大阪市中央区心斎橋筋1丁目に、〈心斎橋PARCO〉が2020年11月20日(金)に開業します(一部フロアは2021年1月・3月の段階的なオープン)。
渋谷、名古屋PARCOと並ぶ東名阪の基幹店に位置づけられ、全国18店舗目のPARCO(パルコ)であり、約9年ぶりの大阪・心斎橋への回帰となります。
この地にはかつて、村野藤吾の設計による通称「心斎橋そごう」が建っていました。南側で隣接するウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した名建築・大丸心斎橋店と並んで、長年にわたり、心斎橋の「顔」として市民に親しまれてきた建物でしたが、どちらも解体されて建て替えられています。
〈心斎橋PARCO〉がオープンする現在のビルは、再生特別区指定の商業施設〈そごう心斎橋本店〉として2005年に竣工したもの(デザインデレクション:キャリソン・アーキテクチャー社、設計施工管理:竹中工務店)。そごうが撤退した後は、並びの〈大丸心斎橋店(本館)〉の北館として2009年より営業。パルコが入ることが決まってからは、2019年9月に閉館し、約1年をかけてリノベーションが行われました。これと入れ替わるようにして、ヴォーリズ建築の継承を謳い、建て替えのため2015年12月末で閉館していた〈大丸心斎橋店本館〉が、地下3階+地上11階のビルとなってにグランドオープンしています。
パルコ開業にあたり、既存ビルの伝統を重視した改修が行われています。
外壁には新たに「ドレープ」の意匠を用い、見る場所によってビルの表現が変化する躍動感を表現。また、連絡通路でつながっている、〈大丸心斎橋店本館〉のクラシックなヴォーリズスタイルに対し、「ドレープ」で華やかさを表現し、デザイン的にファサードのラインを〈大丸心斎橋店本館〉に合わせるなど、景観の調和も図っています。
館内では、1階の床面に、御堂筋の銀杏並木にちなんでデザインされ、既存ビル(旧大丸心斎店北館)1階エレベーターホールで使用されていた象嵌タイルを残しました。1~2階と8~9階にも、エスカレーターサイドの特徴的なライムストーン(天然石材)によるデザインを残し、1~2階の壁面にはペイントを加え、新たな「伝統と革新」のアート表現の場となる予定です。
旧ビルの1階エントランスホールに飾られていたモザイクタイルアートと、外壁に展示されていたブロンズ彫刻も継承され、13階と14階にそれぞれ展示されます。
建物の規模は地下2階~地上14階(屋上階を除く)、店舗数は約170店舗と発表されています。
〈心斎橋パルコ〉のメインフロントに位置するのが、〈ティファニー心斎橋パルコ店〉。ファサードには、ニューヨーク五番街の旗艦店、ティファニー ニューヨーク本店にも採用されているウィートリーフのモダンなデザインが施されています。
店舗の床面積は約300m²。店内の壁には、ニューヨークの街並みや、創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニーのアートワークが飾られています。大理石とフルーティング加工を施したステンレスの什器と、インテリアのアクセントとして施されたホワイトオークウッドが、美しいコントラストを生み出しています。
同じく1階の路面店には、〈バーバリー心斎橋パルコ〉が入ります。床面積は約150m²。日本初のメンズ・ウィメンズの合同型ストアになります。
同じく1階には、ワイズ系列の「Ground Y(グラウンド ワイ)」がオープン。ヨウジヤマモト社のフィルターを通し、コンセプトにシンクロする多面的な要素を取り入れながら、ジェンダーレスでエイジレスなスタイルでファッションの新たな可能性を提案するストアです。
GINZA SIX、ラフォーレ原宿、渋谷PARCOに続いて国内4店舗目、関西では初のオープンです。
オープンを記念して、これまでGround Yのキービジュアルモデル出演やコラボレーションを実施したアーティストや俳優、タレント11組の特大パネルを約1カ月間、店頭に展示。各パネルには本人直筆のメッセージとサインが添えられています。
出演モデル(五十音順・敬称略):生駒里奈 / 磯村勇斗 / 神尾楓珠 / のん / 深川麻衣 / 山之内すず / HARUNA(SCANDAL)/ MAMI(SCANDAL)/ RINA(SCANDAL)/ TOMOMI(SCANDAL)/ 7ORDER
大阪の老舗珈琲店、丸福珈琲も、約1年ぶりに心斎橋に帰ってきました。
昭和9年の創業。大阪なんば千日前の本店は、芸人、落語家、文化人らに愛され、芥川賞作家・田辺聖子氏の小説の舞台として描かれたことも。心斎橋店では、初の試みとなる書店とのコラボスペースが設置されます。
〈2G OSAKA〉は、MEDICOM TOYによる「アートトイ」、現代アートギャラリー / NANZUKA(南塚真史)による「ギャラリー」、小木“POGGY”基史とデイトナ・インターナショナルによる「コンセプトショップ」から構成される新形態のスタジオです。昨年11月に渋谷PARCOにオープンした〈2G TOKYO〉に続く2号店となります。国内外で人気の高い〈BE@RBRICK〉のシリーズを販売アイテムとして展開します。
〈2G〉という名称は、パルコをつくった増田通二氏へのリスペクトから。4G、5Gというデジタルの時代のなかで、アナログなものづくりの良さを再度、表現する場として名付けられました。スタジオのロゴは、NANZUKAに所属するアーティスト・空山 基氏のデザインです。
店舗の内装デザインは、金庫をイメージしたもの。渋谷の〈2G TOKYO〉と同じ内装で、ニューヨークに拠点を構えるSnarkitecture(スナーキテクチャー)が手がけました。
Snarkitecture(スナーキテクチャー)は、ニューヨークを拠点とする共同デザインチーム。領域間の境界を研究するために設立された。名前の由来は「考えられない生き物を見つけるためにありそうもない乗組員の不可能な航海」を描いたルイス・キャロルの作品『The Hunting of The Snark』からきている。未知なるものを探求していく過程で、彼らは壮大なプロジェクトやインスタレーション、オブジェの数々を生み出している。スナーキテクチャーの作品は、日常に存在する物質や構造、プログラムを斬新で想像力に富んだ現象に再解釈することに焦点を当てており、体験することの重要性を中心に置いたコンセプチュアルなアプローチは、私たちがこれまで経験したことのない記憶に残る瞬間を創り出すことで、周囲に心を向け、そこへ関わるようにいざなっていく。
これまでに、KITH(キス)、Billionaire Boys Club(ビリオネア・ボーイズ・クラブ)のフラッグシップストア、Valextra(ヴァレクストラ)ミラノ本店などを手掛けている。今年7月に東京・渋谷のMIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)にオープンした〈KITH TOKYO〉の内装も手掛けている。
〈2G OSAKA〉では、店舗内に展示スペースを設け、オープン記念の第1弾として、NANZUKA所属作家である空山 基氏の立体作品〈Sexy Robot_infiniti floating〉が展示されます(展示期間:11月20日[金]~12月20日[日])。
空山氏の作品は、現代アートギャラリーNANZUKAのキュレーションによる、〈心斎橋PARCO〉の14Fに、「SPACE14(スペースイチヨン)」とあわせてオープンするイベントスペース「PARCO EVENT HALL」のこけら落としとなる企画展「JP POP UNDERGROUND」にも出展されます。
14階のイベントスペースとギャラリーは、大丸心斎橋イベントホールと大丸心斎橋劇場を継承する施設で、東京・渋谷発の演劇・映画・音楽・アート / カルチャーなど、パルコの文化情報発信の「西の拠点」となることを目指します。
「JP POP UNDERGROUND」は、国内外第一線で活躍する日本人アーティスト16人によるグループ展。昨年、ニューヨークとロサンゼルスにある「Jeffery Deitch ギャラリー」を巡回した展覧会「TOKYO POP UNDERGROUND」および、今年7月に〈渋谷PARCO〉で開催した「GLOBAL POP UNDERGROUND」のコンセプトを踏襲した、一連の企画展の最終章となります。グラフィックアーティストのYOSHIROTTEN氏が率いる「YAR(ヤール)」による、デストピアをテーマにした空間および展示構成は、本会場でしか味わうことのできない体験を提供します。
さらに、12Fには、空山基による全長7メートルもの「Sexy Robot」がお目見えするほか、同作品を1/4スケールにした「Sexy Robot floating Gold ver.」限定エディションを、「JP POP UNDERGROUND」会場にて販売します(購入者は抽選で決定)。
このように、〈心斎橋PARCO〉では、こだわりと彩りのある「モノ」や「コト」だけでなく、感性を刺激する「アート / カルチャー」も重視しています。館内の各所には、大阪のクリエイターを中心とした多様なパブリックアートを設置し、空間を演出。最新のデジタル技術と連動したアート作品で、「ここでしか味わえない」体験を提供します。
地下2階(吹き抜け):東 學(アートポール&トイレ)
地下1階:TEAMクラプトン(イートインスペース)
1階:graf(館内シャッターデザイン)
4階:infix design inc.(丸福珈琲店&スタンダードブックストア&共用スペース)
13階:cafe co.(共用スペース)
このほか、館内共用部に2つのバーチャル・パブリックアートを展示。鑑賞に必要なAR対応ゴーグルや視聴端末も貸し出されます。
14階の吹き抜け大空間には、ARを活用したバーチャルインスタレーションアートを展示。XRコンテンツアワード「NEWVIEW AWARDS 2019」でPARCO Prizeを受賞した、オノ夏キ氏による作品です。手持ちのスマートフォンに専用アプリ「STYLY」*をインストールし、会場内に掲載されたQRマーカーをスキャンして鑑賞します。
*STYLY:アーティストに空間表現の場を提供するVR/AR/MRクリエイティブプラットフォーム https://styly.cc/
地下1階の吹抜けでは、グラフィックデザイナー金田遼平氏による、壁面グラフィックとAR によるバーチャル演出を組み合わせたパブリックアートを展示。アートワークの中央に配置されたQRマーカーをアプリでスキャンすると、壁面のグラフィックがARで空間に飛び出す作品です。
地下2階と地上13階には、旧パルコのネオンサインがお目見え。PARCOのロゴは、五十嵐威暢氏がデザインしたもので、1981年の旧渋谷PARCO・パート3オープンの際に誕生しました。旧渋谷PARCO・パート1の外壁に設置されていたものを、現代アート作品として復活、恒常的に展示します。地下2階には「A」、13階には「O」の文字が設置されます。
運営パートナー:MIRAI-INSTITUTE(代表取締役社長 黒崎輝男)
場づくりプロデュース・設計:流石創造集団(代表取締役 黒崎輝男)
「SkiiMa(スキーマ)」にはギャラリーも併設。契約者以外も訪れることができます。
ギャラリー企画展の第1弾は、「いちばんたのしい歩き」を創造するブランド「WALKEDIT」の展覧会。『美術手帖』のアートのマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」と、大阪を拠点に編集者として活動している多田智美氏が代表を務める「editorial studio MUESUM」がプロデュースしました。
ギャラリー企画第1弾「WALKEDIT」
参加作家:辺口芳典、赤鹿麻耶、fabricscape、黒崎厚志
会期:2020年11月20日(金)~12月1日(火)10:00-20:00
※心斎橋PARCO営業時間に準じて変更の可能性あり
会場:心斎橋PARCO 4F SkiiMaギャラリー
入場料無料
企画運営:OIL by 美術手帖 + editorial studio MUESUM
続く第2弾は、サステナブルな未来をデザインを通して表現するブランド『HERBBY』による展示会を開催。
アパレルブランドから「生地の色・質感に相違があった」、「過剰につくりすぎた」、「トレンドが終わった」といったさまざまな理由により、再利用されずに廃棄されていく生地に、新しい命を吹き込み、誕生したのが、「HERBBY」によるファーストプロダクト〈THE UPCYCLED FLOWER VASE〉です。デザインはM/M(PARIS)やJ.W ANDESRDONとのコラボレーションで知られる、バッグブランドのTOSHIKI / 八木沢俊樹が担当。
12月4日からの展示会では、廃生地を貼ったパネルにアーティスト・平山昌尚によるドローイング作品をシルクスクリーンで印刷し、展示・販売します。
ギャラリー企画第2弾「HERBBY POP-UP EXHIBITION」
会期:2020年12月4日(金)~20日(日)10:00-20:00
※心斎橋PARCO営業時間に準じて変更の可能性あり
会場:心斎橋PARCO 4F SkiiMaギャラリー
入場料無料
企画運営:黒崎輝男事務所、PARCO
〈心斎橋PARCO〉開業にあたり、クリエイティブディレクターに、パルコ企業メッセージ「SPECIAL IN YOU.」を箭内道彦氏が担当しました。アートディレクターには「パルコアラ・グランバザール」のデザインを手掛ける小杉幸一氏が起用されています。
#【心斎橋PARCO】開業広告MOVIE(TEASER編) 30秒(2020/09/15)
ANIMATION:平岡政展(caviar)/ MUSIC:大友良英
今回の〈心斎橋PARCO〉のオープンにより、大丸と松坂屋ホールディングスの共同持株会社として2007年に設立され、現在はパルコの親会社でもある、J.フロント リテイリングが各地で進めている、店舗を核にエリアの魅力を最大化し、地域と共に成長する「アーバンドミナント」戦略の具現化が推進されます。(en)
所在地:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3
延床面積:約58,000m²
規模:地下2階~地上14階(屋上階を除く)
店舗数:約170店舗
開業日:2020年11月20日
公式ウェブサイト:https://shinsaibashi.parco.jp/