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放置林に「時計を持たない」価値を見出す、徳島発の挑戦 山の時間、都市へ。カルチャーブランド「yusan」がミラノで披露する年輪のスツール

放置林に「時計を持たない」価値を見出す、徳島発の挑戦

山の時間、都市へ。カルチャーブランド「yusan」がミラノで披露する年輪のスツール

徳島県を拠点に、使われなくなった山林の価値を再定義するカルチャーブランド「yusan(ユサン)」が、ミラノサローネ国際家具見本市の若手デザイナーの登竜門「サローネサテリテ」に初出展します。ブランド初のコレクションとして、一本の木が生きた固有の時間の断面を可視化した「yusan stoolーForest, in time.」を発表します。

山林の「負債」を「資産」へと変換する

ブランド主宰の田中美有氏は、徳島に広がる杉の放置林など、かつては資源でありながら現在は「負債」と呼ばれるようになった山林に対し、山で感じる豊かな感覚の源泉である「山の時間」を都市に届けることをコンセプトに掲げています。祖父の代まで林業を営んでいた背景を持ち、切り出された木を単なる資材ではなく、生命の転換点として捉えます。効率化された都市の時間軸に対し、時計を持たない非線形な「山の時間」という新しい価値を提示。山林問題を創造的な起点とし、自然と文化、人の関係を動かす循環型の造形文化の探求を目指します。

年輪を可視化する「yusan stool」

本展で発表される「yusan stoolーForest, in time.」は、丸太をあえて「輪切り方向」にスライスすることで、年輪をそのまま意匠として取り出した突板を用いたスツールです。本作の技術的特徴は、合板(ベニヤ板)の製造に用いられる旋盤加工を応用し、通常とは異なる「輪切り方向」のスライスを実現した点にあります。本来、乾燥による割れが生じやすい断面を素材として成立させるため、特殊な後処理工程を経て安定化。座面に現れる約50年の歳月が、鑑賞者に同時代・同地域に生きた生命への想像を促します。

岩元航大による循環型製造の設計

プロダクトデザインおよび製造を主導したデザイナーの岩元航大氏は、素材研究と加工プロセスの再解釈に定評があります。ベニヤ板の「端材が出にくい」という合理的な利点を維持しながら、同時に素材の固有性を最大限に引き出す設計を行いました。工業的な製造ラインの論理を転換し、木の個体差や時間の痕跡をそのまま可視化する手法は、均質化されがちなプロダクトデザインに対する一石となります。田中氏の林業への視点と、岩元氏の実装力が融合し、眠っている山の価値に光を当てています。

開催概要

展示名:yusan stoolーForest, in time.
会期:2026年4月21日(火)〜4月26日(日)
時間:9:30〜18:30
会場:Fiera Milano, Rho(SaloneSatellite / Stand D03)
所在地:Strada Statale Sempione, 28, 20017 Rho MI, Italy(Google Map
主催:合同会社門口
ブランド:yusan

 

参照元:PR TIMES 合同会社門口 リリース

 

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