パビリオンDATA
- 設計
NTTファシリティーズ- エリア
東ゲートゾーン- テーマ
PARALLEL TRAVEL
NTT Pavilionの見どころポイント!
〈NTT Pavilion〉は、万博会場東ゲートに最も近い場所に位置し、3つの展示棟と1つの事務所棟、計4棟の分棟方式の建物で構成されています。
この「分棟式」の採用により、建物の間に隙間が生まれ、建物の中で展示を体験するだけではなく、建物の外の人も自然に混じり合うような空間とし、風や光が自然に入り込む環境的にも柔らかな建築を生み出します。

Photo: 松村康平
加えて、テンション構造のワイヤーが建築の外側に張り巡らされることにより、内でも外でもないような曖昧な空間、日本建築の縁側のように建築と環境のあいだに「間」を生み出し、人々の多様なふるまいや感情の機微に応じて、主体と客体が反転し続け、動的に変化し続ける風景を生み出します。

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ
糸のような構造体は人が触れると音が奏でられ、建物は感情の多様性を表現する30色の布(カラフルな布)と、光や風などの自然の機微を映し出すビット感ある布(銀色の布)で覆われ、自然の風を受けてゆるやかに揺らめきます。
カラフルな布は、植物性由来のPLA(ポリ乳酸)を原料とし、生産の一部を石川県の中能登町で行っています。ポリ乳酸(PLA)製の布は、水と二酸化炭素に分解が可能な生分解性を有する素材で、廃材を減らし、環境への負荷を最小限に抑制します。

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ
また、会期前から会期中を通して、NTTグループ社員や来館者と一緒にパビリオンをつくりあげることで、携わった方々の記憶に残り続ける取り組みを行っています。会期前には300名以上のNTTグループ社員が、短冊状の布、約5600枚を1本1本編み込み、1つの大きな天蓋をつくりあげました。紡がれた天蓋は、パビリオンのウェルカムゾーンに飾られ、人々を迎え入れます。
会期中は、子どもたちが展示体験を通して感じた、未来の社会や未来の自分の色を選んで建物壁面に結び付けてもらうことで、会期初期から徐々に約3万枚のカラフルな布が追加され、建物壁面が色づき表情を変えていきます。

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ
建物内で展示を体験している来館者の感動や熱狂の表情は、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を通じて、遠隔地(NTT西日本)にリアルタイムで送信され、画像解析を行い表情解析結果が返信されます。
表情解析結果を受けて、驚きや笑顔などの感情がパビリオンの外に飛び出したかのように、来館者の感情と呼応して自然の機微を映し出す銀色の布が振動することで、パビリオン全体が感情をもった生命体のようにうごめきます。
「人のふるまい」「自然のふるまい」「デジタルのふるまい」が、建物を媒体として視覚的な動きとともに音としても鳴り響き、それぞれがやさしく溶け合い、空間と体験が混ざり合う計画となっています。

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ
展示体験や広場での集い、縁側でのくつろぎ、糸の振動、布の動き、風、光、木々、デジタルによる動き。〈NTTパビリオン〉は人と自然とデジタルとが溶け合い、多様な存在が同時に心地よくいられる「多種同在」の場が生まれるパビリオンです。

Photo: 株式会社NTTファシリティーズ
建築DATA
設計・監理:NTTファシリティーズ
建築面積:約1,179㎡
延床面積:約1,408㎡
構造:鉄骨造(一部カーボンファイバーワイヤーを用いたテンション構造)
規模:地上2階
施工:奥村組
トップ写真撮影:松村康平
資料提供:NTTファシリティーズ
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