[大阪・関西万博]トイレや休憩所などを紹介_休憩所3 - TECTURE MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア
CULTURE
[大阪・関西万博]トイレや休憩所などを紹介_休憩所3

山田紗子建築設計事務所が設計した〈休憩所3〉

[大阪・関西万博]トイレや休憩所など、若手建築家が手掛ける施設を紹介

CULTURE

施設DATA

  • 設計
    山田紗子建築設計事務所
  • 主用途
    休憩所、トイレ
  • エリア
    静けさの森ゾーンとエンパワーリングゾーンの境

 

〈休憩所3〉の見どころポイント!

  • 建築と樹木が織りなす、心地よい「半屋外」の風景
  • 色と形が交錯する、ジャングルのようなランドスケープ

境界を横断する半屋外の居場所づくり

〈休憩所3〉では、用途ごとに設計された複数の小さな建築が、敷地内に散りばめられるように配置されています。休憩室やトイレ、案内所、機械室などがそれぞれ独立しつつも、周囲の樹木群と溶け合うことで、開放的で居心地のよい半屋外空間を構成しています。

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

静けさの森につづく樹木群と小さくもユニークな人工物とが寄り集まる休憩所。敷地全体はフードトラックやテーブルが並ぶ飲食の場でもあり、多くの来場者が日陰を求めて集まる。ただしトイレ、案内所、休憩室に加えて、応急手当所、警察官詰所、情報通信機器の機械室など、来場者が立ち入ることのできない室も多い。それらをバックヤードとしてまとめずに、小さなボリュームに切り離して敷地内に散りばめ、樹木群と同じスケールで扱うことで、建築物と樹木群が織り交ざる、心地よい半屋外空間をつくることを考えた。

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

各機能同士の関係性や敷地条件に応じたさまざまなプログラムに率直に従った小さな形は、どれもアンバランスで個性的なものになった。

そんな建築物の柱や壁、屋根に、頭上に広がる樹冠や立ち並ぶ幹、背の高い草花に覆われたお椀型のマウンドが寄り添い、不思議な余白が生まれる。それらのアウトラインをつないでゆき、屋外にインテリアのような居場所をつくることを試みた。色彩のアウトラインも建物から地面や植物へと、棟やものの種別を超えて自由に横断させた。

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

そうすることで棟一つ一つの独立した存在の強さより、それらに挟まれた空間が図として前に出ること、そしてそのように連なっていく全体がジャングルのような豊かさと奥行きを持って立ち上がることを期待した。

最終的にサインや自動販売機、隣接するパビリオンなども巻き込んだ色と形の流れが生まれ、敷地内では完結しないランドスケープの提案となった。

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

平面図。Image: 山田紗子建築設計事務所

建築DATA

構造:木造、鉄骨造
階数:地上2階
敷地面積:1,947.81㎡
建築面積:478.25㎡
延床面積:568.23㎡

設計:山田紗子建築設計事務所
担当:山田紗子、鈴木心、権業裕太、福田海武
監理:山田紗子建築設計事務所
構造設計:TECTONICA
設備設計:ZO設計室
施工:シマ

 

テキスト提供:山田紗子建築設計事務所


万博特設サイト『SPECIAL FEATURE EXPO2025 』は こちら▼

EXPO2025サムネイル

『建築からみた万博』

 

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

今すぐ登録!▶
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ