スマイルズ(代表取締役 遠山正道、代表取締役社長 野崎 亙)は、コスモスイニシアの既存マンションのリノベーションにおいて、自社ブランド・PASS THE BATON(パスザバトン)が提案、空間・インテリアを再編集したプロデュース事例を発表しました(2025年12月3日プレスリリース)。

PASS THE BATONプロデュースによる”住まい方”提案のイメージ
注.本稿に掲載する内観画像はPASS THE BATONが提案する”住まい方”のイメージ(映り込んでいる家具・小物類は販売には付帯せず)
PASS THE BATONは、セレクトリサイクルショップとして2009年に誕生。個人の思い出の品や、企業のいわゆるB品・デッドストックなどに光をあてる「リライト」を軸に事業を展開。近年では全国各地でのものづくりの背景や過程、地域文化を掘り起こす蚤の市「パスザバトンマーケット」も開催しています。さまざまなマーケット事業を通じて、衣・食と深く関わってきた同ブランドとして初めて、今回「住まい」のリライトに取り組んでいます。
コスモスイニシアとタッグを組み、PASS THE BATONが今回手がけたのは、2025年11月12日に東京・世田谷に竣工した新築マンション〈コスモ世田谷〉の1室です(販売主:コスモスイニシア)。

※スマイルズおよびPASS THE BATONの概要については後述の注釈を参照
プロジェクトの背景
「自分の住まいを、自分にとって一番豊かな場所にするために」。
そんな視点を起点に、このプロジェクトは始まりました。1960年代の団地に端を発した日本の集合住宅は、長らく合理性や効率性が優先される設計が中心だといわれてきました。その一例として、田の字型の間取りや、閉じた玄関、動線を分断する開き戸といった特徴が、既存フォーマットとして多くの集合住宅に存在し、現在にもそのフォーマットが受け継がれています。今回、PASS THE BATONは、「当たり前」となっていたフォーマットや建材をいま一度見直し、見立て直し、機能で分けられていた間取りをより自由に、曖昧にすることで、住まい方の選択肢をひとつ増やすことを試みています。
平面図(左:改修前、右:改修後)
空間設計のコンセプト
コンセプトは、「ものが好きな、物好きのための理想の家」です。
これまで、ものと⼈が出会う場をつくりだしてきたPASS THE BATONだからこそ、工芸、アート、人形、本や器、植物など、住まう人が自分の好きな「もの」で、生活空間を満たすことを前提に、空間をプロデュースしました。アンティークの什器を埋め込んだ飾り棚を家の中心的存在とし、見せる収納と見せない収納の構成や、ものに囲まれながらも体感の広さを残した空間に仕上げています。

部屋の中心であり住まいの印象を大きく左右するリビング。壁一面の飾り棚には、既存の窓を活かしつつ、ヨーロッパでつくられたアンティーク什器を設置

多治見で焼かれたタイルのデッドストックを用いてデザインした窓台は、アートやグリーンを置くスペースとなり、ベンチとして使えば読書スペースに。使い手に使い方を委ね、長く住まうことを前提とした可変性を残した

料理する人とテーブルに座る人の視線が自然に交わるよう、キッチンはリビングより床のレベルを下ている。カウンターキッチンの囲いには、テラゾーのように磨き上げたモルタルブロックを積んだ。ダイニングの床にはS字型の段差を設け、間仕切りを立てずに空間をゆるやかに仕切っている

各所の扉は既存の開き戸から引き戸に変更。空間に広がりをもたせた。リビングと隣接するベッドルームも光を通すガラスの引き戸に

PASS THE BATONによる”住まい方”のイメージ

PASS THE BATONによる”住まい方”のイメージ

PASS THE BATONによる”住まい方”のイメージ
物件名:コスモ世田谷
所在地:東京都世田谷区世田谷4丁目(東急世田谷線 世田谷駅から徒歩3分)
間取り:2LDK
専有面積:76.25m²
※売約済みとなり次第、下記リンクは非公開となる可能性あり
https://www.cigr.co.jp/pj/contents/renovation/detail/MCY004847/
スマイルズ:”実業とプロデュース・コンサルティング”を行う会社。ネクタイ専門店・giraffe(ジラフ)や前述・PASS THE BATONなど、既成概念や業界の枠にとらわれず、新しい生活の在り方を提案する事業を展開。 近年では、東京ミッドタウン八重洲にオープンした「ヤエスパブリック」のプロデュースも手がける。クライアントの本質的な課題に向き合い、事業開発から商品開発、デザイン・PR・オペレーションコーディネート・空間デザイン、WEB構築に至るまで、さまざまな形で伴走し、自社事業・クライアントワークに関わらず、自分自身の経験と感性を発意に”なかった価値”を創出する。
https://smiles.co.jp/PASS THE BATON:“NEW CYCLE COMMONS”をコンセプトに、これまでと異なる視点でモノを見立てる、モノにまつわるストーリーを紡ぐ、といった手法で企業のプロデュース、マーケットイベントの主催、商品開発、PRなどの伴走をおこなっている
https://www.pass-the-baton.com/