授。座・高円寺劇場創造アカデミー講師。株式会社ファイブ・ミニッツ代表。社会デザイン学会理事。NPO 法人文化の居場所研究所共同代表。近著に『街直し屋』(共著、晶文社、2017年)他。

五十嵐太郎(いがらし たろう)
1967年生まれ。建築史・建築批評家。1992年東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。現在、東北大学大学院教授。あいちトリエンナーレ2013芸術監督、第11回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展日本館コミッショナーを務める。「インポッシブル・アーキテクチャー」などの展覧会を監修。第64回芸術選奨文部科学大臣新人賞。『モダニズム崩壊後の建築ー1968年以降の転回と思想ー』(青土社)『誰のための排除アート?』(岩波書店)、『増補版 戦争と建築』(晶文社)ほか著書多数。

槻橋 修(つきはし おさむ)
1968年富山県生まれ。1991年京都大学建築学科卒業。1998年東京大学大学院建築学専攻博士課程退学。同年、東京大学生産技術研究所助手。2002年ティーハウス建築設計事務所設立。2009年神戸大学大学院准教授。博士(工学)。主な作品:「神戸市立北神図書館」(2019年、神戸市)、「南町田グランベリーパーク」ランドスケープデザイン(2019年、東京都町田市、2020年度都市景観大賞(国土交通大臣賞)共同受賞)、2015年日本建築学会賞(業績)共同受賞。2021年日本建築学会賞(復旧復興特別賞)共同受賞。

『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』書籍概要

著者:中村陽一、髙宮知数、五十嵐太郎、槻橋 修
判型:A5判
総頁数:256ページ
定価:3,520円(税込)
ISBN:978-4-416-52101-4
発売日:2022年9月12日(月)
版元:誠文堂新光社

『21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ』詳細
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/science/73601/

『ビルディングタイプ学入門 新しい空間と社会のデザインがわかる』(誠文堂新光社、2020)
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/42145/

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