CULTURE

万博を照らす「先見の明かり」がテーマのパビリオン

[Report]アラブにおける文化の灯台とも称されるクウェートの存在を象徴する 2025年大阪・関西万博の〈クウェートパビリオン〉

CULTURE2024.03.07

開催まであと402日に迫った、2025年4月13日より大阪で開催される日本国際博覧会(2025年大阪・関西万博)に向けて、〈クウェートパビリオン〉のデザインが公開されました。「先見の明かり」をテーマに、没入体験を通して来場者にクウェートの過去・現在・未来を紹介します。

イベントや展示会、スタジアムに特化した建設企業NUSSLIが建設およびプロジェクト全体を統括し、ドイツ、オーストラリア、中国、ベトナムに拠点を置く設計事務所 LAVA(Laboratory for Visionary Architecture)が建築設計を行い、ドイツを拠点とするクリエイティブエージェンシー インスグリュック(insglück)がコンテンツ設計を行います。

セレモニーでパビリオンのデザインを説明する、LAVAのクリスチャン・チャージッヒ氏(左)とインスグリュックのクリスチャン・ポスワ氏(右)Photo by TECTURE MAG

2024年3月5日、クウェートは2025年大阪・関西万博への参加にあたり、〈クウェートパビリオン〉のデザインが東京で行われたセレモニーにて公開された。〈クウェートパビリオン〉の展示では、クウェートがいかに持続可能な未来のために努力し、多様な経済と集中的な国家開発を通じて世界的な地位を育んでいるかを紹介する、とした。

クウェートは、アラブの文化、芸術、社会事業への貢献から、しばしば文化の灯台、寛容さの導き手とも呼ばれ、湾岸地域を照らし、世界的に認知される「先見の明かり」としての地位を確立しようとしている。

Photo by TECTURE MAG

3月5日の発表会場で公開されたパビリオンの模型。人を迎え入れる翼のような形状と真珠のようなドーム状のメインスペースはメンブレンで覆われる。Photo by TECTURE MAG

壮大なプロジェクトを実現する専門技術

パビリオン建設のエキスパートである総合建設業者 NUSSLIは、大阪・関西万博の〈クウェートパビリオン〉の建設を監修する。同社は万博への参加が今回で9度目となり、万博パビリオンに関する豊富な専門知識を備えている。

NUSSLIがクウェートのパビリオンを建設するのは、2015年のミラノ万博に続いて2度目となる。さらに、建築はLAVA、展示はインスグリュック、構造設計はシュライヒ・ベルガーマン・パートナー(schlaich bergermann partner)、日本側設計者として徳岡設計、施工は麦島建設がプロジェクトパートナーとして参加する。

NUSSLIのビジネスディベロップメント事業ディレクターであるハラルド・ドッシュ(Harald Dosch)は次のように語る。

「ユニークな形状と素材を備えた建築や、伝統とハイテクが見事に融合した展示の実現は複雑な仕事である。プロジェクトパートナーとの協力により、大阪・関西万博へのクウェートの出展を成功に導くことを目指している。」

モダンとクラシックが融合した建築

パビリオンの独創的な建築はLAVA によって設計された。クウェートの特徴的な風景と伝統から得たインスピレーションは、パビリオンの隅々に表現されている。パビリオンに配された開放的で美しい翼は歓迎の意が込められ、クウェートのもてなしの精神を表している。

LAVAのアソシエイトパートナーであるクリスチャン・チャージッヒ(Christian Tschersich)は次のように語る。

「パビリオンは、クウェートの自然と伝統をデザイン全体にシームレスに織り込んでいる。『先見の明かり』というテーマのもと、私たちはクウェートの時代を超越した未来のビジョンを大阪・関西万博で紹介することを目指している。」

〈クウェートパビリオン〉は、夜間にはライトアップされ、「先見の明かり」というテーマを強調する。

大屋根を備えた2階建てのパビリオンの中心部では、来場者にクウェートの未来について考えるきっかけを提供する。中央に配置されたドーム状のメインスペースは、クウェートの星空の下や、夜の砂漠で休息することをイメージして設計された。パビリオン後方にある美しい中庭は、伝統的なイスラム建築を模しており、クウェート式の植栽が施されている。

伝統とハイテクが融合した展示

空間におけるライブマーケティングとコミュニケーションを専門とするクリエイティブエージェンシー インスグリュックは、〈クウェートパビリオン〉のコンテンツコンセプトと展示の開発を担う。

伝統とハイテクをクリエイティブに融合し、4つの展示室において、湾岸諸国の過去、現在、未来を旅する体験を来場者に提供する。この多感覚的な展示は、インタラクティブな空間演出を用い、広大な探検ドームプロジェクションでクライマックスを迎え、来館者を没入体験へと誘う。

インスグリュックのCEO クリスチャン・ポスワ(Christian Poswa)は次のように語る。

「〈クウェートパビリオン〉は、建築面だけでなくコンテンツにおいても目を見張るものであり、クウェートの『先見の明かり』としての役割を反映し、印象付けるパビリオンである。私たちは、何百万人もの来場者を魅了する新たな万博体験を大阪で創造する。」

展示は、クウェートの神秘を大きな真珠に例えた魅惑的な動画の上映から始まり、その後、砂漠を舞台に貿易立国の歴史を伝える展示室が用意されている。第3の展示室では、クウェートの人々が主役となる。まるでクウェートの社会を表す大きな絵画のようにデザインされた巨大な壁は、来場者の交流を生み、その壁に沿って選りすぐりの人物やプロジェクトに出会うことで、クウェートという国を肌で感じることができる。

来場者は遊び心あふれる方法で交流し、この国の多様な文化、経済、科学について多面的に知ることができる。メインコンテンツである印象的なドームへのプロジェクションマッピングは、来場者に明日への願いや夢を想像することを促す。

形態と機能をつなぐ構造コンセプト

シュライヒ・ベルガーマン・パートナーはコンサルティングエンジニアとして、〈クウェートパビリオン〉の構造コンセプトを開発した。

同社のマネージングディレクターであるアンドレアス・シュヌーベル(Andreas Schnubel)は次のように語る。

「私たちは、幾何学的なフォルムの発見だけでなく、構造最適化の要件を満たす構造コンセプトを開発した。NUSSLIとLAVAというパートナーと再び一緒に仕事ができることを喜ばしく思う。」

2025年大阪・関西万博〈クウェートパビリオン〉公式サイト

https://kuwaitexpo2025.com

 

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