ワールドがオフィス設計・施工に本格参入

アパレル・ファッション企業の大手、ワールドグループの傘下の1つ、ワールドスペースソリューションズが、今春から新たにオフィス空間のデザイン・施工を開始することを発表しました。

これまで、ワールドグループでは、約60年にわたり、自社のブランド開発とともに、出店に伴う店舗設計、VMD、グラフィックデザインまで、時代ごとに開発を重ねてきました。
空間設計もひとつのブランドづくりと捉え、取り扱い商品の魅力を引き出すとともに、店舗の立地と、訪れる顧客の年齢層や属性などを踏まえた空間づくりを行っています。

ワールド北青山ビル 14階フロア　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

2016年から行っている法人向けBtoBサービスのうち、店舗づくりで培った、空間・店舗デザイン、VMD（Visual Merchandising / ビジュアルマーチャンダイジング）、グラフィックデザイン、家具製造などのノウハウを、オフィスの新規設計やリノベーションに活かしたサービスへと展開するもので、COVID-19（新型コロナウイルス感染症）拡大による、ニューノーマル時代における、人々の多様な働き方に寄り添った、多彩な空間設計を提案し、ファッション企業ならではの提案で、ABW[*]の実現を目指します。
*.ABW：Activity Based Working（アクティビティ・ベースド・ワーキング）の略。仕事を効率よく進められる場所を自らが選んで決められるワークスタイル

ワールドスペースソリューションズでは、オフィス設計分野に本格進出するのに先行して、グループ内の複数のオフィスなどを複数改装し、それぞれ完成しています。
以下はワールドのプレスリリースでビジュアルと概要が公開された4つのプロジェクトです。

プロジェクト事例

ワールド北青山ビル 14階フロア改修

ここ数年、「DESIGNART TOKYO」の展示会場とインフォメーションセンターが置かれる、青山通りに面したワールド北青山ビル（東京都港区北青山3丁目5-10）の14階を全面改装。

ワールド北青山ビル 14階フロア　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

コンセプトは「RECONNECT」。壁面には手描きのイラストや写真で「ホーム」のような温かさを演出。コントラクト事業も手掛けるワールドグループのアスプルンドの家具をバリエーションをつけて配置し、ワーカーが好みや座り心地を選ぶことができる。エイジングを楽しめるデニム生地の床や、アートやファッションを伝えるライブラリーなど、アイデアを刺激するファッション企業ならではのコーナーも設けた。

ガラスファサードから通りを見下ろせる「PARK(パーク)」は、その名の通り公園をイメージした空間に。遊歩道を設けて回遊性を高め、テラスからは都内を一望できる。

ワールド北青山ビル 14階フロア「PARK」 Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

ファッション企業としてのオフィスの在り方を考え、社員のワークスペースやミーティングスペースとしてだけでなく、今後はイベントも開催できる場としてデザイン。さまざまなシーンに開放していく予定。

事例紹介・ナルミヤ・インターナショナル ワークスペース

ワールド傘下のナルミヤの新オフィス（東京都港区芝公園2-4-1 芝パークビルB館9階）を、「ターミナル」をコンセプトに掲げて設計した。

ナルミヤ・インターナショナル オフィス　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

約180坪の解放感ある広いフロアには、グリーンを多用し、複数のマテリアルを組み合わせながら、全体ではナチュラルな雰囲気に仕上げた。アスプルンドの家具を配置し、デスク、ソファー席、コミュニケーションスペース、リモートワークブースをしつらえ、ワーカーの用途で選べる構成とした。

ナルミヤ・インターナショナル オフィス内観　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

ナルミヤ・インターナショナル オフィス内観　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

ナルミヤ・インターナショナル オフィス内観　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

PR TIMES PR「ストーリーズ」
「ファッション企業がつくる新たなオフィス空間　―集い、ひらめき、クリエイションが共鳴する場―」
対談インタビュー：石井稔晃（ナルミヤ・インターナショナル　代表取締役執行役員社長）×丹生博之（ワールドスペースソリューションズ　プロジェクト責任者）
於：ナルミヤ・インターナショナル 新オフィス
https://prtimes.jp/story/detail/zrP6dAT3DdB

ナルミヤ・インターナショナル オフィス内観　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

ナルミヤ・インターナショナル オフィス 夜間の窓外風景　Photo by Nacása & Partners（ナカサアンドパートナーズ）

タケオキクチ渋谷明治通り本店（店舗兼オフィス）改修

建築家の長坂常氏が率いるスキーマ建築計画が手がけ、2012年にオープンしたメンズブランド「タケオキクチ」のフラッグシップショップ（東京都渋谷区神宮前6丁目25-10 神宮前タケオキクチビル）の2階と3階部分を、2021年秋にリニューアルした。

タケオキクチ渋谷明治通り本店 2階オフィス

1階の店舗はそのままに、2階のディレクターのアトリエと、3階に構えたブランドの本部機能を有するアトリエ一体型のオフィス空間を設計した。

神戸レザークロス

グループ傘下で、創業73年の老舗シューズメーカー、神戸レザークロスの東京オフィスに併設された、カスタムオーダーハイヒールブランド「gauge（ゲージ）」のラボラトリーの設計。

神戸レザークロス 東京 / 浅草オフィス内「gauge LABO（ゲージ ラボ）」

利用者は、ソファーに座りながら、シューズの採寸と購入後のアフターケアを受けられる。空間全体を、全国に展開する店舗「ESPERANZA（エスペランサ）」のイメージにあわせ、ピンクベージュの配色で仕上げた。また、靴箱を重ねたような収納や、さまざまなシューズの型や素材見本を、インテリアの一部として配置している。
ラボの奥には、靴の原型を造形する木型師の工房を設置。ガラス張りとし、ものづくりの空間をオーダースペースからライブ感覚で見られるようにした。

ワールドスペースソリューションズそのほかの施工事例
https://platform.world.co.jp/projects/