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改正意匠法で建築物と内装の意匠権出願が可能に。蔦屋書店が内装の意匠登録第1号を取得

BUSINESS2020.10.29

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC) は、2020年4月1日に施行された改正意匠法[*]から認められるようになった「内装の意匠」に関して、出願していた蔦屋書店の内装が第1号として登録されたことを発表しました(2020年10月26日プレスリリース)。
*今回の「特許法等の一部を改正する法律案」は、2019年(平成31)3月1日に閣議決定され、同年(令和元年)5月10日に国会で可決・成立し、同17日に法律第3号として公布済み。ほとんどの改正項目が2020年(令和2)4月1日より施行済み。

蔦屋書店 店内写真

蔦屋書店 店内写真

今回登録されたのは、天井までの高さがある書架に囲まれたロングテーブルのある内装の意匠と、CCCが「本の小部屋」と呼ぶ、書架で囲まれた小部屋が連続する空間の意匠です(意匠登録1671152)。

意匠法(意匠権)とは、特許庁が管轄する産業財産権法に含まれます。
改正前の意匠法では、保護の対象は「物品」に限られ、不動産や固体以外のものなど「物品」でないものは保護されませんでしたが、今回の法改正により、保護対象を拡充し、新たに「画像」、「建築物」、「内装」のデザインについても登録ができるようになっています。
また、権利の存続期間も改正され、登録料納付の手続完了から20年だった規定が、出願から25年に延長されています。

意匠権は著作権とは異なり、創作と同時に自然発生するものではなく、権利の取得には審査を要します。出願から審査を経て登録査定され、登録料納付の手続が完了して初めて、権利が発生します。

意匠法上の建築物とは、住宅、オフィスビル、学校、美術館、工場、橋りょうなど、土地に定着した人工構造物を指します(土木構造物を含む)。同じく内装とは、上記構造物のほか、観光列車や客船など、動産の内装も対象となり、複数の物品、壁、床、天井などから構成されるデザインを1意匠として登録できます。

意匠登録を受ける権利は「意匠の創作をした人」に付与されますが、権利を他者に譲渡することも可能です。また、意匠設計者やインテリアデザイナーは、実際の建築・施工の有無に関わらず、意匠権を出願することができます。例えば、正式に採択されるかどうかわからないコンペ応募案がこれに該当します。

詳細は、特許庁公式ウェブサイト(制度・手続>法令・施策>法令・基準>基準・便覧・ガイドライン>意匠>「建築・内装デザイナー向け情報」などを参照してください。

改正意匠法「建築・内装デザイナー向け情報」
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/kenchiku-naiso-joho.html


# 特許庁公式YouTuneチャンネル「建築・内装デザイナー向け「意匠登録出願の基礎(建築物・内装)」(2020/03/23)

なお、工業所有権情報・研修館が運営・公開している「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」での検索結果によれば、2020年の登録数は現時点で4件。CCCが登録した「書店の内装」のほか、くら寿司が佐藤可士和氏を創作者として「回転寿司店の内装」で登録を行っています(意匠登録1671153)。

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

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