用途やスケールに縛られず、設計を起点にプロジェクトを導く
T/Hは、特定の用途やスケールに限定されず、住宅から商業施設、文化施設まで多様なプロジェクトを手がけています。新築・改修を問わず、建築それ自体が豊かな環境となるような空間づくりを目指しており、継続的にお付き合いのあるクライアントが多いのも特徴です。
大きな強みは、設計要件が整理される前段階や、あるいは与件そのものが未確定の段階からプロジェクトに参画し、クライアントと共に事業の根幹から思考を深めていくプロセスにあります。例えば小杉湯のプロジェクトでは、登録有形文化財の取得支援から始まり、小杉湯となりのプロジェクトにおいては、クライアント側の事業構築に寄り添う形の中で、設計を先行させながら同時進行で組み立ててきました。また、東京画廊では10年にわたり段階的な改修を重ね、最終的には家具デザインまで手がけるなど、専門家としての視点から空間の潜在価値を最大化させています。
私たちは、設計の立場から将来のあり方を考え、設計の提案をおこなうことを重視しています。住宅を「設計の基本」と位置づけ、きめ細やかに考え柔軟に応答し、空間の質をもって具体へと結実させていくことを信条としています。
設計の担い手として関わりながら、思考と実務を育てる
新卒の方には、設計の基礎を徹底的に習得していただくため、事務所の根幹である住宅設計から基本的にはスタートしていただきます。住宅はきめ細やかな対応力や生活者視点を養うための基本であり、T/Hでは、この取り組みを絶やさないことを大切にしています。アシスタントとして部分的に関わるのではなく、初期段階から設計の担い手としてプロジェクトに参加することになります。具体的には、図面修正やCG作成といった補助業務に加え、設計図書の作成、打ち合わせへの同席、現場監理など、プロジェクトの川上から川下まで一貫して関わることができます。
業務内容自体は経験者と大きく変わりませんが、既存メンバーと並走しながら設計の考え方や判断基準を段階的に身につけていただきます。住宅設計を基礎とし、細かな条件に応答する力を養いながら、用途の定まらないプロジェクトや背景の異なる案件に触れることで、固定的な型に依らない柔軟な設計力を育てていただきます。
現在は、銭湯プロジェクトや富山県高岡市での古民家改修など、地域性豊かな案件が進行中です。まずは代表や先輩との伴走期間を長めに設定し、設計思想を丁寧に共有しながら、プロフェッショナルへの階段を登っていただきます。将来的には担当領域を広げ、設計から現場監理、さらには設計提案までをリードする、自走できる設計者へと成長していくことを期待しています。
正解のない環境で思考し続け、設計者としての軸を育てる
事務所内は落ち着いた環境ですが、年次に関わらず意見を歓迎する風通しの良さがあります。ただ、単に意見を出すだけではなく「なぜそう考えたのか」を問い続ける文化があるため、正解が用意されているわけではない環境で自ら思考し続ける姿勢が必要です。
今後は、住宅設計を継続しながら、クライアントと長期的かつ多角的な信頼関係を築くプロジェクトをさらに深化させていく展望です。新卒の方に求めるのは、何よりも「建築を作りたい」という強い意志です。企画や事業運営への興味も大切ですが、設計者としての矜持を持ち、抽象的な思考を粘り強く具体化する「しつこさ」を重視しています。受け身ではなく、自ら関わり、考え続けながら、設計者として成長していきたい人にとって適した環境です。
また、事務所の規模が広がる今、設計の質だけでなく、私たちの設計文化そのものを一緒に育てていただきたいと考えています。建築を通じて社会に何を提供できるかを真剣に考え、まだ整っていない部分も前向きに捉えながら、実務を通じて自分自身をアップデートし続けたいという熱意ある方の挑戦を待っています。
トップ画像〈健軍プロジェクト〉Photo: KatsuhisaKida