インテリアズが展開する家具ブランド、バイ インテリアズ(by interiors)から、建築家の榊田倫之氏がデザインした新作家具3点が発表されました。
・TSUZURI lounge chair|綴 ラウンジチェア
・KAKOMI chair|囲 チェア
・SUKI dining table|数寄 ダイニングテーブル
『TECTURE MAG』では、同社が都内に展開するショールームの1つ、エインテリアズ ボッフィデパドヴァ東京(e interiors|BoffiDePadova Tokyo)にて、11月下旬に行われたメディア向け発表会を取材。本稿では一部で〈TSUZURI〉〈KAKOMI〉〈SUKI〉と略称、画像はすべてインテリアズ提供

左から、TSUZURI ラウンジチェア(2脚)、SUKI サイドテーブルと同ローテブルを挟んで、SUKI ソファの展開
撮影協力:清春芸術村 ゲストハウス「和心」 提供:インテリアズ

KAKOMI ダイニングチェア(4脚)+SUKI ダイニングテーブル
撮影協力:清春芸術村 ゲストハウス「和心」
〈TSUZURI〉と〈KAKOMI〉は、榊田氏が新作家具の素材として「使ってみたかった」というラタン(籐 / とう)を用いたもの(詳細は後述する「デザイナーメッセージ」を参照)。〈SUKI〉は、既存展開中のソファやローテーブルなどのシリーズに新たに加わったものです。

TSUZURI lounge chair | 綴 ラウンジチェア
「綴(つづり)」は、一本一本のラタンを丁寧に編み合わせ、その縫い目が意匠のアクセントとなるラウンジチェア。色むらの少ない上質な白ラタンを厳選し、繊細な編み構造が空間にやわらかな光と陰影を映し出す。伝統的な籐家具の枠を超え、構造美と素材の調和が、現代の空間に落ち着いた品格を与える。しなやかな弾力と軽やかなフォルムが心地よく、どの空間にも静かに寄り添う家具。

TSUZURI lounge chair | 綴 ラウンジチェア
本体:ラタンクリア塗装仕上
座面・枕:ポリウレタンフォーム・ポリエステルパッディング by interiors ファブリック張込
脚部:アッシュ材ナチュラル塗装仕上
サイズ:W780,D800.H810,SH450mm
価格:513,700円から

KAKOMI chair|囲 チェア
籐と木製のフレームが身体をやわらかく包み込むように構成されているチェア。前脚から後脚につながる脚部は、一見してアンバランスな印象を与える特徴的な意匠ながら、重量感および安定感、そして快適な座り心地を実現している。
仕様は、座面のみ張り込みと背・座の両方を張り込みの2タイプを展開し、ファブリックやレザーとも美しく調和。従来の籐家具の印象を刷新したデザイン。
本体:チーク材ナチュラル塗装仕上、内部スティール構造
座面:ポリウレタンフォーム・ポリエステルパッディング by interiors ファブリック張込
背:ラタン染色仕上、又は、ポリウレタンフォーム・ポリエステルパッディング by interiors ファブリック張込
サイズ:W520,D555,H700,SH460
価格:座張り込み:286,000円から / 背・座張り込み:320,100円から

KAKOMI チェア+SUKI ダイニングテーブル
撮影協力:清春芸術村 ゲストハウス「和心」
16mmの厚みをもつ存在感のある天板と、古美色のスティール脚が織りなす構成。静けさの中に力強さを感じさせる。サイズは空間に合わせて選べるセミオーダー仕様。

SUKI ダイニングテーブル(部分)
天板:Decton /オーク材突板 ホワイト塗装仕上 / グレーホワイト目止め染色塗装仕上16mm
脚部:スチール塗装仕上(古美色 / ブラック)+アジャスター
サイズ (セミオーダー):W1600,D800,H726
価格:990,000円から
デザイナーメッセージ
「籐(とう)の家具は、一見して土着的で、その土地固有のものに見えてしまう傾向があります。私は改めてその軽さや柔軟性、自然の風合いをもつ利点を再認識し、現代的で洗練された籐のファニチャーに取り組みたいと考えました。
「TSUZURI / 綴(つづり)」には、つなぎ合わせる、とじる、縫い合わせるなどの意味があります。
「綴」の主たる構造と構成要素は籐です。ひとつひとつの部材をつなぎ合わせるように、或いは縫い合わせるように紡いで、接合部の縫い目が意匠のアクセントとなり、家具を形成しています。籠状になっているため、見た目は非常に軽快で、しなやかな弾力性のあるラウンジチェアになりました。民芸や工芸に寄りすぎないかたち、構造美を追い求めることで、現代性を醸し出す、現代の住空間との親和性を備えたファニチャーを目指しました。「KAKOMI〉 / 囲(かこみ)」は、籐を背面に施し、木製のフレームと共に身体を囲みこむように構成されています。仕上げの特徴として、チェア背面の籐が印象的な素材になっています。内側の張り地は、籐もしくはファブリック・レザーなど、いずれも相性が良く、チェア全体の雰囲気を変えることなく選択することができます。力の作用点が脚の根元に集中するようなかたち、座面部が跳ね出しているような、少しアンバランスな脚部の意匠が特徴的です。現代の住空間に親和性を持たせるように軽快な脚部による構造美を目指しました。」
Photo by Mie Morimoto
デザイナー プロフィール
榊田倫之(さかきだ ともゆき)
1976年滋賀県生まれ。建築家。2001年京都工芸繊維大学 大学院建築学専攻博士前期課程修了後、日本設計入社。2003年榊田倫之建築設計事務所設立後、建築家・岸和郎の東京オフィスを兼務。2008年現代美術作家・杉本博司と新素材研究所を設立。
京都芸術大学客員教授、宇都宮市公認大谷石大使。2019年第28回BELCA賞など受賞多数。著書に『素材考―新素材研究所の試み』(平凡社、2023)、杉本博司との共著に『Old Is New 新素材研究所の仕事』(日本語版:平凡社、英語版:Lars Müller Publishers、2021)新素材研究所ウェブサイト
https://shinsoken.jp/
エインテリアズ ボッフィデパドヴァ東京(é interiors|BoffiDePadova_Tokyo)での展示会は12月5日まで(期間延長の場合いり)。上記のほか、イタリアの家具ブランド・デパドヴァ(DePadova)やLIVING DIVANI(リビング ディバーニ)の新作家具もあわせてみることができます(詳細はインテリアズ ウェブサイトを参照)。
インテリアズ ウェブサイト
https://www.interiors-inc.jp/
バイ インテリアズ(by interiors)
イタリアのハイエンドブランドの取り扱いや、家具・照明・生活雑貨の輸入、企画、開発、販売・インテリアデザインプロデュースなどを行なっているインテリアズが展開するブランドの1つ。世界に通用するモダンデザイン、技術、クオリティを学び培ってきた知識を基に創りあげた、日本オリジナルブランド。
バイ インテリアズのブランドストーリーは、2011年に発表した〈TEEテーブル〉に始まる。アルミハニカムパネルを使用した〈TEEテーブル〉は、洗練されたデザインと美しいディテールの集積により、究極にシンプルでありながら汎用性が高いプロダクトとして、オフィスや商業施設、住宅など、幅広く採用されている。その後、世界で活躍する個性豊かなデザイナーたちとの積極的な協業により、独自の審美眼で選び抜かれた素材に日本の優れたテクノロジーや伝統技術を掛け合わせながら、世界に類をみない革新的なプロダクトを創出している。インテリアズ オンラインストア
https://store.interiors-inc.jp/