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ごつごつ、きらきら、ざらざら。 地層の記憶を「織」で表現、川島織物セルコンが挑む「質感の再構成」

ごつごつ、きらきら、ざらざら。

地層の記憶を「織」で表現、川島織物セルコンが挑む「質感の再構成」

1843年創業の京都の老舗織物メーカー、株式会社川島織物セルコンは、ミラノデザインウィーク 2026において、テーマ「織の地層 - Woven Strata -」を発表します。5度目の出展となる今回は、長い歳月をかけて形成される「地層」や「土」の多様な質感を、180年以上にわたり積み上げてきた高度な織物技術によって表現。照明デザイナー・岡安 泉氏のアートディレクションのもと、本来は硬質で捉えがたい自然の息吹を、触感に訴えるテキスタイルとして再構築し、空間における新たな織物の可能性を提示します。

自然界の「堆積」と「織の積層」の共鳴

本展のコンセプトは、自然界の「堆積」が生み出す豊かな表情を、糸を幾重にも重ねる「織物」という構造の中で可視化することにあります。地層の断面に見える凹凸や鉱石のきらめき、土壁のざらつきといった複雑な質感を、素材の選定から織組織の設計、密度の精緻な制御に至るまで、工程を層のように積み重ねることで表現。それは、同社が創業以来培ってきた「技術の地層」そのものを体現する試みでもあり、目には見えない時間の蓄積を「織の表情」として現代の空間に解き放ちます。

綴織からジャカードまで、多様な技法が描く「地の記憶」

会場では、地層形成のプロセスを手掛かりに、質感を立体的に体感できる空間が展開されます。麻や紙、ウールなど多様な素材を職人が手作業で織り込む迫力ある綴織アートワーク「Strata_1」をはじめ、西陣織の伝統に裏打ちされた高度なジャカード技術を用い、オニキスの透明感を再現した「Onyx_4」、袋状の風通織(ふうつうおり)で土壁のひび割れを表現した「Soil_2」などが展示されます。これらは意匠表現に留まらず、椅子張やパーティションなど実用的なインテリア用途への展開も見据えられており、「空間の中で役割を担う質感」としての新たな機能を提案します。

「Strata_1」

「Onyx_4」

「Soil_2」

「Onyx_5」

光と織が響き合う「質感の深度」

アートディレクターには、国内外で数多くの照明計画やインスタレーションを手掛ける照明デザイナーの岡安 泉氏を迎えました。岡安氏は、表出した地層が長い年月をかけて風化していく風景をイメージし、光の演出によって織物が持つ「質感そのもの」を際立たせる空間を構築。光の反射や吸収による見え方の変化、見る距離によって異なるテキスタイルの表情など、視覚と触感の両面から織物の奥深さを味わえる展示構成としています。熟練の技術者とデザイナーの感性が共鳴し、伝統的な技法に現代の感性を吹き込んでいます。

岡安 泉(アートディレクター)

パオラレンティの空間で織りなす「静謐なる衝撃」

展示会場は、ミラノのファニチャーブランド「パオラレンティ(Paola Lenti)」のショールームです。独創的な色彩と素材感で知られる同ブランドの空間において、川島織物セルコンの精緻なテキスタイルがどのような対話を展開するかが大きな見どころとなります。巨大な手織り作品から緻密な機械織り作品まで、多様な「織の地層」が並ぶ空間は、来場者に「ごつごつ」「きらきら」といった根源的な感覚を呼び起こし、日本のものづくりが持つ伝統の重みと、未来へと向かう革新的な意志を静かに、かつ強く印象付けます。

開催概要

展示名:織の地層 - Woven Strata -
会期:2026年4月20日(月)〜4月26日(日)
時間:10:00〜21:00(初日は15:00から、最終日は19:00まで)
会場:Paola Lenti Milano
所在地:Via Giovanni Bovio, 28, 20159 Milano MI, Italy(Google Map
主催:株式会社川島織物セルコン
アートディレクション:岡安 泉(岡安泉照明設計事務所)

 

参照元:PR TIMES 株式会社川島織物セルコン リリース

 

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