2024年上半期に開催された、BAMBOO EXPO21、インテリアライフスタイル、オルガテック東京2024で、編集部が注目したさまざまなリサイクル建材を厳選して紹介します!
電気工事における設計施工、メンテナンスや照明器具の販売を行うサワヤ(本社:石川県金沢市)は、使用済み蛍光管を自社で回収。選別、破砕処理の後、脱水銀化処理を行い選別しガラスカレットにしています。廃蛍光灯のほか、ブラウン管、低圧ナトリウム灯など、適切に処理された100%リサイクルガラスを使用した建材を製造しているのが、同社のガラスリサイクル部門・スタジオリライトです。
ガラスの種類によって膨張・収縮率に違いがあるため、蛍光灯やナトリウム灯、ブラウン管などいずれか1種類のリサイクルカレットを使用して製造されていますが、種類によって色に違いがあるほか、スタジオリライトでは独自の技術で質感や立体感をデザインしています。
GREEN FLAG(本社:兵庫県西宮市)は、自社の岡山工場周辺地域にあるデニム工場から排出される端材や繊維くずを中心に、不要になった繊維廃棄物や古着、廃棄される衣料品在庫などをリサイクルした再生繊維フェルトボード「RebornfiberⓇ(リボーンファイバー)」を製造しています。
衣料素材を繊維状に細かく戻し、接着剤を使用せず熱プレスによって硬質化することで、繊維が絡み合う多孔質素材となり、吸音性、断熱性に優れたボードとなります。硬質タイプは厚さ0.5㎜のシート状から最大20㎜厚のものまであり、木材のように加工も可能。熱の入れ方をコントロールすることで適度な柔らかさを残すこともでき、被災地の避難所へ底冷え防止マットとして提供されたこともあるそうです。
室内空間で大きな施工面積を占める壁紙は、大量に使用されながらも解体時に分別、再利用することは困難な建材ですが、サンゲツは製造時に着目。リサイクル素材を使用し環境に配慮してつくられた壁紙「MEGUReWALL(メグリウォール)」を出展していました。同製品は車両のクッション材に使用される樹脂の端材、脱穀した際に出るもみ殻、製材への加工時に出るヒノキの端材をそれぞれ再利用して製造されており、一般的なビニル壁紙と比較してライフサイクルにおけるCO2排出量を削減します。
スワン電器は、繊維系廃材からつくられるリサイクル素材「リフモ」をシェードに採用したペンダントライト「マーブルモチーフペンダントライト」を出展。「リフモ」は大理石のようなテクスチュアで、プラスチックに代わる材料として注目されている素材です。
さまざまな色のある廃棄衣料から製造される再生素材はグレー色になりがちですが、「リフモ」は漂白ではなく、廃棄衣料の分別や布団綿を混ぜることで白色に近い衣料再生素材を製造しており、ペンダントライトもグレー系とアイボリー系の2色展開となっています。
グリーンがあふれるオフィス事例が増えていますが、立地により日光が十分に当たらないケースや冷暖房など、植物の生育に適した環境ばかりではありません。アーティフィシャルフラワー(造花)や季節装飾品の輸入・販売などを行っている日本ビダヤコム(本社:東京都新宿区)は、ペットボトルをリサイクルした再生ペットや再生プラスチックなどで葉や幹、鉢を製造したアーティフィシャルグリーン「Planeco(プラネコ)」を展示。
葉の厚みや艶、樹形などリアルさにこだわって製造されたグリーンは種類も多く、好みの植物やサイズなどから選ぶことができます。土のある生木に比べて軽く、置き場所の自由度が高いことも特徴です。
主に繊維製品を扱う商社、豊島(本社:愛知県名古屋市)は、東京大学生産技術研究所、商品企画などを手掛けるfabulaとの共同出展で、廃衣類と廃コンクリートを原材料とした新しいプロダクト「sow」を出展。sowは廃衣類と廃コンクリートを2:1の割合で使用し、接着剤を使わず熱圧縮したコンクリートの4倍の曲げ強度がある建材です。まだ製品化はされていないとのことですが、sowの使用後も廃コンクリートと同様に循環型リサイクルをする仕組みも構築され、今後のラインナップに注目したいと思います。
トップ画像撮影:TECTURE MAG編集部(BAMBOO EXPO21にて)