COMPETITION & EVENT

ストリートファニチャーで“まちなかリビング”を社会に拡げる実装実験を池袋グリーン大通りにて実施中

ストリートファニチャーで“まちなかリビングのある日常”を拡げる社会実装実験を池袋東口グリーン大通りにて期間限定で実施

東京・池袋の東側を東西に走るグリーン大通りの歩道沿いにて、ベンチなどのストリートファニチャー(家具)を3カ所設置する社会実験が2021年10月16日から始まっています。

この社会実験は、練馬区の〈青豆ハウス〉のオーナーとして知られる青木 純氏と、東京R不動産を運営するオープン・エーを率いる馬場正尊氏の両氏が代表取締役を務めるnestと、池袋を中心に各種飲食店を展開するグリップセカンド(代表取締役:金子信也)、そしてサンシャインシティと良品計画の4社の共同企画・運営により、池袋駅東口に位置する「グリーン大通り」の活性化を目的とし、2021年7月24日より開始された“まちなかリビング”プロジェクト「IKEBUKURO LIVING LOOP」の一環として行われています(構成など概要は後述)

IKEBUKURO LIVING LOOP 開催マップ

エリアマップ

ストリートファニチャーの設置場所は、南池袋公園と中池袋公園の間に位置する、グリーン大通りの左右、池袋ニッセイビル前、あおぞら銀行前、IKEBUSバス停横の計3カ所。公共空間(パブリックスペース)でのさまざまな過ごし方を創出することを目指した、常設化に向けたプロジェクトで、ストリートファニチャーの設置によって居心地の良いストリートをつくり出すため、グリーン大通りの利用者層やアクティビティの変化などを、2022年1月31日(月)まで約3カ月半にわたり調査を行うとのこと。

設置場所

場所:池袋ニッセイビル前
テーマ:公園×つどう

IKEBUKURO LIVING LOOP

池袋ニッセイビル前

ステージの欠片(かけら)のようなかたちをしたベンチを複数個設置。向き合って座ることもできるスペースを確保して、1人でも複数人でも寛げる空間を用意。周囲の環境と調和した1つの街並みのよう。ベンチを組み合わせれば、パフォーマンスのステージにもなる。植栽のグリーンは、ハーブやレモンなど、自宅のリビングにいるような植物を選定した。

IKEBUKURO LIVING LOOP

池袋ニッセイビル前


場所:あおぞら銀行前
テーマ:公園×はたらく

IKEBUKURO LIVING LOOP

あおぞら銀行前

机や椅子として使える段差を設けてファニチャーを設置。頭上には軽やかな三角形のタープ(布)を架け、心地よい日陰を用意した。オフィス街でもある池袋のワーカーのために、電源を備え、リモートワークの場も提供している。

IKEBUKURO LIVING LOOP

あおぞら銀行前


場所:IKEBUSパス停横
テーマ:公園×まつ

IKEBUKURO LIVING LOOP

IKEBUSパス停横

さまざまのかたちと高さのある小さなテーブルと椅子を、バス停の横に設置。ファニチャーがバス待ちしているようにも見える。

IKEBUKURO LIVING LOOP

IKEBUSパス停横

サンシャイン劇場の舞台の床材などを再利用

これらのストリートファニチャーは木製で、サンシャイン劇場のリニューアルに伴って不要となった舞台の板材を、廃棄することなく再利用しています。地域の人々が寛ぐ日常の舞台として引き継がれることに。
また、良品計画が販売する「まな板」の材を提供している、高知県須崎市の土佐龍から、まな板としては使えない節ありの材や芯持ちの端材などを仕入れ、ファニチャーの一部に使用しています。

製作パートナー・伊藤維建築設計事務所

ファニチャーの設計(および施工のサポート)を、岐阜市に拠点を構える、伊藤維建築設計事務所(代表:伊藤 維)が担当しています。
施工は、「妄想から打ち上げまで」をキャッチコピーに、間取りのプランニングから素材選び、工事の過程まで、住まい手となる施主が参加する、ワークショップ形式の家づくりを行っている建築家集団・HandiHouse projectが担当しました。
ファニチャーまわりの植栽の選定、設置期間中のメンテナンス、さらには植栽の植え替えワークショップなどを、東邦レオ(大阪府大阪市)が担当しています。

伊藤 維(いとう たもつ)氏 プロフィール
1985年岐阜県生まれ。2008年東京大学工学部建築学科卒業、同年藤村龍至建築設計事務所勤務。2008年-13年シーラカンスK&H勤務を経て、2014年伊藤維建築設計事務所設立。2016年ハーバードデザイン大学院建築学修士課程 (M.Arch.Ⅱ)修了。2017年コロンビア大学GSAPP特任助教、2017-20年スイス連邦工科大学チューリッヒ校建築学科助手。

伊藤 維 近影

「Simple Hybrid」(単純さの混交)として建築・空間・街をつくる信念を軸に、人びと、コミュニティ、環境がより豊かになるべく、実践・探究を積み重ねている。公共空間活用の実験として、岐阜市中心市街地の大通り・金華橋通りの車道に、柳ヶ瀬商店街と連続するかたちで「あそべる道路」の公園を出現させた「Yanagase PARK LINE 2020 ヤナガセパークライン」にて、8車線のうち中央分離帯を挟んだ6車線を公園化し、ベンチやテーブルなどのファニチャーを設計。マテリアル・資源のネットワークと結びつく建築・空間のかたちについて、プロジェクトを横断して探究し、2019年より木端材・解体材を活かした空間づくりを行なっている。

伊藤維建築設計事務所 / tamotsu ito architecture office
https://www.tamotsuito.com

12月にもマーケットを開催

10月に引き続き、2021年11月5日から7日の3日間は、グリーン大通りと南池袋公園に、雑貨や飲食などの店舗が立ち並ぶマーケットが開催されます(7日最終日は16:00まで)。周辺施設とも連携して、まちなかを歩いて楽しめるプログラムを展開。次回は12月18日に開催予定です。

IKEBUKURO LIVING LOOP

マーケット開催時の様子(注.ベンチや椅子はストリートファニチャーではありません)

IKEBUKURO LIVING LOOP(イケブクロリビングループ)概要

主催:グリーン大通りエリアマネジメント協議会
共催:豊島区
企画運営:グリップセカンド、サンシャインシティ、nest、良品計画
協力:南池袋公園をよくする会、サンシャイン劇場、伊藤維建築設計事務所、東邦レオ、HandiHouse project、WILLER EXPRESS、モクタンカン、西武池袋本店、ヤマハミュージックジャパン、ぼんぼり光環境計画、Tea Time、333DISCS
イベント開催期間:2021年7月24日(土)〜2022年1月31日(日)予定
コンテンツ:マーケット(日程:10月2日、16日、11月5〜7日、12月18日)、ストリートファニチャーの設置実験、ほか

IKEBUKURO LIVING LOOP 公式ウェブサイト
http://ikebukuropark.com/livingloop/

IKEBUKURO LIVING LOOP 公式SNS
https://www.instagram.com/ikebukuro.living.loop/

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン

RECOMENDED ARTICLE

  • TOP
  • COMPETITION & EVENT
  • EVENT
  • ストリートファニチャーで“まちなかリビング”を社会に拡げる実装実験を池袋グリーン大通りにて実施中
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ