11月21日より開催中のTECTURE AWARD 2025。昨年を上回るペースで多くの作品がエントリーされ、特設サイトにて応募作品が次々と公開されています。前回同様、TECTURE AWARDの特徴は、「すべての設計者・インテリアデザイナーが応募できること」そして「応募作品はすべて公開され、誰もがアワードを盛り上げ、応援できること」です。
アンバサダーとは、空間デザインの可能性をひらき、社会へとつなげていくプロフェッショナルです。各分野の最前線で活躍する彼らが、応募作品の中から心を動かされた作品をセレクトし、その魅力を伝えます。選ばれた作品は「ロングリスト」として一般投票へと進み、グランプリが決定します。
今回、それぞれのアンバサダーが選定する1作品に「アンバサダー賞」が贈られます。どのアンバサダーにどのような作品が選ばれるのかも見どころの1つです。
今年のTECTURE AWARDアンバサダーを紹介します(後日、第2弾を掲載します)!

Kazuko Akamatsu / Photo: ToLoLo studio
1990年日本女子大学家政学部住居学科卒業後シーラカンスに加わる。2013年~法政大学教授。主な作品〈流山市立おおたかの森小中学校・他〉〈渋谷ストリーム〉〈アグリカレッジ福島〉。主な受賞に⽇本建築学会賞(作品)、第26回村野藤吾賞、BCS賞、AACA賞など。
[Ambassador Comment]
現代の社会において建築の役割、そしてそれらを生み出す設計行為の概念はとてつもなく大きく広がっています。新しいチャレンジが世の中を動かし、新たな価値を生み出していきます。そのムーブメントを、TECTURE AWARDで共に作りだしましょう!

Makoto Tanijiri
2000年建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE設立。吉田愛と共同主宰。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、国内外合わせ多数のプロジェクトを手がける傍ら、近年「絶景不動産」「tecture」「DAICHI」「yado」「Mietell」をはじめとする多分野で開業、事業と設計をブリッジさせて活動している。2023年商業施設〈猫屋町ビルヂング〉の運営もスタートするなど事業の幅を広げている。
[Ambassador Comment]
多くのアワードにトライし、若い頃に経験した喜びや悔しさが、自分たちを育ててくれました。その環境を継続していくことで、建築の文化を育てていくために、なにか役に立つことが出来るならばと考えて、お受けしました。

Kenichiro Suzuki
1972年、鎌倉市生まれ。SOMのサンフランシスコ・オフィスで12年間、世界各地の都市開発プロジェクトにおけるマスタープラン、デザインガイドライン策定、建築設計レビューに携わる。2022年より同社の日本での事業開発およびプロジェクト推進を担当。
[Ambassador Comment]
ネット上の参加型アワードは、2つの意味でチャレンジングかつ意義深いと感じています。映えるアイコニックな単独のイメージに左右されず、限られた資料から作品それぞれの価値をどう読み解くか。そして複数のアンバサダーが独自に選び、コメントするという点でプロの解読力が問われること。楽しみにしています。

Shigeru Kubota
2003年窪田建築都市研究所(有)を設立。2023年4月Degins JP(株)へ社名を変更。建築からインテリア、プロダクトなど幅広いデザインを行う。コミュニティ形成の重要性を軸にし、ブランディングやコンサルタントなども行う。代表作に〈TheWAREHOUSE〉〈GalaxyHarajuku〉〈MERCEDES-BENZCONNECTION〉〈Bosch Café〉〈METoA Ginza〉〈HIYORI CHAPTER 京都ホテル〉〈MAZDA東京本社〉〈BASEGATE横浜関内商業部デザイン〉などがある。JCDでは、日本空間デザイン賞委員長を務める。
[Ambassador Comment]
デザインは人の目に触れ、使ってもらい、喜んでもらって初めてデザイン本来の力を認識できると言えます。一般投票の公開審査によって、人びとが何を選び、何を評価するのか、 楽しみも不安もありますが、何よりこの新しいアワードがデザインのひとつの指針になっていくのではないかと期待をしています。

Tatsuya Hatori
東京都市大学客員教授。JIA新人賞を受賞した〈神保町シアタービル〉や、日本建築学会賞を受賞した〈ソニーシティ大崎〉〈桐朋学園音楽学部調布キャンパス1号館〉。JIA環境建築賞最優秀賞を受賞した〈コープ共済プラザ〉などを手がける。津波避難のために建築の避難計画手法を応用し開発した「逃げ地図」は、全国に広まっている。
[Ambassador Comment]
秀でたものをつくろうとすると、建築のみならず人や社会をより深く理解しなければ、それを成し得ないでしょう。エントリーされた建築を通して、建築家たちが見出し、切り拓いたそれらを伝える役割を担うことは、自分にとっても大いに学びになると思いアンバサダーを引き受けました。

Yusuke Ishikawa
SANU ARCHITECTS主宰。建築プロデューサー。早稲田大学大学院建築学専攻修了。森ビルに新卒入社し、〈麻布台ヒルズ〉を担当。2022年SANUに参画し、事業開発・建築を統括。SANUを通じ自身と家族のライフスタイルを模索する。野球と八ヶ岳、ノルウェーを愛す。
[Ambassador Comment]
TECTURE AWARDはすべての人に平等に開かれた、公開アワードです。
この場が、まだ見ぬ若手建築家や、実力者が花開くきっかけとなるアワードになってほしいです。自然と建築を紐解く新しい建築に期待しています。

Shotaro Yamashita
ワークスタイル/ワークプレイスの研究者。コクヨにて、2011年、グローバルでの働き方とオフィス環境のメディア『WORKSIGHT』を創刊。同年、研究機関「WORKSIGHT LAB.(現ワークスタイル研究所)」を設立。2022年、オルタナティブな社会をリサーチ&デザインする「ヨコク研究所」設立。京都工芸繊維大学 特任准教授を兼任。
[Ambassador Comment]
TECTURE AWARDが映し出すのは、時代の変化そのものです。建築やデザインが社会課題の「解答」ではなく「更新」を導くものとして、応募作品が現代を読み替える新たな視座を提示してくれることを願います。

Jutaro Takahashi
「建築と不動産のあいだを追究する」を理念とし、設計事務所出身者によって構成される不動産集団「創造系不動産」を率いる。設計事務所からの不動産依頼だけに特化し、従来の建築設計のプロセスに、不動産の方法論を接続することで、建築家とともに、多数の建築の前段階を変え続ける。神奈川大学建築学部教授。
[Ambassador Comment]
建築と不動産の境界があいまいな応募作品が、多く集まることに期待しています。その境界線のあり方は、常に変化し、異分野が建築の世界に入り込み、まさに多様な評価軸が求められている良い時代です。TECTURE AWARDというチャレンジでは、そういう状況が起こり得るということを、前回のAWARDで認識しました。楽しみにしています。

Hiroki Tokuyama
『AXIS』編集長。1979年愛知県生まれ。電機メーカー、音楽系出版社を経て、2023年に株式会社アクシス入社。同年5月より現職。
[Ambassador Comment]
いわゆる「建築アワード」は専門性が高く、堅いイメージなのですが、TECTUREだからこそできる軽やかで開かれた、そして浸透していくアワードになることを期待しています。

Klein Dytham architecture
クライン ダイサム アーキテクツ(KDa)は、建築、インテリア、インスタレーション、そして世界1,300以上の都市で開催されるクリエイティブイベントPechaKucha Nightを含む多岐に渡る分野のデザインを手がけるマルチリンガルオフィス。
[Ambassador Comment]
TECTURE AWARDは、アジアの建築とデザインのクリエイティビティと多様さを称える素晴らしいアワードです。常識にとらわれない大胆で独創的な応募作品を楽しみにしています! デザインが人をつなぎ、社会を前向きに動かす力をともに感じられたらうれしいです。

Shuhei Yamane
2008年隈研吾建築都市設計事務所入社。建築家として活動し、代表作は〈歌舞伎座〉。2015年よりLINE株式会社にて会社やサービスのブランディングなどを担う組織のマネジメントを行う。2019年tecture株式会社を創業し、代表取締役CEOに就任。
[Ambassador Comment]
建築やインテリアには、人の心を動かすおもしろさと可能性があります。このアワードを通じて、その魅力をより多くの人に伝えたいです。応募される皆さんとともに、新しい価値観や発見が生まれる場をつくり、アワードを盛り上げていけることを期待しています。