イタリアを代表するブランド、グッチ(Gucci)が、2021年にブランド創設100周年を迎えたことを記念したエキシビションが、東京・天王洲のB&C HALL・E HALLにて、10月31日まで開催されています。
これまでのクリエイティブ・ビジョンをたたえ、探求する没入型エキシビションで、2021年5月のフィレンツェのグッチ ガーデンでの開催を皮切りに、東京を含む世界複数の都市で展開されます。
本展は、これまでグッチが展開してきた広告キャンペーンを通じて、現在のクリエイティブ・ディレクターを務める、アレッサンドロ・ミケーレ(1972-)が描くビジョンと美学、インクルーシブな哲学を映し出した、多彩な構成となっています。
展覧会タイトルにある「Archetypes(アーキタイプ)」とは、さまざまなイメージの源となる存在=元型をあらわすキーワード。これまでグッチが世に送り出してきた広告キャンペーンが、同ブランドの世界のアーキタイプであることを示しています。
本エキシビションは、複数の部屋からなり、東京、ベルリン、ロサンゼルスの地下鉄、さらにはフランス・パリの五月革命(1968年)に参加した若者たちへのオマージュなど、テーマごとに分けられた各室で、グッチの広告キャンペーンの世界がそれぞれ再現されています。
部屋ごとに異なる多彩な空間には、宇宙探検家やエイリアン、馬、天使なども登場。万華鏡のようにめくるめく、アレッサンドロ・ミケーレのビジョンを探検する壮大な旅へと来場者を誘います。最先端のテクノロジー、精緻を極めた職人たちの手仕事、革新的なインテリアデザインによって、複数の展示空間それぞれに没入体験を楽しめる構成となっています。
本展の空間デザインは、グッチの創業地であるフィレンツェを拠点に活動するスタジオ、Archivio Personale(アルキヴィオ・ペルソナーレ)が担当。アレッサンドロが描くビジョンを、ストーリー性をもたせた展示空間へと変換し、アレッサンドロの美学をより印象的に表現しています。
会場に1歩入ると、現れるのが、エキシビションの舞台裏とも言い換えられる、コントロールルームです。これまでにアレッサンドロが手がけた広告キャンペーンの映像がマルチスクリーンに映し出されています。
グッチ ビューティーの部屋では、「大胆な人、輝ける人、美しい人のために」と謳ったリップスティック コレクションの広告キャンペーンの映像が、多数のマルチスクリーンをジャックしています。そこには、コスメティック業界の美の常識を覆したと言われるパンクシンガー、ダニ・ミラーの笑顔が、さまざまなアングルで映し出され、観(み)る者を幻惑、魅了します。
グッチ ブルームの部屋は、フローラルの豊かな香りに包まれています。このキャンペーンの主役である女優のダコタ・ジョンソン、フェミニストアーティストで写真家のペトラ・コリンズ、女優でモデル、トランスウーマンのハリ・ネフの3人にとっては、まさに隠れたイマジナリーガーデンのような空間が広がっている部屋です。
カリスマ的で型破りなこの3名は、アレッサンドロ・ミケーレが提唱するモダンフェミニニティの新しい包括的なビジョンを明確に映し出しました。
続く部屋は、1968年にパリで起こった五月革命「May 68」に参加した若者たちへオマージュです。会場に描かれたグラフィティが、当時の雰囲気を醸し出しています。
この部屋でフィーチャーしているのは、五月革命から50年目の節目にあたる、2018年にグッチが展開した、プレフォール コレクションの広告キャンペーンです。
2018年春夏コレクションの広告キャンペーンをフィーチャーした部屋では、緻密な表現で知られるアーティスト、イグナシ・モンレアルによるビジュアルが、巨大なウォールアートとなって、壁面と天井を覆います。
2016年秋冬コレクションの広告キャンペーンを再構成した部屋は、東京をイメージしています。数万個のスパンコールが壁面を覆い、夜もまばゆく輝き続ける都市の風景などが表現されています。
2017年秋冬コレクションの広告キャンペーンの部屋では、自然史博物館のジオラマ風に宇宙の生き物やエイリアン、宇宙の探検家たちが登場します。
続く部屋は、2018年秋冬コレクション 広告キャンペーンを再構築した空間です。
床から天井まで棚に囲まれ、数えきれないほどのケースに蝶や鳩時計、カラフルなぬいぐるみや、グッチの〈GGマーモント〉バッグといったコレクターズアイテムが詰め込まれたこの部屋は、偏執的なコレクターの世界が表現されています。
ベルリンが舞台となった、2016年春夏コレクションの広告キャンペーンの部屋には、なんと化粧室が出現。
再現された化粧室は、1980年代のナイトクラブをイメージしたデザインです。
2020年クルーズ コレクションの広告キャンペーンを振り返るこの部屋では、「世紀のパーティー」が繰り広げられた、豪奢なモダニストのヴィラの舞台裏に入っていくこともできます。
さらに迷路のような展示空間を進んでいくと、アレッサンドロ・ミケーレが初めて手がけた、2015年の秋冬コレクションの広告キャンペーンをフィーチャーした空間にたどり着きます。
最後に紹介する「部屋」は、ロサンゼルスの地下鉄の車両。臨場感あふれる空間を再現しています。
About GUCCI
1921年にフィレンツェで創設されたグッチは、世界のラグジュアリーファッションを牽引するブランドのひとつ。2021年にブランド創設100周年を迎え、クリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレと、社長兼CEO マルコ・ビッザーリのもと「ラグジュアリーを再定義する」というミッションを掲げ、クリエイティビティとイノベーション、イタリアのクラフツマンシップをブランドバリューの核としながら、次の時代に向けて歩みを続けている。パリを拠点とするグローバル・ラグジュアリー・グループである、ケリング(Kering S.A.)の中核をなすブランドの1つ。
会場:B&C HALL・E HALL
所在地:東京都品川区東品川2-1-3(Google Map)
会期:2021年9月23日(木・祝)〜10月31日(日)
開場時間:11:00-20:00(金・土・祝前日は21:00まで、最終入場は各日とも閉館30分前まで)
入場料:無料
※完全予約制、グッチ公式LINEアカウントにて予約を受付
※新型コロナウイルス感染症対策を実施
※混雑時は来場人数を制限
※今後の状況により、スケジュールなどが予告なく変更される場合あり
問合せ先:グッチ ジャパン クライアントサービス(0120-99-2177 / 受付時間 10:00-21:00)
Gucci Webサイト
www.gucci.com