東京・神田錦町にある旧カプセルホテルを舞台に、期間限定の音楽イベント「Tokyo Jazz Club」が11月1日から同月8日まで開催されています。
2023年5月までカプセルホテルとして営業していたこの施設は、平田晃久建築設計事務所が設計し、〈ナインアワーズ竹橋〉として2018年3月にオープン(開業後の2019年に「ナインアワーズ大手町」と改称、以下テキストは大手町と呼称)。デザイナーの柴田文江を中心に開発されたナインアワーズ(9hours)特有のカプセルユニットは(本イベントのために使用されるカプセルを除き)すでに撤去されていますが、都心の狭小地に、外部階段を中央に配置してまわりを建屋で囲んだ、建築家の平田晃久氏ならではの建築作品の内部に入ることができ、かつ音楽も楽しめる貴重な機会となります。

カプセルホテル時代の内観、上層階からの内部見下ろし(2018年3月撮影) Photo: Naoko Endo / TEAM TECTURE MAG

カプセルホテル時代の吹き抜け空間 見上げ(2018年3月撮影) Photo: Naoko Endo / TEAM TECTURE MAG

カプセルホテル閉業後の外観(2024年2月撮影) Photo: Naoko Endo / TEAM TECTURE MAG
「Tokyo Jazz Club」は、現在建物を所有する安田不動産協力のもと、アートウィーク東京とパートナーシップを結んで開催される文化イベントです。旧カプセルホテルの全8フロアを舞台に展開。音楽のほか、パフォーマンス、現代アート、食といった多彩なプログラムが用意され、集う人々の交流の場の創出となることを期待しているとのこと。

「Tokyo Jazz Club」会場 Photo: Courtesy of Tokyo Jazz Club(安田不動産 2026年10月1日プレスリリースより)

「Tokyo Jazz Club」会場 Photo: Carmen Molina(安田不動産 プレスリリースより)

「2026 Tokyo Jazz Club」開催イメージ(画像:EDSTROM OFFICE 2026年10月26日プレスリリースより)
フロア構成〜8つのフロアをめぐる旅
1F:エントランス&大型インスタレーション
1階では、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(出展:CON_)による大型インスタレーションと、中屋敷智生(出展:ANTHRACITE)による壁一面の大型ミューラルアートが来場者を迎える2F:カプセルアートフロア
かつて宿泊に使用されていたカプセルが、アートとの新たな出会いの場へと生まれ変わります。カプセル内部では、村本剛毅(出展:Nguyen Wahed)とヤン・エッカート(協力:Swissnex)によるインタラクティブな作品を展開するほか、マウリツィオ・カテラン(出展:Three Star Books)の作品も展示。さらに、Arab Bank Switzerlandによる特別展示として、0xfffによる〈Transaction Sculpture〉を紹介3F:ヴァイナル&ウイスキー・リスニングラウンジ
音楽に耳を傾けながら、ゆったりとした時間を過ごせるリスニングラウンジを用意。VDS(Vinyl Delivery Service)がセレクトするレコード、Sakazuki(サントリーグループ、協力:Glimmer DAO)によるウイスキーのテイスティング体験に加え、田名網敬一×赤塚不二夫(出展:集英社マンガアートヘリテージ)による版画、書籍、レコード、タロットカードも特別に展示される。喫茶ブースでは、ガブリエル・オロスコ(出展:kurimanzutto)、石川九楊(出展:思文閣)らアーティストによる展示も(個展形式)4F:静寂のフロア
館内の賑わいから離れ、静かにアートと向き合うことのできる空間。落ち着いた雰囲気のなかで、1つひとつの作品をじっくりと鑑賞できる。ブラジルを代表するアーティスト、リヴァーネ・ノイエンシュワンダー(出展:Fortes D’Aloia & Gabriel)や、現代陶芸家の川端健太郎(出展:Nonaka-Hill)らが出展4Fラウンジフロアに展示される、IXC〈OZU(オヅ)〉ラウンジチェア イメージ(カッシーナ・イクスシー 2026年10月29日プレスリリースより)
5F:ビデオアートフロア
映像表現にフォーカスしたフロア。アーサー・ジャファ(出展:Sadie Coles HQ)による記念碑的な映像作品が展示される。旧ロッカールームでは、パリを拠点とするコンセプトストア・Item Idemが、バーバラ・クルーガーやオノ・ヨーコなど多彩なアーティストによる限定エディション作品を紹介する6F:ライブパフォーマンスフロア
本イベント帰還中、館内各所で展開されるパフォーマンスプログラムの中心となるフロア。クリスティン・サン・キム(出展:François Ghebaly)による大型ミューラルアートを背景に、多彩なアーティストによるライブパフォーマンスを展開(主な出演アーティストとプログラムは公式ウェブサイト・SNSを参照)7F:インタラクティブ・ゲームフロア
没入型のゲームフロア。インタラクティブ作品やジェネラティブ作品など、来場者自身が作品と関わりながら、新たなアート体験を楽しめる。先駆的なアーティストデュオ・JODIによる〈OXO〉(協力:FARO、スモールトーキョー、Mondriaan Fund)をはじめ、旧シャワーブースでは、エスベン・ヴァイレ・ケアー(出展:Andersen’s Contemporary)による長時間にわたるパフォーマンス〈Hardcore Freedom〉も披露される8F:サウンドバー
「Tokyo Jazz Club」ならではの交流空間。Bar Phaseによるカクテルバーを中心に、空間の象徴となるシアスター・ゲイツの作品(協力:株式会社堀井七茗園)、寺内曜子(出展:HAGIWARA PROJECTS)によるサイトスペシフィックなインスタレーション、イ・カンホ(出展:Parcel)による光のインスタレーションが一堂に会する
パフォーマンスプログラム
「即興において大切なのは、繰り返さないことだ」— 灰野敬二(11月3日出演、Kaput Magによるインタビューより)
楽器のように鳴り響く建築。全8フロアをめぐる展示空間において、パフォーマンスプログラムは、会場全体に新たな動きとエネルギーをもたらす重要な要素となります。会期中は、コンサート、リスニングセッション、トーク、長時間にわたるパフォーマンス、DJセットなど、多彩なプログラムが館内各所で繰り広げられます。あるフロアではライブパフォーマンスが行われ、別のフロアではレコードの音色が響き、さらに別の場所ではアーティストによるトークが展開されるなど、フロアを移動するたびに異なる音楽や文化に出会うことができます。サイラス・ゴバービルおよびBlank Formsとの共同キュレーションによる本プログラムでは、ジャズを単なる音楽ジャンルとしてではなく、即興、協働、交流、そして繰り返しにとらわれない自由な表現を生み出す、一つの方法論として捉えています。アーティストたちは会期を通じてジャンルや表現形式の枠を越え、さまざまなパフォーマンスを展開します。それぞれの表現が重なり合い、影響し合うことで、建物全体の雰囲気も日々変化していきます。かつてホテルとして使用されていたコンパクトな空間は、アーティストと来場者との距離を近づけ、親密な交流を生み出します。また、8フロアにわたる建物の縦の構造を活かすことで、館内を移動すること自体が、1つのパフォーマンス体験へとつながります。
フロア構成・パフォーマンスプログラムの概要は、EDSTROM OFFICE 2026年10月26日プレスリリースより
日程:2026年11月1日(日)~11月8日(日)
会場:旧ナインアワーズ大手町(竹橋)
所在地:東京都千代田区神田錦町三丁目11-15
入場方法:有料・チケット制(下記・ArtStickerウェブサイトおよび会場入口にて取り扱い)
・Club Pass:4,000円: 11月1日〜8日の全日程、入場無制限、20歳以上対象
・General Pass:2,500円:指定の日・時間枠での入場、当日の再入場可、20歳以上対象。
・Youth Pass:19歳以下対象、指定の日・指定時間枠での無料入場
https://artsticker.app/events/159722
開場時間:
11月1日(日)14:00-23:00
11月2日(月)17:00-23:00
11月3日(火・祝)14:00-23:00
11月4日(水)17:00-23:00
11月5日(木)17:00-23:00
11月6日(金)17:00-23:00
11月7日(土)14:00-23:00
11月8日(日)14:00-18:00
主催:Tokyo Jazz Club実行委員会
助成:アーツカウンシル東京(芸術文化魅力創出助成)
会場提供:安田不動産
協賛・協力:Arab Bank Switzerland、堀井七茗園、在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ、Mondriaan Fund、Office of Contemporary Art Norway(OCA)、OUR LEGACY、スイス連邦外務省(Presence Switzerland)、在日スイス大使館、サカエ・シュトゥンツィ基金、Sakazuki、集英社マンガアートヘリテージ、Swedish Institute、Swissnex
建築・照明デザイン: UM/TANK/Matière Noire/Suspicious Waveforms
音響パートナー:AlphaTheta、Audio-Technica、Blank Forms、VDS(Vinyl Delivery Service)
デザインパートナー:Artek、Vitra、Cassina IXC、CFCL、Grandpie、カリモク家具、USM
ホスピタリティパートナー:Bar Phase、Boksoondoga、DDD Hotel、Kammui、One Hotel、SCHMATZ、Washington Hotel、Woodford Reserve
Tokyo Jazz Club 公式ウェブサイト
https://tokyojazzclub.jp/