CULTURE

行政の公共スペースを音響で演出するベンチ型サウンドアートを市川市役所第一庁舎が導入

CULTURE2021.01.25

市川市役所第一庁舎(千葉県、設計:山下設計)の1階に、音響で空間を演出するベンチ型のサウンドアート「Ruhe(ルーエ):夢見る貝」が設置されました。
2021年1月に全面開庁した本庁舎の市民交流スペースの一角に設けられたもので、国産材でつくられた木製のベンチに用意されたグリーンプランターの中に置かれた「白い貝殻」に手をかざし、動かしたり止めたりすることで音が聴こえてくるインタラクティブアートです。

サウンドアート「Ruhe(ルーエ):夢見る貝」(企画・監修:及川潤耶 / ソニフィデア)

作品の企画・監修を手がけたのは、ドイツを拠点としてグローバルに活躍する音響空間作家の及川潤耶(おいかわ じゅんや)氏が立ち上げたソニフィデア。同社は昨春、JR西日暮里駅構内に設けられたコミュニケーションウォール「エキマド」に実装されたサウンドアート〈呼吸する駅〉も手がけています。

サウンドアート「 Ruhe(ルーエ):夢見る貝」(企画・監修:及川潤耶 / ソニフィデア)

心地よく溶け込む音を聞きながら休憩できるベンチ型のサウンドアート「Ruhe:夢見る貝」

市川市の歴史からインスピレーションを受けて制作された「Ruhe:夢見る貝」には、ソニフィデア独自の特許技術を活用して開発された音響システムが使われています。市庁舎という行政のスペースに、有機的で現代的な潤いと安らぎをもたらし、この空間でしか味わえないサウンドアートを提供します。(en)

サウンドアート「Ruhe(ルーエ):夢見る貝」(企画・監修:及川潤耶 / ソニフィデア)

市川市内で集めた貝殻。貝の上に手をかざし、動かしたり止めたりすることで音が生まれる

「Ruhe:夢見る貝」について / 作家 及川潤耶コメント:
先進的なコンセプトを掲げている市川市新庁舎の音響空間を演出するにあたって、地域の特徴を視野に入れながら、持続的に環境に寄り添う作品の形態を考えました。感性を深めるアートとしてだけでなく、環境と一体となった休憩空間としての機能を持たせています。

このような観点から導入されたサウンドアートは、芸術文化はもとより、ICT音楽、教育、自然、テクノロジー、身体と聴覚を通じた健康福祉など、多様な視点から社会に貢献する意義を持つでしょう。Ruhe(ルーエ)とは、ドイツ語で静寂や休息、心の平穏を表します。この作品はただ動かすだけでなく、「待つ・止まる」という状態を取り入れることで旋律を生み出します。自分の心身や呼吸と向き合いながら、Ruheの空間を味わってほしいと思います。

サウンドアート「Ruhe(ルーエ):夢見る貝」(企画・監修:及川潤耶 / ソニフィデア)

設置場所:市川市役所第1庁舎 1階市民交流スペース

プロジェクト概要
企画・監修:ソニフィデア
設計協力:かめ設計室
植栽協力:山越健造デザインスタジオ
制作協力:村上建築工房、土谷不動産、ZKM、Penguin Creation
設営協力:スタンドオフ、アンカー工芸
機材協力:シンタックスジャパン、エムアイセブンジャパン、システムサコム工業
技術協力:アルファーコム
会場サイン:おいたまい
設営アシスタント:加藤康司
記録アシスタント:平山好哉

ソニフィデア公式ウェブサイト
https://sonifidea.jp/


【TECTURE MAG】関連記事
サウンドアーティストの及川潤耶氏による音響作品〈呼吸する駅〉を、JR東日本が西日暮里駅構内コミュニケーションウォールに実装(2020/05/20)
https://mag.tecture.jp/culture/20200525-6141/

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