平田晃久建築設計事務所が設計を担当し、東京・南大塚で建設を進めていた10階建て規模の複合施設〈Urban Green〉がまもなく竣工を迎えます。
プロジェクトを進めていたRYOZAN PARK[*]が1月10日に発表した施設概要によれば、1階はテナント、2階から3階がシェアオフィス、4階から10階にSOHO型レジデンスで、屋上は入居者の共有スペースで、ジムや菜園のほか、人々がリラックスできるスペースなど多⽬的に憩える場が計画されています。長屋を垂直方向に配置したようなフロア構成で、入居者同士の交流(いわゆる”近所付き合い”)の創出を促します。
〈Urban Green〉の外観は、北側に位置する公園(豊島区立南大塚二丁目児童遊園)との融合を意識したデザインとなっています。集合住宅とオフィス、テナントの3つの施設が共存し、公園ともつながる「半公共」の空間となって街と融合を図り、活性化を目指すとのこと。
シェアオフィス[RYOZAN PARK GREEN]では、ワークスペースと打ち合わせのほか、水耕栽培や実験なども行える仕様になっているのが特徴です。生ごみや廃棄野菜を堆肥に循環するコンポストや、地方の生産者を訪れるプログラムなども計画されており、都市部に拠点を置きながら自然と触れ合える機会やコミュニティを創造していくとのこと。
上記のことから、〈Urban Green〉の初回の入居者募集は、農業や環境問題に関わる事業者や、サステナビリティに興味・関心がある人々を対象としています。
シェアオフィスは3月以降、SOHO型レジデンスは2月下旬から入居が可能です。
平田晃久氏プロフィール
1971年大阪府に生まれる。1997年京都大学大学院工学研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務の後、2005年平田晃久建築設計事務所を設立。2015年より京都大学赴任。現在、京都大学教授。
主な作品に、桝屋本店(2006)、sarugaku(2008)、Bloomberg Pavilion(2011)、Tree-ness House(2017)、太田市美術館・図書館(2017年)、9hoursプロジェクト(2018-2020)、Overlap House(2018)、八代市民俗伝統芸能伝承館(2021)などがある。2024年春には原宿の神宮前交差点に面して新商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」が開業予定。
主な受賞に、第19回JIA新⼈賞(2008)、第13回ベネチアビエンナーレ国際建築展⾦獅⼦賞(2012、共同受賞)、村野藤吾賞(2018)、BCS賞(2018)、日本建築学会賞(作品、2022年)など多数。
著書に、現代建築家コンセプト・シリーズ『建築とは〈からまりしろ〉をつくることである』(LIXIL出版、2011)、『Discovering New』(TOTO出版、2018)などがある。
https://www.hao.nu/
所在地:東京都豊島区南大塚2-35-10(Google Map)
フロア構成:1階 テナント、2-3階 シェアオフィス[RYOZAN PARK GREEN]、4-10階SOHO型レジデンス、屋上(入居者共有スペース)
各階平面図、各室の空き状況・賃料など詳細
https://www.ryozanpark.com/blog/announcement-ja/ryozan-park-green-2/
[*] RYOZAN PARK:名称は『水滸伝』の梁山泊に由来。巣鴨・大塚エリアでシェアオフィス、シェアハウス、レジデンス、プリスクール(保育園)、イベントスペースを運営し、優れたもの達が集まる「働く」「学ぶ」「暮らす」「育てる」の新しいかたちを提案するコミュニティ。都内のシェア物件や賃貸物件などを取り扱う東邦建材工業(東京都豊島区巣鴨1丁目)が運営する。
〈Urban Green〉は、RYOZAN PARKグループが運営するオフィスとしては5拠点目(東京都認定インキュベーション施設としては3拠点目)。昨年5月には、茶室兼ギャラリーの4坪の空間[RYOZAN PARK HOKORA]をオープンしている。RYOZAN PARK Website
https://www.ryozanpark.com/