BUSINESS

CLTの"現し仕上げ"が準耐火構造で可能に

45分準耐火構造の大臣認定をライフデザイン・カバヤが在来軸組+CLTの自社構法で取得

BUSINESS2022.05.31

在来軸組工法に耐力壁としてCLTパネル[*1]を組み込んだ構法(CLTハイブリッド構法)により、2022年5月13日に45分準耐火構造の国土交通大臣認定を取得したことを、岡山の住宅メーカー、ライフデザイン・カバヤ(岡山県岡山市)が発表しました(2022年5月30日プレスリリース)
*1.CLT: Cross-Laminated Timber(直交集成板)の英略

CLTハイブリッド構法とは、一般的な木造軸組工法における筋かいや耐力壁面材の代わりに、CLTパネルを耐力壁として組み込んだ工法で、ライフデザイン・カバヤによるオリジナル構法。
CLTパネルをそのまま見せる”現し仕上げ”が可能であり、木目や節、木肌の色合い、木の香りといった木材の特質を生かすことができるのが特長です。

CLTパネルの耐力壁(イメージ)

大臣認定を取得した、60㎜厚、3層3プライのCLTパネルの耐力壁(CGパース)

認定内容(以下全て各45分間)
間仕切壁(耐力壁)
認定をした構造方法等の名称:片面強化せっこうボード張、片面直交集成板張、木製軸組造間仕切壁
認定番号QF045BP0177

間仕切壁(耐力壁)
認定をした構造方法等の名称:両面直交集成板張、木製軸組造間仕切壁
認定番号QF045BP-0178

外壁(耐力壁)
認定をした構造方法等の名称:フェノールフォーム断熱材充てん、窯業系サイディング表張、直交集成板裏張、木製軸組造外壁
認定番号QF045BE1637(1)

外壁(耐力壁)
認定をした構造方法等の名称:フェノールフォーム断熱材充てん、窯業系サイディング・下張材[木質系ボード、セメント板、火山性ガラス質複層板及びせっこうボード]表張、直交集成板裏張、木製軸組造外壁
認定番号QF045BE1637(2)

今回の大臣認定取得により、同社の準耐火構造の在来軸組工法において、CLTパネルの”現し仕上げ”が可能となりました。
遮音・断熱材の一部として活用できるため、防耐火性能を有する石膏ボードの代替え品となることが見込めるほか、耐力壁としての耐震性を確保しながら、柱のない開放的な空間や、自由度の高い間取りも可能に。
このほか、ウッドショックなど国際的な情勢に左右される輸入材に頼らず、国産材を在来軸組工法に積極的に活用できるという、産業構造的なメリットも見込めます(ライフデザイン・カバヤは、一般社団法人岡山県木材組合連合会および岡山県との3者間で建築物木材利用促進協定を2022年5月13日に締結している / 5月25日プレスリリース

建築物木材利用促進協定 締結書

2022年5月13日に岡山県・一般社団法人岡山県木材組合連合会・ライフデザイン・カバヤ間で締結された建築物木材利用促進協定 締結書(岡山県産ヒノキ製) 見開き画像:2022年5月25日プレスリリースより

今後は壁倍率換算3.0~7.0倍のCLT耐力壁や、現しで使用しない隠蔽型の耐力壁としての運用を加えるなど、同社ではCLTハイブリッド構法を進化させていく計画です。

ライフデザイン・カバヤ プレスリリース(2022年5月30日)
「オリジナルCLTハイブリッド構法で45分準耐火の国土交通大臣認定を取得」
https://lifedesign-kabaya.co.jp/news/press/page-230/


ライフデザイン・カバヤは、カバヤ食品(岡山市)と小堀住研(大阪市)の共同出資(出資比率:カバヤ75%、小堀25%)により、カバヤ小堀住研として1972年に設立。その後、1990年にエス・バイ・エル・カバヤに改称、2017年に現在の社名となり、今年で設立50周年を迎えます。

2015年より、自社建築でCLT建築に着手し、2016年より大学教育機関と民間の企業数社ほかとの共同研究により、オリジナルのCLT専用接合金物を用いて、簡易的に構造計算が出来るオリジナルCLTパネル工法(LC-core構法)を開発。
2017年の社名変更以降は「木で街並みを変える」をコンセプトに掲げ、1~3階建ての低層建築に向けたオリジナルCLT構法の開発をはじめとする、CLT事業を推進してきました。
2018年には、社内団体である日本CLT技術研究所(NCL)を発足。LC-core構法をはじめとする、CLTに関する自社のノウハウや技術を社外に提供する全国フランチャイズをスタートしています[*2]
*2.「日本CLT技術研究所ネットワークとCLTを使った自社建築」にて、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞2020(JAPAN WOOD DESIGN AWARD 2020)」を受賞
https://www.wooddesign.jp/db/production/1456/

すでに同社では、3つの住宅展示場(クラシコ丸亀展示場展示場、ABCハウジング加古川住宅公園展示場、KBCマイホーム展ふくおか展示場展示場)と、沖縄市越来に2棟同時に竣工した分譲住宅にて、CLTハイブリッド構法を採用しており、注文住宅事業での本格的な展開は、2022年度中の開始を予定しています。

ライフデザイン・カバヤ KBCマイホーム展ふくおか展示場(イメージパース)+モデルルーム平面図

ライフデザイン・カバヤ KBCマイホーム展ふくおか展示場(イメージパース)+モデルルーム平面図

ライフデザイン・カバヤ 分譲住宅(沖縄市内)

CLTハイブリッド構法』を採用した分譲住宅(2022年2月完成)

今年4月26日には、プロトモデル化に着手している「CLT中高層建築」の構想とイメージパースを発表、こちらも注目されます。

CLT高層ビル イメージ

ライフデザイン・カバヤが目指すCLT中高層建築計画 イメージパース

同プロジェクトは、林野庁の「令和2年度木材製品の消費拡大対策のうちCLT建築実証支援事業 CLT建築実証事業」補助事業に採択されており、実施設計へ向けた、6階建てによるCLTビルの設計実証を実施。引き続いて、10階建てのプロトモデル化も計画しているとのこと。

ライフデザイン・カバヤ プレスリリース(2022年4月26日)
「6階建てCLTビルの構造プロトモデルの設計実証が完了」
https://lifedesign-kabaya.co.jp/news/press/page-228/

ライフデザイン・カバヤ 公式ウェブサイト
https://lifedesign-kabaya.co.jp/

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