施設DATA
- 設計
studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture- 主用途
トイレ- エリア
セービングゾーン
〈地球の形跡 / Traces of Earth(トイレ2)〉の見どころポイント!
400年の時を経て蘇る、残念石による自然主導の建築
〈地球の形跡 / Traces of Earth(トイレ2)〉は、大坂城の石垣として切り出されたものの使われなかった「残念石」を大阪へ運び、建築として蘇らせる試みです。“石を運ぶ”という行為が、多くの人を巻き込み結果として建築をかたちづくる。設計のあり様を石に委ねながら、現代のテクノロジーと人の営みを重ねることによって、建築の本質を静かに問い直しています。

Photo: 大竹央祐
「大坂城石垣建設のために切り出された残念石と呼ばれる石を、400年の時を経て大阪へ運び建築 をつくる」という試みを行っている。一見すると誰の利益にもならない”巨石を運ぶ”という行為に、なぜか人々は魅了され、集まり、議論を巻き起こし、そして石を運び建築をつくることができた。

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐
この行為は、あらゆることに意味が求められる現代において、祭りのように本来の人間の姿を体現する試みでもある。建築を設計するうえで、自然がもつ本来の質をし、それぞれの石がどうあるべきかを五感で感じ、見極めることから始まる。自然物(地球の中で数百年もの時間をかけて固まった花崗岩)を起点とする設計は、人の手を離れ、石の表情がそのあり方を決定づける。石の本来の姿を尊重しながら、石単体としてではなく建築として統合し、空間の中で人間の居場所を生み出す。

Photo: Erika Matsumoto

Photo: Erika Matsumoto

Photo: Erika Matsumoto
また、スキャンやNC加工などのデジタル技術を活用することで、石を傷つけることなく、建築が自然に合わせる形で立てた石の上に屋根が乗り、空間を生み出す。これは単なる効率化のためではなく、非合理なものや人間性を取り戻す手段としてデジタル技術を用いる試みでもある。この人の力を超えた自然と時間が息づく建築は、我々人間の根源的な感覚を呼び覚まし、建築の本質を問い直す場となるはずである。

Photo: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture

Photo: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

Photo: 大竹央祐

断面詳細図。Image: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture

Image: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture

Image: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture

Image: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture

Image: studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture
▽残念石のこれまでの経緯について、さらに詳しくはこちらのWebページをご覧ください!
https://www.yuricadesign.com/general-clean-2
▽設計者のWebサイトはこちら!
studio m!kke: https://www.studio-mikke.com
Studio on_site: https://www.studioon.site
Yurica Design and Architecture: https://www.yuricadesign.com
テキスト提供:studio m!kke+Studio on_site+Yurica Design and Architecture
万博特設サイト『SPECIAL FEATURE EXPO2025 』は こちら▼