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〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉オープン

隈研吾氏デザインのカフェも併設、飛騨産業ゆかりのクリエイターと共にアーツ&クラフツのある豊かな暮らしを提案

BUSINESS2022.10.26

飛騨産業が地元・高山のショップをリニューアル、〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉をオープンした。家具の展示はもちろん、HIDAゆかりのアーティストらの作品なども展示・販売し、森の恵みと手仕事のある豊かな暮らしをトータルで提案する。併設カフェのデザインを隈 研吾氏が担当、氏がデザインしたHIDAの新作を含めた家具が配置されている。

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室

〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉クラフトマーケットが新設された店内 Photo: Masayuki Hayashi

岐阜県高山市に本社を構える飛騨産業(HIDA)が、全国7カ所に構える直営店の1つ、HIDA高山店をリニューアル。複合ショップ〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉として10月22日にオープンしました。
同店は、明治期に建てられた小学校の旧校舎を改修・改築して使い続けている木造2階建て建物です。建物全体では2,700m²の広さがあり、同社のアウトレットも併設されています。

飛騨産業 HIDA

HIDAの家具を用いた暮らしのシーンの提案例 / 右側の2脚の椅子は飛騨産業100周年記念事業で製作された、彫刻家の三沢厚彦氏とのコラボレーションモデル〈SHINRA(森羅)〉 Photo: Masayuki Hayashi

飛驒産業 HIDA

穂高シリーズのソファ。テキスタイル(織り布)は、柚木沙弥郎氏デザインによる「クツロギ」 Photo: Masayuki Hayashi

飛驒産業 HIDA

福祉実験ユニット・ヘラルボニーが掲げるミッション「異彩を、放て。」のもと、在籍作家の伊賀 敢男留氏のアート作品をもとに開発された張り布の椅子 Photo: Masayuki Hayashi

飛驒産業 HIDA

左:鹿児島 睦氏(オープニングイベント参加作家の1人)/ 右:鹿児島氏が家具シリーズ「穂高」のためにデザインしたテキスタイル「ナベダイラ」を用いたソファ

飛驒産業 HIDA

設計事務所ima(イマ)の小林マナ氏と小林 恭氏(2氏ともオープニングイベントに参加) / 右画像の右側:imaがデザインした、猫のための家具〈medel(メデル)〉

飛騨の匠の技術と精神を受け継ぐ飛騨産業では、これまでに国内外の数多くのデザイナーや建築家などのクリエイターらと共に、家具などのものづくりを行ってきました。リニューアルオープンした〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉では、中心となるHIDAの家具に、これまでに協働してきたクリエイターらのアート作品をコーディネート。HIDAが大切にしている4つの価値観「人を想う」「時を継ぐ」「技を磨く」「森と歩む」を表現した複合ショップとなっています。

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室

今年100歳を迎える柚木沙弥郎氏のテキスタイルと、氏の図案を張り生地に用いた〈第七號椅子〉とのコーディネート

飛驒産業 HIDA高山店 森と暮らしの編集室 物販

クラフトコーナー取り扱い品の例:木の表情を活かした松尾吉一氏の作品(左)/ 高山で制作活動を行う安土草多氏のガラス作品(左右とも:Photo: Masayuki Hayashi)

店舗では、同社の家具だけでなく、さまざまなコンテンツで森の恵みと手仕事のある豊かな暮らしを提案していきます。

店内に新設された暮らしを彩るクラフトマーケットでは、HIDAにゆかりのあるデザイナーや地元作家による木工・ガラスなどの作品も販売。
さらには、家具としては使えない木材や枝葉などから生産される、100%天然・無添加のアロマオイルを取り扱う「森の香りの研究所」も登場。高山店からほど近い自社研究室から直送される“採れたてアロマ”の量り売りや、限定樹木の精油バリエーション、セルフブレンドのスプレーづくりなど、高山店限定のサービスを用意しています。

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室

「森の香りの研究所」のコーナー Photo: Masayuki Hayashi

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室

香りを抽出した樹種を用いたアロマオイルのテスター Photo: Masayuki Hayashi

店内には、自然派カフェ「椅子と珈琲」もオープン。店名は、今年8月に発売された新たな家具シリーズ「SUWARI(座り)」のデザインを手掛けた、日本デザインセンターを率いる原 研哉氏によるものです。「くつろぎの時間に必要なのは、居心地の良い木の椅子と美味しい珈琲、そのどちらも堪能して欲しい」という願いが込められているとのこと。

飛騨産業 HIDA高山店 自然派カフェ「椅子と珈琲」

グルテンフリーの米粉のシフォンケーキ「飛騨山椒ショコラ」、クラフトコーヒーは下呂の名店・緑の館の豆を使用 Photo: Masayuki Hayashi

飛騨産業 HIDA高山店 自然派カフェ「椅子と珈琲」

自然派カフェ「椅子と珈琲」テラス席 Photo: Masayuki Hayashi

カフェの空間デザインは、飛騨産業の100周年記念事業として2020年に発売されたチェア〈クマヒダ〉のデザインを手がけた、建築家の隈 研吾氏が担当。店内は〈クマヒダ〉のアームチェアとテーブル、新作〈SHIKA(シカ)〉のアームチェア、HIDAの高度な木工技術で製作された木製パズル〈木霊〉をベースにデザインされたペンダント照明などで構成されています。
カフェには愛犬と一緒にくつろげるテラス席も用意されました。

飛騨産業 HIDA高山店 自然派カフェ「椅子と珈琲」

隈 研吾氏がデザインしたカフェ 内観 Photo: Masayuki Hayashi

飛騨産業 / HIDA

隈 研吾氏がデザインしたHIDAの新作家具〈SHIKA(シカ)〉アームチェア

また、店内には、ブナの原⽣林を活⽤した曲⽊家具の制作に始まる飛騨産業の歴史を伝える展示コーナーも開設されています。

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室

HIDA 100年の歴史を伝える展示コーナー Photo: Masayuki Hayashi

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室

飛騨地方の広葉樹のバリエーションを示す展示 Photo: Masayuki Hayashi

10月22日のオープン日は、HIDAをはじめ飛騨地域の家具メーカーが多数参加する「飛騨の家具フェスティバル」の会期初日でもあり、〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉では、HIDAの穂高シリーズ専用の張り布「ナベダイラ」のテキスタイルデザインを手掛けた鹿児島 睦氏と、インテリアデザイナーの小林 恭・小林マナの両氏による設計事務所imaをゲストに招いてのトークイベントとライブペインティング、木の枝のそのままの美しさを活かした作品づくりを行う貝山伊文紀氏によるワークショップなどが開催されました。

〈HIDA高山店 森と暮らしの編集室〉では今後も引き続き、イベントなどが開催される予定です。

飛騨産業 / HIDA高山店 森と暮らしの編集室 オープニングイベント

オープニングイベント、鹿児島氏によるライブペインティングの様子 / 設計事務所imaがデザインした家具〈medel〉に草花や動物たちを描き下ろし(入札形式のオークションにて販売、収益の一部は動物愛護の活動をしている団体に寄付される)

HIDA高山店 森と暮らしの編集室 / 椅子と珈琲(カフェ)

所在地:岐阜県高山市名田町1-82-1(Google Map
営業時間:10:00-18:00
定休日:水曜
TEL:0120-606-655(フリーダイヤル)
オープン日:2022年10月22日(土)

店舗詳細
https://hidasangyo.com/shop/takayama

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