CULTURE

長谷川豪設計、ホリスティック美容ブランド・ICOR初の実店舗「ICOR NISEKO」が北海道ニセコに9月オープン

CULTURE2021.07.17

美容ブランドのICOR(イコ)が、初となる実店舗を北海道ニセコ町に2021年9月にオープンします。カフェを併設した実店舗と本社のオフィスを含めた複合施設で、設計を、建築家の長谷川豪氏(長谷川豪建築設計事務所)が手がけます。

「ICOR NISEKO」イメージ

羊蹄山を望むニセコの景色(イメージ)

ICOR(イコ)は、「宝物」を意味するアイヌ語をベースにした造語。自然や人にとってかけがえのない宝物である「水」と「自然」に着目したホリスティックな心身の美容を提案する、国産ビューティーケアブランドブランドです。
化粧品の成分として、ニセコ羊蹄山の湧水や、北海道の美しい水に育まれた自然の恵みなど素材を厳選、こだわりの基礎化粧品などを展開しています(事業者:株式会社ICOR)。

国産ビューティーケアブランド「ICOR(イコ)」イメージ

石油系界面活性剤や合成防腐剤、合成香料など、身体にとって負担となる添加物を一切使用しない「ICOR(イコ)」のスキンケア商品

国産ビューティーケアブランド「ICOR(イコ)」イメージ

イコ オイルクレンジング(メイク落とし)

ブランドオリジナルのプロダクトを、現在は自社のECサイトのほか、楽天やAmazonのネット店舗で販売しているICORにとって、今秋オープンする施設は、念願の実店舗。ブランドの発信拠点となり、訪れた人がICORのスキンケアをはじめ、ブランドが提唱するホリスティックビューティーケアを体感できる施設となります。

「ICOR NISEKO」イメージ

「ICOR NISEKO」施設イメージ(長谷川豪建築設計事務所)

「ICOR NISEKO」では、自社のスキンケア商品の販売はもちろん、美容を意識した軽食やドリンクを提供するカフェを併設しているのも注目です。自然の中で贅沢なひとときを過ごすことで、肌・身体・心のケアを提案する、ブランとしての発信拠点に。

施設の建設にあたり、もともとの環境や土地を活かした建築・植栽を採用したのもこのブランドならでは。排水は川に流さず、地下浸透式の浄化槽で処理するなど、徹底した環境配慮に取り組んでいるとのこと。

「ICOR NISEKO」イメージ

「ICOR NISEKO」施設イメージ(長谷川豪建築設計事務所)

設計者 / 長谷川 豪氏コメント
2019年の春にこの場所を訪れたときに、平地に広がる色鮮やかな草花や桜並木にとても惹かれたのですが、その一方で北側の国道を走る車の音が少し気になりました。ここを訪れる人たちのほとんどが車で来るとはいえ、せめて風景を眺めながら食事をしてくつろぐ間は、車のことなど忘れてもらいたいと思いました。
平地の南側に高低差5mほどの土手があり、その下に小川が流れ、下りていくとさっきまで聞こえていた車の音が土手の地形によって遮られ、羊蹄山の雪解け水が注ぎ込む小川のせせらぎだけが聞こえることに驚きました。「ポケットのような空間」がすでにそこにあったのです。

長さ51mの細長い建物を土手の上端に、等高線に沿わせて緩やかなS字形に配置します。幅4mの片流れ屋根の半分は土手に面した半外部空間「ロッジア」で、建物の基礎に座って食事を楽しむことができます。軒高を 1.6mに抑えた身体的なスケールのロッジアは、土手の下にある「ポケットのような空間」を拡張するようにつくられ、壁や軒裏に川のせせらぎの音を反響させます。
また、ロッジアに平行する細長い室内は、スロープで地面から60cmほど高い位置に上れるようになっており、春は北側の桜並木を見ながら食事ができるダイニングとなります。
さらに、ロッジアやダイニングを覆う大きな軒裏や天井は、ICORの商品にも使われている北海道産の白樺で仕上げる予定です。

建物の北側の平地では、もともとここで育っていた草花と果樹、野菜、ハーブなどを混植する菜園「ポタジェ」を今後、少しずつ造る構想です。1000平米ほどのポタジェで育てる植物の一部は、お店で提供するフードの食材としても使う予定です。
この場所にすでにあったものを、そのまま活かして新しいものをつくる。ICOR の思想を体現する建物になればと思っています。(2020年11月ICORプレスリリースより)

国産ホリスティックビューティーブランド ICOR(イコ)「ICOR NISEKO」設計者

設計者 / 長谷川 豪氏

長谷川 豪(はせがわ ごう)氏 プロフィール
建築家。1977年生まれ。2002年東京工業大学大学院修士課程修了。西沢大良建築設計事務所勤務後、2005年長谷川豪建築設計事務所設立。2015年東京工業大学大学院博士課程修了 (工学博士)。
東京工業大学非常勤講師、メンドリジオ建築アカデミー客員教授、オスロ建築デザイン大学客員教授、カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)客員教授、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)客員教授を歴任。
主な受賞歴にSDレビュー2005鹿島賞、平成19年東京建築士会住宅建築賞金賞受賞、第24回新建築賞受賞、AR Design Vanguard 2014など。
主な著作に『考えること、建築すること、生きること』(LIXIL出版/2011)、『Go Hasegawa Works 長谷川豪作品集』(TOTO出版/2012)、『長谷川豪 カンバセーションズ』(共著/LIXIL出版、2015)、『a+u 556 Go Hasegawa』(a+u /2017)、『El Croquis 191: Go Hasegawa 2005-2017』(El Croquis/2017)など

併設されるカフェで提供されるフードメニューをプロデュースするのは、札幌「L’ORANGE(ロランジュ)」のオーナーシェフを務める大原正雄氏。

「ICOR NISEKO」カフェフードメニュー監修者

カフェフードメニュー監修者 / 大原正雄氏

フランス料理の名店料理長を歴任し、故郷である北海道で自身のレストランをオープン。五感で感じるフレンチを提唱する大原シェフが、ホリスティックビューティーを掲げるICORのブランドコンセプトに共感し、コラボレーションとなりました。
ニセコ産の野菜を使ったサンドウィッチや、定番スイーツ、美容を意識した酒粕を使ったメニューやドリンクなどを準備中です。

フードメニューイメージ

札幌「L‘ORANGE」での新鮮な野菜メニューの例

「ICOR NISEKO」カフェフードメニューイメージ

試作中のカフェメニュー

「ICOR NISEKO」は、北海道有数の観光地であるニセコの新たなスポットとなるだけでなく、建設時より環境問題にも取り組み、ユーザーおよび地域からも長く愛されるサスティナブルな場となることを目指します。(en)

国産ビューティーケアブランド「ICOR(イコ)」ロゴ

国産ビューティーケアブランド「ICOR(イコ)」ロゴマーク

「ICOR NISEKO」施設概要
所在地:北海道虻田郡ニセコ町羊蹄
運営会社:株式会社ICOR
構成:ICOR物販店舗、カフェ、ボタニカルガーデンなど
敷地面積:9154m²、建築面積:約114.1m²、延床面積:159.5m²
設計:長谷川豪建築設計事務所
開業予定日:2021年9月16日(木)

ICOR公式Webサイト
https://icor.jp/

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