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JOB2023.08.31

【JOB 特別インタビュー】FHAMS(ファムス)が求める人材とは!?

2001年から京都を拠点にして活動するデザインチーム、FHAMS(以下、ファムス)。
国内外のレストランやホテル、ブライダル施設、物販店などのインテリアデザイン、住宅やオフィスビル、工場などの建築設計、家具デザインやディスプレイなど、手がける空間の種類や規模は幅広い。今では東京と香港にも、設計の拠点を置いている。

そしてファムスは設計だけでなく、施工も手がけることを強みとしている。現在、業務拡大に伴い設計と施工の両方で求人を行っているFHAMSの代表2人に、ものづくりに対する情熱と、そこから生まれる空間の特徴、一緒に働く人材に求める素質について話を聞いた。

「五自の精神」でものづくりに取り組む

── ファムスが大切にしていることから、教えてください。

▲福本祐樹氏(ファムス 取締役 チーフデザインオフィサー)

福本祐樹(以下、福本):「自発・自治・自覚・自信・自由」という「五自」が、ファムスの理念です。

最初の3つは、何事も自ら進んで積極的に行い(自発)、自分自身を管理し(自治)、自分が置かれている立場・役割・状況をよく認識する(自覚)、ということです。これら最初の3つは実は、キヤノンの行動指針として挙げられていたものからとりました。

そこに残りの2つを付け加えていて、自分の力を信じて(自信)、既成概念に縛られることなく仕事に取り組む(自由)ことは、デザイナーやものづくりに関わる人にとって重要です。気候風土や法的な条件、クライアントの要求に応えながら問題を解決することにとどまらず、ファムスで働く人には、“各自が自信を持ち”、“自由な発想で”仕事をしてもらいたいと考えています。

施工も行い品質と信頼を獲得

── ファムスで施工も手掛けていることの狙いはなんでしょうか?

▲安藤陵太郎氏(ファムス 代表取締役)

安藤陵太郎(以下、安藤):自分たちはもともと、ものづくりが好きなメンバーが集まり、店舗づくりなどの話があると自分たちの手でつくっていました。今では設計の比重が大きくなっていますが、最初は施工のほうが多かったくらいです。

設計と施工の両方を自社で行うメリットは、コストと工期をコントロールしやすいことです。そしてものづくりを理解して設計する人は、例えば材料同士を「こう工夫したら納められる」というようなことがわかります。現場で「これはできない」と言われても、その理由を聞きながらどうするかと判断できるのです。

福本:デザインは、見た目だけのものではありません。つくるモノの品質が、最終的にはクライアントに帰っていくものです。例えば、スッキリさせたいからといって枠を設けずにつくり、その後にヒビが入るようであれば問題になります。自分たちは、枠を入れてどう格好良く見せることができるか、合う枠がないのであればつくろうかと考えていきます。設計や施工で手数を重ねることは、確かな品質につながると思います。

▲ファムス京都事務所の2階スペースはカタログやサンプル、モックアップなどを置いて現場スタッフとも打ち合わせができるようになっている

“ものづくり好き”が “らしさ”として現れる

── クライアントのリピーターも多そうですね。

福本:おかげさまで、リピートしてくださる方や紹介は多いですね。

ものづくりが好きということ、それが使う人やクライアントへの「優しさ」となって空間のどこかに現れることがファムスの“らしさ”だと思いますし、そこが評価されるのでしょう。

そして自分たちは、各自がやりたいことは違っていていいと考えています。それぞれが、ファムスを通して得意な分野で勝負すればいい。役員の3人も、経営、デザイン、施工とみんなバラバラのことをしていますし。

これから、ファムスとしてやりたいことはたくさんあります。外資系企業の仕事や海外でのプロジェクトもさらに獲っていきたい。そのために、新しく加わっていただく方々にも「五自の精神」をもって、私たちと一緒に道を拓いてほしいと願っています。

(2023.07.26 ファムスにて)

 

ファムス スタッフに聞く“ファムスらしさ”

▲左から、鈴木友也さん、竹口絵美さん、黒沢 萌さん

鈴木友也さん

今年、地元の大学院を卒業してファムスで働きはじめています。現場のことをわかったうえで設計したいと考え、設計施工の事務所を探してファムスに入社しました。

ファムスの社風は、すごく自由だなと感じます。幅が広すぎると思うくらい、いろんな物件が進んでいます。自分が今担当しているのは、商業施設の飲食店などです。事務所でも現場でもコミュニケーションが活発で、いろいろな人と関われることは刺激になっています。

竹口絵美さん

私はライフステージに合わせてファムスに勤めていて、今働いているのは3度目の入社なんです。プロジェクトは担当者それぞれに任されて、各自が「こうしたい」ということをやらせてくれるので、自分で業務を管理し進める感覚を得やすいと思います。

ファムスが施工も行うプロジェクトを担当すると、現場は「ホーム」のような感覚です。わからないことは職人に直接聞きながら、納め方などを一緒に考えていく。現場の距離感の近さや実現するときのスピード感は、ファムスならではの特徴だと思います。

黒沢 萌さん

以前の職場では物販店舗のデザインがほとんどだったので、飲食の案件に関わることを自分から希望して、担当させてもらっています。ファムスの仕事はバリエーションが多くて、偏らないのがいいなと思います。

ファムスは、働き方の自由度も高いと感じます。iPadとiPhone、デュアルモニタにMacBookも各人に支給されていて、設計自体はどこでも仕事ができる環境です。私は夫が東京で働いているので、しばらく2拠点的に東京に滞在し、ファムスの東京オフィスに通うこともあります。生活に合わせて、東京と京都を行ったり来たりと調整しながら働いています。

▲ファムス京都事務所の3階は設計スタッフのスペース

(2023.07.26 ファムスにて)

▲ファムスの事務所から車で20分ほどの場所にある京都工場。プロジェクトの造作や特注家具などをここで制作している

戸倉慎介さん

私は大学卒業後、富山県の井波(いなみ)彫刻という、欄間などを彫る職人のもとで修行しました。その後に彫刻工房を主宰していたなかで建築の施工管理も行うようになり、ファムスには5年ほど前から加わっています。

細かなところをどう納めていくか、設計チームの人と密に話しながら進められるのは楽しいですね。朝礼を毎朝するような規模の大きな現場も、いつかは仕切ってみたいです。

(2023.07.26 ファムス京都工場にて)

 

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