アルマーニ / カーザ(ARMANI / CASA)とは、ジョルジオ・アルマーニのインテリアホームコレクションブランド。2000年に誕生して以来、家具や照明、インテリアアクセサリーのほか、エクスクルーシブテキスタイルコレクションやウォールカバーリングコレクションなど、空間を彩るアイテムを幅広く展開しています。
上質な素材、卓越したクラフトマンシップを取り入れたアイテムは洗練さを極め、さまざまなインスピレーションとデザインコードの調和の取れた組み合わせは、独特のスタイルを築いています。
2004年には、デザイナー ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani / 1934-)の美意識に沿った監修のもと、アルマーニ / カーザ インテリアデザインスタジオ(ARMANI / CASA INTERIOR DESIGN STUDIO)が立ち上がり、インテリアデザインを通して、広範囲にわたるサービスを提供しています。
国際的な不動産開発企業ともパートナーシップを結び、共同で、レジデンスのインテリアデザインプロジェクトなどにも取り組み、〈アルマーニ ホテル ドバイ〉、〈アルマーニ ホテル ミラノ〉をはじめ、世界各国で唯一無二のインテリア空間を創造しています。
本稿で取り上げるのは、ロンドン・ナイスブリッジに約200年前に建てられたタウンハウス。ビクトリア様式の建造物が色濃く残る、延床面積860m²の7階建ての建物で、この規模で1個人の邸宅です。
この1棟まるごと全26室を、アルマーニ / カーザ インテリアデザインスタジオがリノベーション。現代のライフスタイルにあわせたモダンな空間へと生まれ変わらせました。
古きよき時代の良さはそのままに、ここで暮らす人たちのことを最優先に考え、居心地の良さを追求した空間です(日本では先行して『ML モダンリビング』VOL.255にて初公開されています)。
1階のブレックファスト・ルームは、多層ガラスの天井から、内外の遮光システムを介してフィルタリングされた光が常に注ぎ、サンルームのように、最高の自然光が空間を照らすように改修されています。床には市松模様に大理石を敷き詰め、モダンな印象を与えます。
2階リビングルームの壁や天井、家具を彩る装飾は、タウンハウスというこの物件が重要伝統的建造物の一部であることから、文化的装飾の保存条例によって、建築当時のオリジナル図面に基づいて復元が試みられています。
窓枠や天井装飾などの伝統的な要素は生かし、直線的なデザインが特徴の「アルマーニの世界観」を踏襲した空間は、グレーとベージュを基調としたトーンで柔らかな印象に仕上げられています。
1階に設けたライブラリーコーナーには、アルマーニ / カーザがデザインの壁紙を用い、伝統的意匠の天井と見事なハーモニーを生み出しました。今回のリノベーションのために制作された造作家具も引き立てているオリジナルの壁紙です。
地階にあるスパ エリアは、グリーンを基調とした空間にまとめられ、アルマーニ / カーザのアイコニックなモチーフである竹林をプリントした壁が、室内でありながら外の空間にいるような解放感と自然との融合を演出。スタイリッシュな中にもリラックスできる空間を創り出しています。
デザイナーのジョルジオ・アルマーニは、この邸宅の完成後に世界がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大による世界的な危機に見舞われた現状を踏まえ、次のようにコメントしています。
「これまでの私たちが生きてきた中で、環境というものの重要性をここまで痛感したことはない時代に直面しています。インテリアデザインにおいては、あらゆる空間に適応する方法を見出し、新しいライフスタイルに合わせてアイデアを再考し、サステナブルに歩みを進めていくことが重要だと考えています」と彼の普遍の倫理観をこのプロジェクトを通して語っています。」(『モダンリビング』誌面インタビューより引用 / テキスト提供:ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
アルマーニ / カーザ(ARMANI / CASA)の詳細やそのほかの事例は、アルマーニの公式ウェブサイトを参照してください。日本語サイトが用意され、家具やインテリアの事例写真が多数、公開されています。(en)
ARMANI / CASA
https://www.armani.com/casa/jp/