京都に体験型アートセンター〈Superblue Kyoto〉が2027年オープン、こけら落としはジェームズ・タレルの大規模展 - TECTURE MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア
京都に体験型アートセンター〈Superblue Kyoto〉が2027年オープン、こけら落としはジェームズ・タレルの大規模展

京都に体験型アートセンター〈Superblue Kyoto〉が2027年オープン、こけら落としはジェームズ・タレルの大規模展

CULTURE

スーパーブルー(Superblue)が京都に開業

米国・マイアミにある体験型アートセンター・スーパーブルー(Superblue)の海外初拠点となる〈スーパーブルー 京都(Superblue Kyoto)〉が2027年初頭にオープンすることが発表されました。

スーパーブルー京都(Superblue Kyoto)外観イメージ

〈スーパーブルー京都〉外観(NTT都市開発プレスリリースより) Photo: Forward Stroke

Superblueとは?

Superblueは、米国・ニューヨークを本拠地とするメガギャラリー・Pace Gallery(ペース・ギャラリー)のCEO・マーク・グリムシャーと、英国のブランドコンサル会社・Pace Partnership London(ペース・ロンドン)の元社長のモリー・デント・ブロックルハーストによって共同設立された新事業です。実業家で慈善家のローレン・パウエル・ジョブズが率いる社会活動団体・エマーソン・コレクティブが創立パートナーに名を連ねているほか、共同創設者兼Superblue初代CEOはクリスティ・マクレア、CCOをブロックルハーストが務め、2021年5月20日に第一弾となるアートセンター〈Superblue Miami〉をフロリダ州マイアミにオープン。館内では、ジェームズ・タレルのほか、英国のアーティストで舞台デザイナーのエス・デブリン(Es Devlin|1971-)、日本のアートコレクティブ・チームラボ(teamLab)による没入型作品が展開されています。

Superblue(スーパーブルー)ロゴ

今回の京都のほか、世界各地で建設プロジェクトが進行中のSuperblue
https://www.superblue.com/


“Superblue YouTube: Superblue Miami’s “Every Wall is a Door” installations by Es Devlin, teamLab, and James Turrell(2021/05/24)

〈Superblue Kyoto〉のオープニングはジェームズ・タレル展

〈Superblue Kyoto〉のこけら落としは、米国人アーティストのジェームズ・タレル(James Turrell|1943-)の大規模展と発表されました。日本国内にある作品では、直島の〈バックサイド・オブ・ザ・ムーン〉(1999年)、金沢21世紀美術館常設の〈ブルー・プラネット・スカイ〉(2004年)などが知られています。

 

米国ロサンゼルス生まれのジェームズ・タレルは、1960年代から一貫して光、空間、そして人間の知覚を探究してきた、現代美術を代表するアーティストの1人です。
クエーカー教徒の家庭に育ち、幼少期から光に魅せられてきたタレルは、「私は光が何かを照らし出すのではなく、光そのものが実体を帯びた存在として立ち現れることに興味がある」と語り、「実体としての光」を可視化する表現を模索してきました。光そのものを作品の主題とすることで、人間が何を、どのように知覚し、その知覚がいかに現実を形づくるのかを問い続けてきたタレル。瞑想的でありながら、ときに感覚を揺さぶる作品は、鑑賞者に「見る」という行為そのものを強く意識させ、これまでにない知覚体験へと導いてきました。

その功績は国際的に高く評価され、2021年には「芸術のノーベル賞」とも称される高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2013年には、米国の芸術分野における最高栄誉である「アメリカ国民芸術勲章(National Medal of Arts)」をバラク・オバマ大統領から授与されています。

ジェームズ・タレル(James Turrell)近影

James Turrell © James Turrell, photography by Florian Holzherr

タレルが世界的な注目を集めるようになったのは1960年代半ばのこと。初期の代表作のひとつである〈Afrum-Proto(アフラム・プロト)〉(1966年)は、2つの壁が交わる暗い隅(コーナー)にプロジェクターで白い光を投影するという、極めてシンプルなものでした。しかし、まばゆい光が描き出す六角形は、まるで光の立方体が壁面から浮き出しているかのような錯覚を生み出したのです。

こうした初期の「プロジェクション・ピース」(1966〜69年)に始まるタレルの探究は、「スカイスペース」(1974年〜)、「ガンツフェルト」(1976年〜)など、さまざまな作品シリーズへと展開していきました。なかでも特筆すべきは、アリゾナ州フラッグスタッフ近郊に位置する〈Roden Crater(ローデン・クレーター)〉(1977年〜)です。

ジェームズ・タレル〈ローデン・クレーター〉

Roden Crater, Sunset © James Turrell, photography by Florian Holzherr

タレルは半世紀近くにわたり、アリゾナ州北部のペインテッド・デザートに位置する約40万年前の死火山を舞台に、前例のない規模の作品〈ローデン・クレーター〉の制作に取り組んできました。地質学的な悠久の時間を感じさせるこの場所では、火口内部に設けられた複数の部屋やトンネルが、太陽や月、星々の光を切り取り、その強さを際立たせることで、刻々と変化する天体現象を壮大な劇場のように映し出します。人間の視覚的・心理的知覚をめぐる、タレルの生涯の探究の集大成は、ランド・アートの金字塔であると同時に、天体や惑星の現象を肉眼だけで観測するための巨大な天文台でもあるのです。

ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、アムステルダム市立美術館、エルサレムのイスラエル博物館、ヴォルフスブルク美術館、キャンベラのオーストラリア国立美術館、上海の龍美術館など、世界各地の主要美術館で作品を発表してきたタレル。その光と知覚の世界が、2027年初頭、京都に誕生します。(スーパーブルー京都 2026年11月5日プレスリリースより)

スーパーブルー 京都(Superblue Kyoto)

所在地:京都府京都市南区東九条東岩本町15-3(Google Map)
オープニング展:ジェームズ・タレル大規模展(仮題)
開幕時期:2027年初頭
※展示作品、チケット情報などの詳細は2026年12月頃発表


京都駅東南部エリアの新たな創造・発信拠点

〈スーパーブルー 京都〉は、京都市が推進する「京都駅東南部エリア活性化方針」に基づく事業として、京都駅東南部エリアにおける市有地に新たな価値を⽣み出す創造・発信拠点を建設する「(仮称)京都駅東南部エリア敷地A事業」によるもので、立地は京都駅の南東、東九条東岩本町。2025年10月にオープンした〈チームラボ バイオヴォルテックス 京都〉[*1]の向かいに位置しています。
開発を主導したNTT都市開発のプレスリリース(2026年9月18日)によれば、施設の1階に体験型アートセンター〈Superblue Kyoto〉が開業、2階には地域のつくり手のための拠点となるギャラリー・QUESTION BPが入るとのこと[*2]。

隣接する〈チームラボ バイオヴォルテックス 京都〉と揃えた藍色の外観が特徴で、同施設と連携しながら京都駅東南部エリアにおける文化芸術を核とした街づくりを推進していく計画です。

スーパーブルー京都(Superblue Kyoto)外観(外溝工事中)

〈スーパーブルー 京都〉 © teamLab Architects, photography by teamLab Architects
向かいの〈チームラボ バイオヴォルテックス 京都〉と同じ藍色の外観、2027年初頭の開業に向けて工事が進行中

「(仮称)京都駅東南部エリア敷地A事業」概要

所在地:京都市南区東九条東岩本町15番3
用途:美術館
構造:S造
規模:地上2階
延床面積:1,382.05m²
事業主:NTT都市開発
設計:プランテック
施工:三煌産業
着工:2025年6月
竣工:2026年9月
開業時期:2027年初頭
※上記はNTT都市開発2026年9月18日発表時点のもの(今後変更される場合あり)

(仮称)京都駅東南部エリア敷地A事業 エリアマップ

「(仮称)京都駅東南部エリア敷地A事業」エリアマップ


スーパーブルー京都(Superblue Kyoto)外観イメージ

〈スーパーブルー 京都〉外観イメージ ©︎ teamLab Architects *Rendering. Not an actual exhibition photo.

スーパーブルー京都(Superblue Kyoto)外観イメージ

〈スーパーブルー 京都〉外観イメージ ©︎ teamLab Architects *Rendering. Not an actual exhibition photo.

スーパーブルー京都(Superblue Kyoto)外観イメージ

左側:スーパーブルー京都 / 右側:チームラボ バイオヴォルテックス 京都
©︎ teamLab Architects *Rendering. Not an actual exhibition photo.


*1.チームラボと大成建設とのあいだで締結されたネーミングライツ(施設命名権)契約により、2026年4月1日より「チームラボ バイオヴォルテックス 京都 – 大成建設」が現称(2031年3月末まで)。詳細は大成建設2026年3月27日プレスリリースを参照
*2.QUESTION BPの運営は、コミュニティ・バンク京信(京都信用金庫)が手掛ける地域商社・京信ブランディングパートナーズ

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