日建設計と日本設計は、日本国内の建築構造設計分野での情報交換のための標準フォーマットである「ST-Bridge」[*1]を使用した構造設計における、解析データとBIMデータの整合確認の効率化を目的としたアプリケーションを共同で開発、「STB-DiffChecker」として無償公開すると発表しました。
*1.一般社団法人 buildingSMART JAPAN
https://www.building-smart.or.jp/meeting/buildall/structural-design/
2021年3月24日に日建設計と日本設計が発表したプレスリリースによれば、両社はこれまで、BIMを用いた新しいワークフローの構築に取り組んできたとのこと。今後も建築の構造設計における非競争領域での連携を進め、日本のBIM活用の発展に寄与していく意向です。
今回の技術協力では、建築構造分野の標準フォーマットである「ST-Bridge」を介して、構造解析データとBIMデータ間の整合確認を自動で行うアプリケーションを開発。これにより、構造設計で使用するデータの品質が向上し、業務を効率的に行えるようになります。
また、アプリケーションのソースコードを含めた全ての情報を無償公開し、業界内での「ST-Bridge」による整合確認の普及と、将来的な電子申請に向け、可能性を模索していくとのことです。
今回発表された新しいアプリケーション「STB-DiffChecker」の特徴は以下の通りです。
アプリケーションの主な概要
●「STB-DiffChecker」
・解析データとBIMデータそれぞれから出力したST-Bridgeデータの比較を行う
・整合判定における許容差の設定が可能(梁の下がりによる節点座標の誤差判定 など)
・整合結果の項目ごと、判定項目ごとにフィルタ操作が可能
・整合結果のExcelファイル出力が可能
・ST-Bridge ver2.0.1 に対応
*図版の註 2.建築 BIM 推進会議, 建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第1版)
「ST-Bridge」を用いた解析データとBIMデータの整合チェック
構造解析データとBIMデータは、構造設計の業務フロー上、取り扱う目的や検討内容が異なるため、同時並行的にそれぞれを個別で取り扱わなくてはいけません。そのため、従前ではそれぞれのデータ間の整合確認に膨大な時間を要してきました。
構造解析データとBIMデータそれぞれを「ST-Bridge」として出力したものを、本アプリケーションにより機械的に整合確認することで作業の効率化と人為的ミスの削減が可能となります。
アプリケーション「ST-Bridge」の提供は、ソフトウェア開発のプラットフォーム「GitHub」にて、無償での公開です。(en)
プラットフォーム「GitHub」Webサイト
https://github.com/NS-NS/STB-DiffChecker
日建設計プレスリリース
https://www.nikken.co.jp/ja/news/press_release/2021_03_24.html
日本設計プレスリリース
https://www.nihonsekkei.co.jp/news/detail_15458/