1980年代後半から90年代にかけて、福岡・香椎浜に建設された集合住宅群〈ネクサスワールド(NEXUSWORLD)〉。磯崎 新(1931-)のコーディネートにより、国内外の複数の建築家がそれぞれ集合住宅を競作するというプロジェクトでした。
参加したのは、日本からは石山修武(1944-)、海外からはスペインのオスカー・トゥスケ・ビアンカ(Oscar Tusquets Blanca|1941-)、フランスのクリスチャン・ド・ポルザンパルク(Christian de Portzamparc|1944-)、アメリカのスティーヴン・ホール(Steven Hall|1947-)とマーク・マック(Mark Mack|1949-)、そしてOMA(Office for Metropolitan Architecture)を率いるオランダのレム・コールハース(クールハース / Rem Koolhaas|1944-)の6名。
6棟のうちの1つ、〈スティーブンホール棟〉の1室(room#511)が、建築家の山根俊輔氏(山根製作所主宰)の手によりこのほどリノベーションされました。同氏のYouTube公式チャンネルに、室内の動画が今年7月に公開されています(写真はこちら)。
# 山根俊輔 YouTube公式チャンネル「NEXUS WORLD stevenholl renovation room 511」(2020/07/02)
福岡のネクサスワールドにあるスティーブン・ホール棟の1室のリノベーション。
エントランスや廊下などの共用部はスティーブン・ホールらしく、さまざまな素材や色を用いながらも全体性を感じられる空間であるが、インテリアについてはクロス壁にフローリングと、非常に一般的な素材が用いられていた。既存の空間構成を生かしながら解体と仕上げの工夫のみで、共用部やネクサスワールドというエリアが持つ多様性をインテリアの隅々まで行き渡らせることをコンセプトの主題に置いた。(山根俊輔 / 公式YouTubeチャンネルより引用)
山根俊輔氏は、1985年広島生まれ。2009年から2018年まで乾久美子建築設計事務所に在籍したあと、独立。2019年に山根製作所(SHUNSUKE YAMANE OFFICE)を設立し、山根製作所を主宰。
乾事務所在籍中は、2020年度建築学会賞を受賞した「延岡駅周辺整備プロジェクト」においてメインの建物となる〈延岡市駅前複合施設(エンクロス)〉を担当。最近では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大・いわゆるコロナ禍の社会情勢を背景に開催された、”1mの隙間空間を最大限楽しむ。”ためのアイデアコンペ「1M competition」の審査員を務めています。
山根製作所 公式ウェブサイト
https://www.yamaneshunsuke.com/