いよいよ11月6日(金)にグランドオープンを控えた、〈角川武蔵野ミュージアム〉(運営:公益財団法人 角川文化振興財団、設計:隈研吾建築都市設計事務所)。
【TECTURE MAG】2020/08/05掲載
内覧会Report: 隈研吾最新作〈角川武蔵野ミュージアム〉
https://mag.tecture.jp/culture/20200805-kadokawa-culture-museum/
施設内でも大きな話題となっている「本棚劇場」配架作業が、10月14日にメディアを対象として公開された。
その様子を、まずは360度カメラによる写真で疑似体感いただきたい。
角川武蔵野ミュージアム「本棚劇場」 – Spherical Image – RICOH THETA
Photographs: TECTURE MAG_jk
この「本棚劇場」は、高さ約8メートルに及ぶ巨大な本棚に360度囲まれた空間。
©︎角川武蔵野ミュージアム
“角川武蔵野ミュージアムは、アニメや漫画などの新しいカルチャーと、現代アートや文学・哲学・博物などこれまでのカルチャーを統合した、今までにないタイプのミュージアムとして活動していきます。
この巨大な石の塊の中には、私たちの知的好奇心を刺激する様々な施設が入りますが、その中心にあるのは「エディットタウン」という迷宮のような図書館です。
2020年11月にオープンするこの図書の街では、流れるようなデザインの木製の書棚に、数万冊の本が展示され、一番深部にそびえ立つ「本棚劇場」では、古今東⻄の名著本が私たちに語りかけてきます。
人間の脳の構造がそのまま本棚になったような、不思議な図書館ができました。”
隈研吾(「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生」展コメントより)
本棚の壁面は、数種類のユニットが違い棚のように互い違いに複雑に入り組み、立体的、流動的に連なり、人間の脳の構造をイメージしたつくり。
木製の棚が積み上がり、本棚とインテリアが融合した迫力ある空間がたち現れている。
取材時には、高所作業車を使いながら本を棚に並べている様子が公開された。
事前に本棚のサイズと、納める図書の判型や束幅を把握し、シミュレーションを行ったうえで作業にあたっているという。
本棚には、角川書店創業者の角川源義の文庫をはじめ、歴史学者の竹内理三、沖縄学で知られる言語学者の外間守善、文芸評論家の山本健吉など、偉人たちの残した貴重な蔵書が並ぶ。
約5万冊に及ぶ蔵書数のうち、この本棚には約3万冊を配架。さまざまな思想や文化が混ざり合う、地層ならぬ「知層」が可視化された様子は、圧巻だ。
この本棚には、モニタも間にセッティングされているほか、3台のプロジェクターを使ってプロジェクションマッピングが投影されるという。
「本と遊ぶ、本と交わる」をテーマにアナログとデジタルが融合し、実際の本が能動的に来場者に語りかけ、映像や言霊が降り注ぐようなデジタル映像を体感できる演出が予定されている。
なお、11月6日のオープン時からは、会田 誠、鴻池朋子、川島秀明、大岩オスカール、荒神明香ら6名のアーティストによる「コロナ時代のアマビエ」が、リレー形式で展示されることも決定している。
12月末までは第1段として、2階エントランスに会田氏が描く、縦5000ミリ×横3650ミリの巨大な作品《コロナ時代のアマビエ》が登場するという。
ますます期待が高まる〈角川武蔵野ミュージアム〉のグランドオープン。
TECTURE MAGでは、オープン直前にも施設の取材を予定している。
(jk)
〈角川武蔵野ミュージアム〉公式ウェブサイト
https://kadcul.com/
〈ところざわサクラタウン〉公式ウェブサイト
https://tokorozawa-sakuratown.jp/