世界33カ国に16,000名以上のスタッフを擁し、国際的な業務展開を行っているエンジニアリング・コンサルティング会社のArup(アラップ|本社:ロンドン、代表:Alan Belfield)は、同社が開発したAIスマートプラットフォーム〈Neuron〉について、2020年6月2日に日本語によるプレスリリースを配信しました。
同社が公式ウェブサイトで公開している情報によれば、Neuron(ニューロン)とは、人間のニューロンネットワークを反映したネーミングで、人間のニューロンと同様に、分析機能を有効にしたIoTセンサーネットワークが建物環境に展開され、動的環境への迅速かつ適応的な応答を可能にするものです。
リリースによれば、〈Neuron〉は、建物の運用システムや空調(HVAC)システムから、リアルタイムで自動取得されるデータと、BIMモデルから生成される、仮想空間との相互連携を実現したデジタルツインを活用し、建物の管理、運用、保守を効率化し、ひいては設計、施工のあり方にまで影響を及ぼす可能性のある、総合的なソリューションです。
AI技術を活用することによって、Neuronは単なる制御や状況把握を超え、その先の傾向分析やエネルギー需要予測、建物システムの最適化、故障検出、故障予測に基づく保守を自動的に実行する点が画期的です。
2008年のオリンピックで競泳会場として使用された北京国家水泳センター(ウォーターキューブ)に〈Neuron〉が導入され、エネルギー使用量の最適化と予知保全により、最大25%のエネルギーを削減した実績があります。
また同社では、ソフトウェア・アップデートの要領で、〈Neuron〉の機能を随時追加しており、最近では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行を受けて、感染症対策の機能が追加されています。
建物の入口に設置したサーモグラフィーカメラと連動して、体温が高い人を検出する方法として、周辺温度から受ける影響を排除するための温度補正を自動的に行い、より精度の高い検出を可能にしています。
ビルオーナー、ビル管理者、ビルの設計者それぞれに利益をもたらすAIスマートプラットフォーム、それが〈Neuron〉であると、Arup社は説明しています。(en)
〈Neuron〉概要
・クラウドベースの建物管理用プラットフォームであり、複数の端末から情報にアクセスが可能
・5Gに対応
・天候のようなビッグデータも含め、AIが傾向分析や故障予測等行う
・管理の最適化に役立つリアルタイムの分析とフィードバックを実現
・BIMデータとあらゆるセンサー(監視カメラ、人数カウントセンサ等)のデータを併せて、PCやタブレット上に分かりやすく可視化
Arup 公式ウェブサイト〈Neuron〉のページ https://www.arup.com/ja-jp/projects/neuron