2020年8月9日初掲、9月19日 最新コンテンツ追記
オランダの彫刻家テオ・ヤンセン(Theo Jansen, 1948-)の展覧会が、学研グループ傘下・学研プラス 科学創造研究所のウェブサイト上で開催されています。公開期間は2020年8月8日から9月30日まで(プレスリリース)。
テオ・ヤンセンは、ビーチアニマルとも称される、プラスチックチューブで組見立てられた造形作品〈ストランドビースト(Strandbeest)〉の作者として知られています。
デルフト工科大学で物理学を専攻したテオ・ヤンセンの精密な計算から生み出された〈ストランドビースト〉は、プラスチックチューブを加工した「細胞」で構成される、自立歩行も可能なアート作品です。その名は、オランダ語の”ストランド(Strand: 砂浜の)”と”ビースト(Beest: 生命体)”を組み合わせた造語で、1990年より制作しているこの作品を、ヤンセンは生命体として創造しています。
まるで生きているようかのごとく海辺を進む映像は、ヤンセンのYouTube公式チャンネルでも公開されています。
# theo jansen「STRANDBEEST EVOLUTION 2017」(2017/06/07)
〈ストランドビースト〉はかつてテレビCMに使用されたこともあり、日本でも人気の高いテオ・ヤンセン。東京の日比谷パティオ(旧三信ビルディング跡地、〈東京ミッドタウン日比谷〉建設地)にて、アジア初となる展示会が2009年に開催されたのを皮切りに、毎年のように展覧会が開催されてきました。
今年7月から9月にかけて、安藤忠雄氏の設計で知られる兵庫県立美術館にて展覧会が開催される予定でしたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響で中止となっています。日本初公開を含む、さまざまなストランドビーストが集結する予定でした。
兵庫での展覧会に企画協力していた学研プラスでは、同社の学研科学創造研究所のウェブサイト上に、ヤンセンのオンラインコンテンツを用意、8月8日より期間限定で公開しています。
以下12体の〈ストランドビースト〉について、写真・解説・動画をオンラインで視聴することができます(視聴は無料)。このうち、「アニマリス・ミミクラエ」は兵庫展で初めて日本にやってくる予定だった作品です。
主なオンライン展示作品:
アニマリス・ウミナミ / アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ / アニマリス・アデュラリ / アニマリス・リジデ・プロペランス / アニマリス・オルディス / アニマリス・オムニア / アニマリス・アポディアキュラ / アニマリス・リノセロス・トランスポルト / アニマリス・ムルス / アニマリス・カリプス / アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス / アニマリス・ミミクラエ
# theo jansen「STRANDBEEST MIMICRI 2019」(2019/10/12)
世界各地で予定されていた展覧会が、コロナ禍により中止や延期になって以降、ヤンセンはオランダにある工房で作品をつくり続けています。〈ストランドビースト〉は冬に構想され、春から秋にかけて具体化され、創出される作品です。学研のWEB展では、制作に取り組むヤンセンの最近のようすなども随時追加される予定です。
このほかにも同展特設サイトでは、〈ストランドビースト〉はどのようにして生まれるのか、なぜあのように生きているような動きをするのかなど、〈ストランドビースト〉の秘密を解き明かすコンテンツや、テオ・ヤンセンというアーティストを深く知ることのできるコンテンツも準備中、順次公開されます。(en)
新コンテンツ Googleマップでストランドビーストを探せる「近頃のテオ・ヤンセンとビーストのすみか」(2020年9月19日追記)
テオ・ヤンセンの最新の情報とともに、ヤンセンが作品制作を行い、「ストランドビーストが生息している場所」が、Googleマップでわかるようになりました(学研ホールディングス 2020年9月18日プレスリリースより)。学創造研究所「テオ・ヤンセンWEB展覧会」上で会期中、公開されています。
学創造研究所「テオ・ヤンセンWEB展覧会」
会期:2020年8月8日(土)〜9月30日(水)公開終了
https://www.gakken.co.jp/kagakusouken/webjansen/index.html
テオ・ヤンセン日本語公式ウェブサイト
https://theojansen.net/