3月は、建築や都市の“これまで”を受け取りながら、未来へとつなぐイベントが開催されます。千葉 学氏の退官という節目をはじめ、近代建築の再評価、万博を軸にした未来像の提示、文化施設のリニューアル、都市空間への現在進行形の介入など、世代や時間をまたいで“継承と更新”が語られる企画が揃いました。終わりではなく、次へとひらくための区切りとなる3月。建築がどのように受け継がれ、そして未来へと手渡されていくのかを感じに出かけてみませんか?
設計者として、そして教育者として長年にわたり建築界を牽引してきた千葉 学氏の退官を機に、その歩みと思想を振り返る機会です。公共建築や都市との関係を重視してきた実践、教育の現場で次世代へと手渡されてきた視点があらためて共有されます。ひとりの建築家の節目であると同時に、建築教育のひとつの世代交代を象徴する出来事としても注目されます。これまでの実践を受け取り、これからへとつなぐ時間となりそうです。
千葉学退任記念展覧会 建築を巡るダイアローグ from sketches to materialization 2001-2026
会期:2026年3月12日(木)〜2026年3月28日(土)
会場:代官山ヒルサイドテラスF棟1階 ヒルサイドフォーラム
アントニン・レーモンドとともに、日本におけるモダンライフの形成に寄与したノエミ・レーモンドに光を当てる展覧会です。建築だけでなく家具やインテリアにまで広がる活動を通じ、和とモダニズムを結びつけた思想を紹介します。西洋近代が日本の暮らしの中でどのように受容され、更新されていったのか。その背景を丁寧にたどることで、近代の継承と再解釈を静かに問いかけます。
ノエミ・レーモンドの建築と意匠 ―和で紡ぐモダンライフ―
会期:2026年3月19日(木)〜2026年6月18日(木)
会場:ギャラリー エー クワッド
みゃくみゃくとつなぐ展 ~万博とひらく未来~
会期:2026年2月18日(水)〜2026年4月13日(月)
会場:日本科学未来館1階 シンボルゾーン
約30年ぶりの大規模改修を経て、江戸東京博物館が再始動します。老朽化した設備や内外装の更新に加え、大屋根の断熱・防水性能の向上、空調設備の全面刷新を実施。太陽光発電やLED照明の導入など環境負荷への配慮も図られました。空間演出にはOMA/重松象平氏が参画し、鳥居をモチーフとしたアプローチや映像演出によって鑑賞体験を刷新しています。歴史を伝える場そのものを更新する試みとして、文化施設のこれからを考える機会となります。
江戸東京博物館リニューアルオープン
会期:2026年3月31日(火)~
会場:東京都江戸東京博物館
都市空間を舞台に、アートと建築が現在進行形で介入するフェスティバルです。屋外インスタレーションや空間作品が日常の街並みに新たな視点を差し込み、都市体験そのものを更新します。既存の文脈を受け取りながらも、未来へ向けて再編集する試みとして、継承と実験が交差する場となっています。都市の“いま”を体感しながら、その先へとつながる可能性を探る機会となりそうです。
マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE 第1弾 映像アート祭
会期:2026年2月14日(土)〜2026月3月15日(日)
会場:松本市立博物館 2階 特別展示室
このほかにも、『TECTURE MAG』ではさまざまなイベント情報を紹介中です(随時更新)。お見逃しなく!
参照元:CHIBA MANABU ARCHITECTSウェブサイト、ギャラリー エー クワッドウェブサイト、国立研究開発法人科学技術振興機構 日本科学未来館 プレスリリース、都庁総合ホームページ、マツモト建築芸術祭実行委員会 プレスリリース
トップ画像:© CHIBA MANABU ARCHITECTS, ©︎マツモト建築芸術祭実行委員会