建築家の向山裕二、上野有里紗、笹田侑志の3人が共同主宰する設計事務所、ULTRA STUDIO(ウルトラスタジオ)による個展が、東京・根津・池之端にある[The 5th Floor]にて開催されています。
[The 5th Floor]は、建築家の子浦尚登と子浦 中の両氏が共同主宰する、シオ建築設計事務所が改修を手がけ、築50年の社員寮(花園寮)をオフィスとギャラリーへと再生して今年2月オープンした、〈花園アレイ〉の5Fにあるオルタナティブスペースです。
本展は、ULTRA STUDIOが手がけた建築作品を展示するのではなく、都市に対する彼らの実験的な試みについて、展覧会というかたちで提示するもの。入場無料(学生は無料)、会期は10月22日まで(火、水、木曜休み)。
都市に建築的に介入することが難しかった地域・時代で育った60年代イタリアのラディカルアーキテクツは、極小のインテリアを通して極大のランドスケープに介入するという転倒した戦略により、批評的イメージ群を生みだした。
ランドスケープ・都市を覆い尽くす均質空間は、家具的スケールの連続によって描かれると同時に、インテリアへと伸縮可能なスケールレスな存在でもあり、ドメスティックなものとSF的なビジョンが無媒介に接続されていた。
半世紀後の現在、都市は彼らが思い描いたような均質空間に覆いつくされてはいない。そもそも、都市への大規模な介入自体が断念され、アーキテクトの描くビジョンは建築とその敷地周辺に限定されつつあるようだ。我々は、彼らの注目した「インテリア」と「ランドスケープ」の衝突に注目し、更にその戦略を転倒させることにより、都市的介入を通したデザイン手法を探求することにした。極大のランドスケープに極小のインテリアが見いだされる。
「形態は機能に従う」というモダニズム的テーゼ。あらゆる機能に対応するユニバーサルスペース。この2つの融合はジェネリックな建築群を生みだした。しかし、建築の外に出て都市を見わたすと、形態と機能の合理的な対応は神話でしかないことがわかるだろう。我々はユニバーサルスペースを規定するグリッドを都市に重ね、グリッドを表象するスターコラムをその交点に落とし、都市の諸要素との衝突を観察した。そこから、都市に散らばるありふれた形態を、建築的「象徴」として見いだしていった。
それらに住まう=ドメスティック化することにより、「機能」を「象徴」に事後的に付与し、「象徴群」によって生まれる新たな都市の姿を描きだした。
ULTRA STUDIO
ULTRA STUDIO プロフィール:
向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ。2013年に結成。日本とヨーロッパで経験を積み、2018年より東京をベースに設計活動を開始。都市文化を批評的にとらえなおしつつ、建築的介入を創り出す活動を行っている。
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3氏プロフィール詳細:http://ultrastudio.jp/about/
出展作家:ULTRA STUDIO
会期:2021年10月9日(土)〜22日(金)
開場時間:11:00-19:00
閉場日:火、水、木曜
会場:The 5th Floor / 花園アレイ5F
所在地:東京都台東区池之端3−3−9(Google Map)
入場料:500円(学生は無料)
会場[The 5th Floor] Webサイト
https://ja.the5thfloor.org/
花園アレイ(Hanazono alley.)Webサイト
https://www.hanazonoalley.co/the5thfloor