早稲田大学理工学術院総合研究所とプロパティデータバンクが、「建築プロジェクトとWhole-life cost[*1]のマネジメント手法」に関する共同研究を開始すると発表されました(プロパティデータバンク 2021年1月29日プレスリリース)。
今回の同意に至った背景として、昨今の建築産業全体で見られる動きがあります。
BIM(Building Information Modeling)[*2]をはじめ、VDC(Virtual Design and Construction)[*3]などの導入が進み、ICT技術を通じた生産性向上の取り組みや、プレゼンテーションの工夫など、発注者と受注者との間で、質の高い建築物を実現するための共同の仕組みづくりがいろいろと計られています。
早稲田大学理工学術院総合研究所とプロパティデータバンクは、BIMの普及に伴う建築プロジェクトの実施方法の変化に関する現状調査を実施。そのリサーチ結果に基づいて、基本計画、基本設計、実施設計、施工、運用、解体という、建築物の”ライフサイクル”全般における、建築プロジェクトのあるべき姿についての研究を進めていくとのことです。(en)
*1.Whole-life cost(ホールライフ・コスト):LCC(:Life cycle cost / ライフサイクルコスト)に替わる新しい考え方で、企業が保有する不動産資産の一生涯にかかる支出と収入の管理・評価を行い、資産の価値向上の取組も併せて評価する国際的概念。
*2.BIM:Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称。コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建物の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューション。また、それにより変化する建築の新しいワークフローを指す。
*3.VDC:Virtual Design and Construction(バーチャル デザイン アンド コンストラクション)の略称。仮想空間で3次元モデルに情報を付加したBIMを用いて、設計からエンジニアリング、建設における情報管理を統合的に行い、仮想空間上で施工前に三次元モデルをつくることで、設計したものを検証、再検討、解析を行う。高度な最適化を実現することで、実際に施工する際の”手戻り”を極力少なくする手法をいう。
早稲田大学理工学術院総合研究所
https://www.waseda.jp/fsci/wise/
プロパティデータバンク
http://www.propertydbk.com/