〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉移転オープン、店内のデザインを吉岡徳仁氏が担当 - TECTURE MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア
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〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉移転オープン、店内のデザインを吉岡徳仁氏が担当

〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉移転オープン

[Report] 吉岡徳仁氏が店内のデザインを担当した国内最大級の旗艦店

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イッセイ ミヤケ が展開するブランドの1つ、PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE(プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ)が青山・みゆき通りに新たな旗艦店を10月17日にオープンしています。

新たな立地は、9月末までみゆき通り沿いに構えていた旧店舗から、同通りを挟んだフロム・ファースト・ビルの隣。新築ビルへの移転となり、店舗面積を拡張した3フロアでの展開。PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKEとしては国内最大規模の旗艦店となります。

『TECTURE MAG』では、オープン前日にメディア向けに行われたプレスプレビューにて店舗を見学しました(本稿の店舗内外観の画像は全てISSEY MIYAKE INC.またはTYD提供)

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

©︎ ISSEY MIYAKE INC.

店内のデザインは、旧店舗に引き続き、吉岡徳仁氏が担当。吉岡氏とイッセイ ミヤケとの協働は30年以上にわたり、1990年代初頭のプリーツ プリーズの誕生[*]から、ブランドのアイデンティティを表現するため、ブランドロゴのデザインだけでなく、東京・銀座に2023年にオープンした〈ISSEY MIYAKE GINZA / 442〉や、海外でもパリ、ミラノなど、旗艦店を含む主要店舗の空間デザインも手掛けています。

吉岡氏は常に「革新」をテーマに掲げ、従来にない表現を空間へと昇華させることで、ブランドの哲学を体感できる空間を生み出してきました。新たに誕生した〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉は、吉岡氏が長年取り組んできた、アルミニウムを大胆に取り入れたミニマルな空間にガラスを融合させた、透明感ある店舗となっています。

吉岡氏ならではの店舗デザインの特徴

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

©︎ ISSEY MIYAKE INC.

 

吉岡徳仁:私のデザインにおける一貫したテーマは、「光」と「透明感」です。これまでに手がけたイッセイ ミヤケの店舗では、アルミニウムやガラスなどの工業素材を用いながら、素材の中に光が溶け込むような空間づくりを目指してきました。
今回の店舗では、プリーツ プリーズの特徴である、製造工程から生まれる革新性や、丸めたり畳んだりできる機能的な造形美を、透明なガラス什器によって表現しています。

 

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

©︎ ISSEY MIYAKE INC.
ガラス什器の最下段に収められた”色鉛筆”のような円筒状のプリーツ生地は、プリーツ目を綺麗に保つために丸めて保管することを、見た目にも楽しく表現している

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

©︎ ISSEY MIYAKE INC.

〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉のデザインコンセプト

吉岡徳仁:今回のプリーツ プリーズ青山店では、アルミニウムによる構造体と透明なガラスを融合させ、光が反射し、透過する空間を構築しました。
ブランドの革新性を象徴する「プリーツウォール」では、プリーツが生まれる工程をグラフィカルに表現しています。
空間に配置されたガラス什器には、カラフルなプリーツが色鉛筆のように整然と並び、機能性と遊び心を兼ね備えた展示となっています。
普遍的なフィロソフィーのもと、透明感と軽やかさに満ちた空間を目指しました。

 

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

「プリーツウォール」店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉のデザインにおける特徴的ディテール

吉岡徳仁:今回の新店舗では、衣服をかけるハンガーから空間全体に至るまで、すべてを一貫してデザインしました。グランドフロアの壁面に設置された「プリーツウォール」では、工場から生まれたばかりのプリーツが、まるで絵画のように飾られ、イッセイミヤケ独自の製品プリーツの技術と製造工程の魅力を視覚的に伝えています。
アルミニウムを削り出して制作した特注のハンガーレールには、プリーツの軽やかさと浮遊感が表現されています。また、線を描くようにデザインされたハンガーは、衣服の平面的な美しさを際立たせるため、回転せずに整然と並ぶよう設計されています。
ガラス什器は、透明感を最大限に感じられるよう、ガラス同士を特殊技術により接合し構成したデザインとなっています。さらに、この店舗のために「プリーツソファー」をデザインするなど、空間全体のデザインを通して、ブランドの普遍的なフィロソフィーを表現しています。

 

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

掛けられた衣服が宙に浮いて見えるようにデザインされたハンガーレール 店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

「プリーツソファー」 店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

吉岡徳仁デザイン事務所〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉

店舗デザイン:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD

〈PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE / AOYAMA〉店舗概要

所在地:東京都港区南青山5-3-8(Google Map
営業時間:11:00‒20:00
休業日:年末年始


*.PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE:1988年にウィメンズコレクションで発表した「プリーツ」を発展させ、1994年春夏シーズンから単独ブランドとしてスタートした。1本の糸から素材を開発し、「製品プリーツ」という服の形に縫製した後でプリーツをかける技法により、機能性の高いプロダクトとしての衣服を展開している。軽さ、着やすさ、水洗いもできる扱いの簡便さを備えながら、身体の形と動きに馴染むシルエットとなるのが特徴。

PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE Brand Page
https://www.isseymiyake.com/pages/pleatsplease#section0

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