TECTURE MAGでは「前夜祭」のイベント告知および「バウハウスとノル」トークイベントのレポートでお伝えしていたが、東京ステーションギャラリーで「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―」展が開催中だ。
1919年に、建築家ヴァルター・グロピウスにより開校した造形学校「バウハウス」。
わずか14年という短い期間の活動であったものの、実験精神に満ち溢れた学校の活動は造形教育に革新をもたらした。
そしてバウハウスは現代に至るまで、アートやデザインなど、さまざまな分野に多大な影響を与え続けている。
2019年にバウハウスが誕生から100年目を迎えたことを記念して、日本各地では関連するイベントが展開されてきた。
「巡回展」の最終会場が、東京ステーションギャラリーというわけだ。
今回の展覧会ではバウハウスの教育の内容を、「体験」をキーワードに見せていることが特徴。
課題の内容と合わせて、生徒の実際の成果物を並列することで、あたかも自分が授業を受けているかのような追体験ができる。
そして、ヴァシリー・カンディンスキーやパウル・クレー、ラースロー・モホイ=ナジといった「マイスター」と呼ばれる豪華講師陣が、並々ならぬ熱意を抱いて生徒に教えていた様子が伝わってくる。
いずれも「これ楽しそう!」「こんな授業を受けてみたい!」と思わせられる内容だ。
展示は、総合的な造形などの基礎教育を前半で一気に見せ、階を移動してからの会場では専門的な工房教育の様子を見せる構成。
学生からマイスターになったマルセル・ブロイヤーによる、スチールパイプを利用した革新的な椅子の数々も陳列する。
後半ではオスカー・シュレンマーの映像作品や、バウハウス教育の建築での実践、バウハウスに学んだ4人の日本人の活動の様子も詳しく紹介されていて、飽きることがない。
教育と実践を通じてアートとテクノロジーをかけ合わせ、社会に計り知れない影響を与えたバウハウス誕生から100年。
次の100年に向けて、私たちはどのようにバウハウスの精神を引き継ぎ、発展させることができるのかと考えさせられる。
繰り返しになるが、この巡回展は東京ステーションギャラリーでの開催が最終となり、会期終了は9月6日(日)と間近。
ぜひ足を運んでいただきたい。
なお、日時指定のチケットを事前に購入する必要があるため、詳しくは公式ホームページにて確認を。
(jk)
東京ステーションギャラリー
「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―」
会期:2020年7月17日(金)〜9月6日(日)
入館チケットはローソンチケット(Lコード31523)での販売のみ、受付では購入不可
休館日:月曜 ※8月10日、8月31日は開館
開館時間:10:00 – 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで主催:東京ステーションギャラリー[公益財団法人 東日本鉄道文化財団]、バウハウス100周年委員会
後援:ドイツ連邦共和国大使館、スイス大使館、ハンガリー大使館、一般社団法人 日本建築学会
特別協力:ミサワホーム株式会社、東京国立近代美術館
協力:専門学校 桑沢デザイン研究所、大阪芸術大学、株式会社アトリエ ニキティキ
協賛:アウディ ジャパン株式会社、株式会社インターオフィス
企画協力:株式会社アートインプレッション、株式会社ミサワホーム総合研究所“bauhaus100 japan” 公式サイト:http://www.bauhaus.ac/bauhaus100/