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2週間で建設可能! 2024年問題と環境に向き合ったプロダクト「SANU CABIN MOSS」

[Report]国産材を100%利用したSANUの新しいキャビン

BUSINESS2024.08.23

「自然の中のもう1つの家」をコンセプトにした会員制セカンドホーム「SANU 2nd Home」を提供しているSANU。月額5.5万円のサブスクリプションのほか、共同オーナー型や法人契約型などのプランがあり、これまでADX、Puddle、芦沢啓治氏らが設計した拠点は全国21カ所、116の客室を運営しています(2024年8月現在)。

この夏オープンした「SANU 2nd Home 北軽井沢2nd」にて、新たな建築モデルの「SANU CABIN MOSS」を手掛けた設計・施工パートナー・ADXの安齋好太郎氏、ランドスケープデザインを担当したグリーン・ワイズの田口真弘氏による案内で、プレス関係者の試泊が行われました。

環境と職人のことも考えた、一歩先を見据えたプレハブ

木の実に着想を得た形状。建物ギリギリまで周囲の既存樹木を伐採せず残しているのが分かる

「SANUが広がれば広がるほど、自然が豊かになる」ことを目指すSANUは、常に環境配慮型建築を開発、施工しています。北軽井沢の「SANU CABIN MOSS」も同様に、環境、動植物、そして施工する職人にも配慮した建築となっています。

「SANU CABIN MOSS」は土壌への影響を最低限に抑えた高床式(高基礎杭工法)を採用。小径の杭8本で支えることで土、周辺の根、水脈へのダメージを減らしています。

積雪4mの負荷や強風に耐える建物強度をもつ多面体の屋根形状で、樋を設置せず雨が一点に集中して流れることを避けるデザインとなっている

建物は杭基礎・フレームの現場施工と、工場で組み立てられたユニットで成立。デジタルファブリケーションやオリジナルで開発した金物を用いた工法により、2週間という短工期での施工を可能にしています。また、施工に足場を必要としないため、冬場はマイナス20度にもなるという北軽井沢のような地域でも安全に施工できるよう配慮され、足場のために周辺の樹木を伐採することありません。

建築の加工工程の80%をデジタルファブリケーション化、工場で実施することで建設業界の人手不足問題にも取り組んでいる

SANU CABIN MOSSの施工風景

山の老朽化に向き合い、森の循環を目指す

テラス前にある焚火台スペース。工事工程で出た浅間石は廃棄物とせず、並べて利用している

建築業界2024年問題同様、林業でも担い手の高齢化や人手不足などによる「山の老朽化」が長らく問題となっていますが、「SANU CABIN MOSS」では伐採期を迎えた50~60年の樹木を中心に、100%国産材のみを使用しています。一般的な木造建築の木質化率(建築総コストに占める木材のコスト)は8~14%とされているところ、39%までに拡大しました。

構造材や外壁、デッキだけでなく、建具やワークデスクにも国産の木材を採用。地場産材にこだわらず、全国の森の循環を促進します。

床は福島県産のクリ、窓枠は福島県産のスギ、床柱は京都・北山杉の絞り丸太を採用。国内需要が減少している銘木の活用を促進する狙いがある

無駄に伐採を行わず、高低差もそのまま利用して配棟計画を策定。伐採した樹木の一部を移植するなど、ネイチャーポジティブな開発を行った「北軽井沢2nd」。新モデルの「SANU CABIN MOSS」は北軽井沢に始まり、年内に白馬、南アルプス、八ケ岳、河口湖、来年はニセコ、蓼科でも開業が予定されています。

「無駄に伐採しない」を実践し、高低差を活かして配棟された14室のキャビン

「SANU 2nd Home 北軽井沢2nd 」概要

所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村
広さ:室内48㎡+テラス6㎡
収容人数:4名(セミダブルベッド2台)
部屋数:全14室

基本タイプ、ドッグフレンドリータイプ、サウナ付きタイプなど、さまざまなキャビンが点在する

 

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