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【内覧会Report】「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館にて1/11まで

FEATURE2020.12.30

【内覧会Report】「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館にて1/11まで

国立科学博物館、国立近現代建築資料館、東京国立博物館 表慶館の3会場にて、「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」が開催されています。木材・土・石など多様な自然素材を用い、優れた造形物に発展させてきた日本建築の要素や技術力を凝縮している「建築模型」に焦点をあてているのが特徴で、会場ごとに異なるテーマを掲げて構成され、3会場を通覧すると、古代から現代までの日本建築の歴史の概略がわかるようになっています。

12月8日から1月11日にかけて開催(事前予約制)される国立科学博物館では、「近代の日本、様式と技術の多様化」をテーマとして、主に明治から現代にかけて建てられた12の建築を紹介。建築模型のほか、使用された建材の一部や図面、映像などの関連資料を添付した展示もあります。

【TECTURE MAG】では、12月7日に開催されたプレス内覧会を取材。4つ章で構成される会場の様子を写真を中心にお伝えします。(en)

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

「日本のたてもの」会場風景

展示構成:第1章 西洋建築への理解 / 第2章 近代建築の思潮 / 第3章 新しい都市の姿 / 第4章 建築と自然、これから
展示模型:第一国立銀行、三菱第1号館、旧石巻ハリストス正教会教会堂、迎賓館赤坂離宮、三井銀行京都支店、帝国ホテル旧本館、旧東京科学博物館本館、髙島屋東京店、霞が関ビルディング、東京都庁舎、光の教会、京都迎賓館

第1章 西洋建築への理解

展示模型:第一国立銀行、三菱第1号館、旧石巻ハリストス正教会教会堂、迎賓館赤坂離宮

時代が江戸から明治となり、西洋建築の導入期に建てられた、銀行、教会、迎賓施設の模型を展示。

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

第一国立銀行 1/50模型(国立科学博物館所蔵)

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

迎賓館赤坂離宮 1/150模型(迎賓館赤坂離宮所蔵)

第2章 近代建築の思潮

展示模型:三井銀行京都支店、帝国ホテル旧本館、旧東京科学博物館本館、髙島屋東京店

大正から昭和にかけて、いわゆる〝西洋のモノマネ〟からの脱却を計っていた時期に建てられた建築物を紹介。

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

三井銀行京都支店 1/50模型(日本建築学会図書館所蔵)

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

帝国ホテル旧本館 1/200模型(帝国ホテル所蔵)

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

国立科学博物館日本館 1/75模型(国立科学博物館所蔵)

第2章では、本展会場である国立科学博物館日本館(旧東京科学博物館本館)の模型も展示されています。建物の歴史は、1931年(昭和6)に関東大震災で被災した東京教育博物館の復興計画までさかのぼり、文部省建築課が設計を担当しました。
展示されている模型は、サンクンガーデンが掘り下げられる以前の状態などを確認することができます。

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

髙島屋東京店 1/80模型(髙島屋資料館所蔵)

第3章 新しい都市の姿

展示模型:霞が関ビルディング、東京都庁舎

時代は戦後へ。1960年代に建築基準法をはじめとした法改正など規制緩和が行われたことにより、高さ147メートル、地上36階建て、当時としては日本初の超高層〈霞が関ビルディング〉が1968年に竣工しました。

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

右:霞が関ビルディング 1/200模型 左奥:霞が関ビルディング H型鋼(共に国立科学博物館所蔵)

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

東京都庁舎 1/500模型(丹下都市建築設計所蔵)

第4章 建築と自然、これから

展示模型:光の教会、京都迎賓館

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

光の教会(茨木春日丘教会礼拝堂)1/10模型(安藤忠雄建築研究所所蔵)

最後の章は「建築と自然、これから」。現代における建築とは、古来より脈々と受け継がれてきた日本の文化がそうであったように、自然を取り入れ、共存するものではないかと本展では提示しています。それを象徴する建築として、安藤忠雄の設計で名高い〈光の教会〉と、〈京都迎賓館〉が選ばれています。

〈京都迎賓館〉の竣工と開館は2005年(平成17)。敷地の中央にしつらえた大きな池と庭園を取り囲むようにして、深い庇の大屋根をもつ平屋が配置され、日本人の美意識、自然観、伝統技法、先端技術が結集した、世界に誇る日本の迎賓館として、展示模型の最後を飾ります。

京都迎賓館 外観

〈京都迎賓館〉エントランス(現地にて 2019 photo: en)

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

京都迎賓館 釘隠と引手の展示(内閣府迎賓館京都事務所所蔵)

なお本展は、文化庁が主催する「日本博」および「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』」の一環として開催されます。折しも、本展会期中の12月17日に、政府・文化庁がユネスコ無形文化遺産への登録を推進していた「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の登録決定が発表されています(文化庁 報道発表)。

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」国立科学博物館

「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」

国立科学博物館会場テーマ:「近代の日本、様式と技術の多様化」
会期:2020年12月8日(火)~2021年1月11日(月・祝)
開館時間:9:00-17:00(金・土曜は18:00まで開館)
休館日:月曜(但し、1月11日[月・祝]は開館)、年末年始(12月28日[月]~2021年1月1日[金・祝])
会場:国立科学博物館 日本館1階企画展示室(東京都台東区上野公園7-20)
観覧料金:一般・大学生630円、高校生以下および65歳以上無料
※常設展示の入館料のみで観覧可能
※入館は事前予約制(詳細はウェブサイト参照)
※会期など予定が変更となる場合あり
主催:国立科学博物館、文化庁、日本芸術文化振興会、東京国立博物館、読売新聞社
国立科学博物館ウェブサイトhttps://www.kahaku.go.jp/
「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」公式サイトhttps://tsumugu.yomiuri.co.jp/tatemono/

注.COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の状況により、会期など開催内容が変更となる場合がありますので、最新の開催状況は、会場ウェブサイトを参照してください

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