京都の設計者集団・新工芸舎が「西銀座駐車場商店街」に限定出店

東京・銀座のSony Park Mini（ソニーパークミニ）にて、京都を拠点に活動中の設計者集団・新工芸舎の作品を展示・販売するポップアップイベント「新工芸店(P)」が開催されています。

Sony Park Mini 施設概要

〈Sony Park Mini〉は、面積わずか10坪の実験的POP-UPスペースです。
銀座・ソニービル跡地で、2024年に完成を目指す新・Ginza Sony Park[*1]に向け、東京・銀座の数寄屋橋交差点のほぼ真下に位置する西銀座駐車場の地下1階に、2022年3月23日にオープンしました。
「アーティストの鼓動を感じるプログラムを起動し続ける」ことをコンセプトに、訪れるたびに新しいプログラムとの出会いがある場を創出することを目指したスペースです。
音楽、映画、アート、食、ファッション、ショッピングなど幅広い分野をテーマに、個性溢れるクリエイターやアーティストと共に、年間を通じて30以上のバラエティに富んだ実験的かつ挑戦的なプログラムを実施する計画です。

「西銀座駐車場商店街」とは？

開催中の「西銀座駐車場商店街」とは、Sony Park Miniの空間を架空の商店街の一角に見立て、モノと店に関わり続けるmethod[*2]とともに、多様な作り手や売り手によるユニークな商いの姿を紹介するシリーズプログラムです
これまでに、スケートボードで器を行商する「器 つか本」、品川区荏原の町で仲間が集うコミュニティとなっている「リサイクルショップHand To Mouth」が出店しています。

第三弾となる「新工芸店(P)」は、京都を拠点に活動中の設計者集団・新工芸舎による、東京では初となる単独展示および期間限定の店舗となります。
今回のプログラムでは、〈Sony Park Mini〉に3Dプリンタを持ち込み、作品を実際に制作して販売します。

新工芸舎プロフィール

専門分化・システム化の進んだ工業社会に対するオルタナティブとして、専門分野の再統合や工芸的な素材との対話を標榜し、デジタル/アナログの垣根のない新しいものづくりの姿を構想、実践している。
特に樹脂は、工業的な生産を象徴とする素材で、長らく量産を前提として扱われてきたが、3Dプリンタの普及した社会では、限りなく工芸的な規模で扱える素材となっている。3Dプリンタなどのデジタル工作機械が、モノの生産活動を個人的な営みへと還元しつつあるなかで、それらが育む新しい人間像や生き方の変化について考え、活動中。

新工芸舎 構成メンバー（朝倉真莉子、小坂 諒、三田地博史）

https://www.shinkogeisha.com/

今回の「新工芸店(P)」では、デザイン・エンジニアリング・ソフトウェア・エレクトロニクスなどの専門分野を自在に越境しながら表現または問題を解決するという思想のもと、モノづくりの新たな在り方を探求する「新工芸の趣意」[*3]を軸に展開します。

通常、モックアップやパーツ制作に用いられることが多い3Dプリンタを“道具”として使いこなし、多様な表情と意匠を生み出す表現力の高さが新工芸舎の”強み”です。例えば、プラスチックを編んだようなテクスチャが特徴的な「tilde（チルダ）」は、3Dプリンタを工芸的な機械と捉え、デジタルとアナログを横断しながら試行錯誤を繰り返すことによって一つの完成度を目指したプロダクトシリーズです。樹脂でありながらも温かく柔らかな表情を作り出すことができる特殊な技法”編み重ね”を用いています。

また、自然物を3Dスキャンし、その表面に寄生するように人工物を付加して構成した道具シリーズ「のせ物」は、石を3Dスキャンし、その形状に合わせて1点1点設計し、3Dプリントすることで、石のかたちに手を加えることなく、機能を”のせ”ています。

3Dプリントによるプロダクトの制作プロセスやその手法、実験的な取り組み事例とプロダクトの紹介を通じ、従来の価値観を覆すようなモノと人との新しい関係を考えるきっかけになればと考えています。（ソニー企業株式会社 プレスリリースより）

西銀座駐車場商店街 3店目「新工芸店(P)」プログラム 概要

会期：2023年2月10日（金）～21日（火）
開場時間：11:00-19:00
会場：Sony Park Mini（ソニー パーク ミニ）
所在地：東京都中央区銀座5丁目3番1号地先 西銀座駐車場地下1階（Google Map）
入場料：無料
ハッシュタグ：#新工芸店P

イベント詳細
https://www.sonypark.com/mini-program/list/026/

*1.Ginza Sony Park
建築家の芦原義信（1918-2003）が設計した〈ソニービル〉設立当初からの「街に開かれた施設」というコンセプトを継承し、ソニービルの解体工事の途中、2018年8月9日にオープン。年間を通して、驚きや遊び心が感じられるさまざまなイベントやライブなどのプログラムを実施している。都会の中にある「変わり続ける実験的な公園」として、3年間で854万人の来場者を数える（2021年9月末時点）。現在は建て替え工事中、2024年に新たな「Ginza Sony Park」が完成予定。

〈Sony Park Mini〉施設概要
所在地：東京都中央区銀座5丁目3番1号地先 西銀座駐車場地下1階（Google Map）
営業時間：
プログラム　11:00-19:00
西銀座駐車場コーヒー：平日 8:00-19:00 / 土日祝 11:00-19:00
定休日：不定休
床面積：約30.0㎡（約10坪）

〈Sony Park Mini〉公式ウェブサイト
https://www.sonypark.com/mini

〈Sony Park Mini〉内にある「西銀座駐車場コーヒー」では、厳選されたコーヒー豆から抽出したアメリカーノやカフェラテをはじめ、ミルクブリューやレモネードなどのドリンク、ヴィーガンのクッキーやパウンドケーキをテイクアウトにて販売している。
ハッシュタグ：#西銀座駐車場コーヒー、#nishiginzaparking_coffee

西銀座駐車場コーヒーInstagram　＠nishiginzaparking_coffee
https://www.instagram.com/nishiginzaparking_coffee/

*2.method inc.
イデーのバイヤーを経て、山田遊氏（代表取締役）が2007年に設立。
英和辞典で引くと、「方法・方式・方法論・順序・筋道・秩序」などの意を含む単語である「method（メソッド）」。デザインや工芸、美術、ファッション、美容、食に至るまで、あらゆる領域で産み出されるモノ、また、モノを産み出すヒトと密接に関わりながら、店づくりを中心に、日々、さまざまな仕事を手がけている。
http://wearemethod.com/

*3「新工芸の趣意」詳細
https://www.shinkogeisha.com/prospectus