海外のメゾン、ブランドが、国内外で展開する、ホリデーシーズンの店頭インスタレーション、クリスマスツリーを紹介します。
先ずは、海外。中国・上海の〈エルメス上海メゾン〉のホリデーインスタレーションから。
独自のアプローチでデザインの領域を広げる、林 登志也氏と安藤北斗氏によるコンテンポラリーデザインスタジオ・we+(ウィープラス)が、同店舗の2021ウィンターシーズンのウィンドウ・ディスプレイデザインと、エントランスのインスタレーションを手がけています。
タイトルはSymbiosis(共生や共存の意味の英語)。エルメスの2021年のテーマ「The Human Odyssey」を、自然との共存共栄を学ぶ人類の長い旅路と解釈。100年後の上海にタイムトラベルをしたという設定のもと、東アジアを代表する植物であり、祝祭や繁栄の象徴とされる竹を引き裂いたときに現れる生き生きとした表情を活用し、都市と自然が調和した暮らしを表現しました。
エントランスのインスタレーションでは、風や光を可視化するwe+の作品「Swell」を使ったツリーを制作しました。(we+ / 林 登志也、安藤北斗)
イタリア・ローマを代表するラグジュアリーブランド フェンディ(FENDI)は、2021年のホリデーシーズンを明るく彩るホリデーシーズン・デコレーションを、世界各地の直営店で展開しています。
上の画像は、イタリア・ローマにある〈パラッツォ フェンディ(Palazzo FENDI)〉のファサードでの作品展開です。
モチーフとした模様はマーブル(大理石)。これまでにも、メゾンのシグネチャーモチーフとして度々用いられ、フェンディにおけるビジュアル表現の重要なエレメンツの1つです。
ウィンドーと店内のインスタレーションは、デザインスタジオ、オッド・マター(Odd Matter)と、写真家で映像作家のマルセル・クリスト氏(Marcel Christ)とのコラボレーションによって制作されました。クリスト氏は、化学工学も学んでいる異色の作家です。ダイナミック、かつカラフルな彼の作品を映し出すLEDスクリーンの傍らには、中間色のストーンの滑らかな形を特徴とする、オッド・マターの彫刻が配置されています。
ファサード全体をライトアップする映像インスタレーションは、ホリデーシーズンにふさわしい、レッド、ブルー、ゴールデンイエローに色を変え、輝きます。〈パラッツォ フェンディ〉のほか、フランス・パリのモンテーニュ通りや、英国・ロンドンのニューボンドストリート、米国・ニューヨーク57丁目の各旗艦店のファサードも美しく飾っています。
クリスチャン ディオールでは、マリア・グラツィア・キウリがデザインした「クルーズ 2022 コレクション」のコンセプトに基づき、世界中のディオールブティックにきらびやかな彩りが加わります。
アラベスクで飾られたゴールドのクリスマス・スターは、熟練した彫刻職人のサヴォワールフェールによって、命を吹き込まれます。ギリシャの自然からインスピレーションを得た装飾や、鹿やキツネをモチーフにした飾りが、ディオールのブティックを彩ります。これらの空間に呼応するように、壁には繊細な手書きのスケッチがほどこされているのも、ディオールの比類のないクラフツマンシップを表現するデザインです。
カルティエでは、東京・表参道交差点に、12月5日から期間限定で、Cartier ”The Reflecting Garden”をオープンしています(2022年9月まで展示予定)。
同日より、クリスマスツリーが登場。今年のカルティエのテーマである”LOVE IS ALL”を掲げ、高さ約8メートルの天然のもみの木を用いたクリスマスツリーです。ツリーのまわりで人が手をかざすと、ツリーにイルミネーションのきらめきが宿る、インタラクティブなツリーとなっています。
ティファニーでは、米国を代表するアーティストの1人、ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat|1960-1988)が、1982年に制作した名作〈Equals Pi〉をフィーチャーした特別なアドベントカレンダーを、世界各地の一部のストア限定で展示。日本国内では、11月6日より銀座本店にて展示されています。
約122センチのホワイトオーク材を使用したカレンダーのドアは、バスキアをインスパイアするキャンバスとして選ばれました。ティファニーのジュエリーやホーム&アクセサリーが収められた、24個のブルーボックスを毎日開封していく仕掛けのアドベントカレンダーです。
最後に、ドイツのヴァイル・アム・ラインにある、ヴィトラキャンパスのクリスマスディスプレイをお届け。
海外に行くのはまだまだ難しい今年のクリスマス。せめて写真でホリデー気分を味わいましょう!
それでは、素敵なクリスマスを!