ノルウェー・オスロの国立美術館が2022年6月11日にリニューアルオープンを迎えます。駐日ノルウェー大使館がプレスリリースを発信しました。
美術館の立地は首都のウォーターフロント。これまでオスロ市内に点在していた国立美術館群の4つのミュージアム(近代以前の美術、現代美術、デザイン・工芸、建築)が統合したもので、収蔵品は40万点以上に。展示エリアは13,000m²となり、統合前の合計展示スペースの約2倍に拡大し、総面積は54,600m²となり、北欧地域で最大級の国立美術館となります。
設計者 クラウス・シュヴェルク氏へのインタビュー動画
#Nasjonalmuseet YouTube「The New National Museum in Oslo」(2012/11/28)
低層で展開する建物の設計は、ドイツ人建築家のクラウス・シューヴェルク(Klaus Schuwerk / Kleihues+Schuwerk)氏。何世紀にもわたって美術品を収蔵するための堅牢さと持続性を追求しているとのこと。
ファサード全体は、ノルウェー産のスレートで覆われ、年月を経ても国立美術館としての品格を保てる素材として、大理石、ブロンズ、オーク材を採用したとのこと。
環境負荷に対しても最大限の配慮がなされ、同国における現行の建築基準に比べて、温室効果ガスの排出を50%以上削減できる見込みです。
コレクションの展示室数は86、2フロアで展開。古代から現代までの美術、建築、デザイン・工芸など、6,500点以上の作品が展示されます。
ノルウェー最大の作家、エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch、1863-1944)への敬意も最大級で表現され、ムンクの生涯において最も重要な時期に生み出され、画業の中核をなす貴重な作品群を展示する「ムンクの部屋」が新設されています。
最上階には、広さ2,400m²、天井高7mの規模で、企画展示スペース「ライトホール」が設計されたほか、カフェ、ショップ、広い屋上テラスや北欧最大となる美術書専門図書館も備えています。
開館後は、館内の各施設にて、さまざまな芸術表現にチャレンジするワークショップや、公開トークイベント、アーティストトーク、コンサート、上映会など、さまざまなプログラムが開催されます。
開館記念企画展では、ノルウェーの新しいアートを求めて、国立美術館ではこれまでに所蔵歴のない147人の作家が選出され、「I Call It Art」が開催されます。
今後の企画展としては、ロール・プルーヴォ(会期:2022年11月3日~)、グレイソン・ペリー(会期:2022年11月10日~)、ルイーズ・ブルジョワ(2023年開催予定)、そして、フリーダ・カーロ(2024年開催予定)、マーク・ロスコ(2024年開催予定)をフィーチャーする計画です。
カリン・ヒンスボー氏(ノルウェー国立美術館館長)コメント:
「美術館は、イメージの力について批判的に考えるよう私たちを誘う場所であると同時に、立ち止まり、内省する場所でもあります。私たちのビジョンは、あらゆる人がアートにアクセスできるようにすること、そして私たちの生きている時代と社会を反映させることです。これが成功すれば、美術館は社会で最も重要な出会いの場になると信じています。」
リニューアルプロジェクト詳細
https://www.nasjonalmuseet.no/en/visit/locations/the-national-museum/the-new-national-museum/
Kleihues+Schuwerk WebSite
https://kleihues.com/
ノルウェー国立美術館ウェブサイト
https://www.nasjonalmuseet.no/en/