施設DATA
- 設計
斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro- 主用途
トイレ- エリア
シグネチャーゾーン南側
〈トイレ8〉の見どころポイント!
多様性を包摂するトイレ空間の新しいかたち
〈トイレ8〉では、男子・女子・オールジェンダーという複数のゾーンを備えた建築ユニットが、用途や構造に応じて敷地内に点在するように配置されています。鉄骨造と木造、矩形と多角形といった異なる形式が混在しながらも、群として一体の風景をつくり出しています。

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: Michisato IKEDA
万博公衆トイレのあたらしい「かた」
われわれは、現代の万国博覧会におけるトイレの新しい「かた(典型)」を提案したい。万博には人々が世界各国から集まり、「こころ」と「からだ」の性も千差万別である。とはいえ、オールジェンダートイレのみで構成すればすべてを解決できるかというとそうでもなく、いまこの時代を鑑みた新しい「かた」としてのトイレをつくる必要があると考えた。

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro
設計過程で日本博覧会協会と開催した「ユニバーサルデザイン・ワークショップ」において、視覚、聴覚、車椅子利用などの身体的な障がいを抱えた当事者の方々とトイレの原寸大のモックアップを用いて使い勝手を検証し、そこで得た知見を設計に反映した。結果として、男子トイレエリア、女子トイレエリアのほかに、3箇所のオールジェンダートイレエリアを設け、鉄骨造2棟、木造12棟の便房ユニットの配置によって、さまざまな国籍や宗教に配慮したゾーニングを行った。

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro
各便房の役割に応じて寸法の微調整を重ね、多角形と矩形を組み合わせたプランは最終的に7つのパターンへ収束した。各ユニットの高さは両工法の特性を活かして鉄骨造棟が9.0mと11.5m、木造棟が2.75m〜5.0mとバリエーションを与えた。

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro
群としての棟が集まることによって、個性ある異なるもの同士の総体が、バラバラでありながらもひと繋がりの群として一体感のある風景をつくり出している。利用者にはぜひ大きな円形の外周を巡り全体を眺めたうえで、それぞれの棟の空間を比較しながら楽しんでいただきたい。

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

Photo: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

平面図。Image: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro

ダイアグラム。Image: 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro
建築DATA
構造:木造、一部鉄骨造
階数:地上1階
延床面積:56.19m²設計:斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro
担当:斎藤信吾、根本友樹、田代夢々
構造設計:朝光構造設計
電気設備設計:大瀧設備事務所
機械設備設計:TH PLAN
施工:藤井工業、小山工作所、IDS企画
テキスト提供:斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro
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