都心の環境にあって屹立し、マッシブな外観が目を引く〈出窓の塔居〉(設計:藤貴彰+藤悠子アーキテクチャー)。
Top image: Masao Nishikawa
建築の空間構成について、また設計のポイントを藤 貴彰氏に解説いただき、動画でまとめた。
世界的にも注目を集め、国内外で数々の賞を受賞している事例を、隅々までご覧ください。
Movie & photographs: toha
(以下、動画キャプチャ)
【出窓の塔居】
所在地:東京都渋谷区
用途:戸建住宅・事務所
クライアント:自邸
竣工:2020年
設計:藤貴彰+藤悠子アーキテクチャー http://www.ty-fuji.info
担当:藤 貴彰、藤 悠子
構造設計:川田知典(川田知典構造設計)
環境設計協力:Xiao Yahan、堀田憲祐、堀田明登(PO LLC)
照明設計協力:三井敦史
施工:渡辺富工務店
工事種別:新築
構造:鉄骨造
規模:地上4階
敷地面積:43.91m²
建築面積:25.39m²
延床面積:84.35m²
設計期間:2018.09-2019.01
施工期間:2019.05-2020.02
2020 Architecture MasterPrize Winner
2020年度「グッドデザイン賞」受賞
2021年「ウッドデザイン賞」受賞
2022年「日本建築学会作品選集」新人賞
2022年 第4回「日本建築設計学会賞」大賞
Detail & Material
「外でも中でも、年月や日々のうつろいが感じられることを大切に素材を検討した」という藤氏。
炭化コルク、鉄、木などの素材を、内外の仕上げで用いている。
■外壁:炭化コルク/ AMORIM
加熱しながら圧縮し、樹液が出ることで固まらせた炭化コルク材。
外壁には防水の上に張り、断熱材を兼ねている。「表面塗装はせず、経年変化の様子を見ています」(藤氏)。
■居室床:チークフローリング(複合板) / 昭和洋樽製作所
既製品のフローリング材を長手方向で35mm幅に割き、外部をオフセットするように張っている。
■壁:雲母入り左官「ジョリパット スムースフレーク」仕上げ / AICA
■鉄骨現し部:「フェロドール」塗装 / 関西ペイント
雲母の入った左官材でキラキラと輝いて見える左官材。「1日や年間を通じての変化を感じます」(藤氏)。
鉄骨が壁に取り合う個所では乾式のパネルは納まりにくいため、塗り仕上げとしている。
鉄骨や階段の鉄部は「フェロドール」塗装仕上げ。
階段の段板には音や熱の伝達を抑えるため、カーペット(SMOOZY 1609 Fielder / Oshima Pros)を敷いている。
■照明:特注ポータブルライト
藤氏がデザインし特注製作した、鋼製のポータブルライト。開いている面と閉じている面があり、光の方向を調整できる。
「壁の付近に置けば、ウォールウォッシャーとなります」(藤氏)。
■ガステーブル:ドロップインコンロ ステンレストップ / リンナイ
キッチン回りの仕上げがすべてステンレスのため、仕上げに合わせた4口のガステーブルとしている。
■洗面器:DuraSquare / DURAVIT
最上階の窓際に設置した洗面器は、ホテルライクな佇まい。1階のコンパクトな手洗いもDURAVIT製のもの。
■バスタブ:Stark Tubs / DURAVIT
最上階に設置した、浴室・洗濯・トイレが一体となった水回り。バスタブはDURAVIT製。
「浴室回りも出窓になっていて、ゆったりとした空間としています」(藤氏)。