竹中工務店デザイン監修＋横堀建築設計事務所内装設計によるミシュラン一つ星シェフのフレンチ〈naoto.K〉が神田錦町にオープン

2021年9月7日初掲、9月9日内外観写真追加

神田錦町にミシュラン一つ星を獲得したシェフのフレンチ〈naoto.K（ナオトケイ）〉がオープンしました。
建物のファサードのデザイン監修を竹中工務店が、内装設計を横堀建築設計事務所がそれぞれ担当しています。

竹中工務店の花岡郁哉氏がデザイン監修を担当したファサードの外壁パネルは、最新のコンピュテーショナルデザインにより、1枚ずつ全てが異なる形状で設計、製造されています。同じく花岡氏が設計を担当し、六本木のメルセデスのストア敷地内に2019年に建てられた〈EQ House〉でも見られる手法です（事例詳細）。

パネルの模様は、江戸小紋を現代的に解釈しつつ、フランスの伝統的な文様の特徴でもある有機的な表現との融合も図られています。
照明が入る夜間には、建物全体がが街に明かりを灯す行燈に。建物の内側から漏れた光が美しいグラデーションとなるようにデザインされています。

構造の規模は3階建。岸本氏のレストランは2階にあります。構造は木造で、レストランフロアを柱のない空間とするために、LVL（短板積層）材を採用した枠組壁工法を採用しています。

〈naoto.K〉内観

〈naoto.K〉内観

内装デザインは、横堀建築設計事務所が担当。金箔を押したような壁材、墨のグラデーションのようなカーテン、朝日をイメージしたカーペット、竹の簾など、和と洋の融合した空間となっています。
食器は全てオリジナルデザインで、有田焼のカマチ陶舗によって作られました。

厨房に立つ岸本直人シェフ

「naoto.K」のレストランとしてのコンセプトは「シュン ～ 旬と瞬」。シェフの岸本直人氏は、生産者が生み出す山・海・大地の恵みの美味しさを最大限に引き出しつつ、1枚の皿の上で日本の豊かな四季を表現し、味わってほしいと考えています。

岸本直人シェフ

岸本直人シェフ プロフィール：
東京都出身。NHK制作のドラマ「天皇の料理番」をきっかけにフランス料理に興味を持ち、”料理の鉄人”として知られる渋谷「ラ・ロシェル」の坂井宏之氏に師事。1994年に渡仏、ロワールの名店「ラ・プロムナード」、パリの名店「フォーシェ」、ブルゴーニュ ヴェズレー「レスペランス」など各地で研鑽を積む。1996年に帰国し、銀座「オストラル」をスーシェフとして立ち上げ、2001年より同店のシェフに就任。2006年11月に南青山にフランス料理店「ランベリー」をオープン（2017年11月 広尾に移転オープン）させている。

このほど〈naoto.K〉がオープンしたビルは、東京・千代田区に本社を構える安田不動産が展開する、神田錦町のまちづくりの一環として、2021年8月15日に竣工させたもの。同社は、神田錦町において長年、オフィスビルや賃貸マンションなどを供給しており、近年では、皇居に近接する立地を活かしたランナーズステーションや、和食店舗、サウナ施設など、特徴のある店舗を点在的に誘致するエリアリノベーションを進めています（本稿下部にプロジェクトの関連リンクを設定）。

路面型店舗（錦町2-1ビル）には、テナントとして、都内でビストロやフレンチ、ワインスクールなどの事業を行っているスーリール・ド・シュシュ（代表取締役：渡辺剛俊）が入居。ビルの顔となる店舗として、ミシュラン一つ星を通算12回獲得している岸本直人シェフを招き、氏の集大成となるフレンチレストラン〈naoto.K〉のオープンとなりました。

建物は神田警察通りに面した視認性の高い立地にあり、デザイン性の高いファサードと、上質な料理で食体験を提供するレストランの誘致により、神田錦町に幅広い層の人々が訪れ、多様性を高めながら街に新たな息吹をもたらす効果を狙っています。（en）

神田錦町エリアマップ

建物・施設名称：錦町2-1ビル
用途：店舗（飲食・物販店）
所在地：東京都千代田区神田錦町2-1-1（Google Map）
構造・規模：木造 3階
延床面積：123.31m²（37.30坪）
事業主：安田不動産
デザイン監修：花岡郁哉（竹中工務店）
内装設計：横堀健一＋コマタトモコ（横堀建築設計事務所）
設計・施工：長谷萬
テナント：スーリール・ド・シュシュ

レストラン名称：naoto.K（ナオトケイ）
レストランシェフ：岸本直人
レストラン開業日：2021年8月30日
営業時間：ディナー 18:30一斉スタート
定休日：不定休
価格帯：おまかせコース 33,000円（サービス料なし・消費税込）
客席数：カウンター8席

〈naoto.K〉公式ウェブサイト
https://naotok.tokyo/