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[Interview]プロダクトを通じたソリューションを提供 — ミラタップ・山根社長が語る「建築家に求められるこれからのプロダクト」とは

[Interview]プロダクトを通じたソリューションを提供 — ミラタップ・山根社長が語る「建築家に求められるこれからのプロダクト」とは

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ミラタップは自社での企画・開発に加え、国内外のメーカーや工場から製品を厳選し、取り揃えることで高品質な製品を適正価格で提供するEC事業を主軸に、住宅事業や海外事業を展開しています。2000年から同一条件、同一価格で住宅設備や建築資材を購入できるオンラインショップを運営し、今年5月、全面同一素材で構成されるフルセラミックキッチン、そのキッチンと空間コーディネートもできる大判スラブタイル、また同社初の大型家電であるビルトイン冷蔵庫を開発、発売しました。

「よいデザインとは見た目だけでなく、価格も機能も内包されている」と話す山根太郎代表取締役社長に、大型家電参入の経緯や製品開発の背景についてインタビューしました。

設計者の課題に対するソリューションとなるプロダクトを開発、提供する

ミラタップ

ミラタップ代表取締役社長 山根太郎氏

—— ミラタップはミニマルなデザインが特徴のオリジナル製品を多く提供されていますが、企画、開発にあたって留意されているのはどのようなことでしょうか?

山根太郎氏(以下、山根):ミニマルをデザインコンセプトにしているのは、普遍的で飽きがこないからです。住宅は長く住み続けるものなので、年齢や家族構成、生活環境など家族のフェーズによって状況や趣味が変わっていきます。

家具などは部屋を使う人や趣味が変われば入れ替えられますが、設備は言うまでもなく水道管、ガス管など免許業の工事が必要で、リフォームやリノベーションといった大掛かりな話になってしまいます。やはり最初からミニマルで飽きの来ない普遍的なデザインの建材や設備を採用しておくことで空間もきれいに納まるし、サステナブルだと思っています。

また、住宅設備は海外製のほうがデザイン性に優れているとよく言われますが、私はデザインには価格、機能、外観が内包されていると思っています。「高すぎるな」と思われるものはそもそもデザインが悪いとも言える。価格とのバランスがよく、機能も備わっていることが、どんな製品においてもミラタップの開発コンセプトになっています。

そして私たちは単にプロダクトを売っているわけではありません。売っているのは、実は住まい手や設計者にとっての不満や課題に対するソリューション、解決策です。

納まりを追求した「見えない」という名前のビルトイン冷蔵庫

ミラタップ

—— 建材ではない、大型家電のビルトイン冷蔵庫を開発されたのは、どういった課題に対するソリューションでしょうか?

山根:多くの設計者やエンドユーザーからずっと「キッチンの背面収納をすっきり納めたい」という要望がありました。背面のカップボード収納に冷蔵庫を含めて面一で納めたいとき、日本の家電メーカーの冷蔵庫だと手前に出てしまう。私も自宅を建てる際に家電量販店に行って冷蔵庫を探したときに実感しました。本当にどれを入れても面が揃わないんです(苦笑)。

日本の今の家電では選択肢がなく、大げさに言えば500万ほどする海外製の冷蔵庫を入れるしかありませんでした。そこでミラタップで初めての大型家電として、13万円台で購入できるビルトイン冷蔵庫「INVIERA(インヴィエラ)」を開発しました。

ミラタップ

山根:ミラタップではこれまで電気やガスを使う大型家電を開発したことはなく、大手家電メーカーから転職した社員などが中心となって取引のある海外設備メーカーの社員にヒアリングしたり、いろいろと教わったりしながらのプロジェクトでした。

海外製高級ラインの冷蔵庫のように内側までステンレスで仕上げるといったスペックにはせず、とにかく面を揃えられることを追求しました。製品名の「インヴィエラ」は、「見えない(Invisible)+時代(Era)」から命名しています。家電といっても量販店ルートではなく、あくまで建築と揃えられることを強みとして展開していきます。それでも家電量販店のサービスと変わりなく、5年間の修理交換は何回でも無料*にして、安心して選んでもらえるようにしています。* ショールームにて購入の場合

「インヴィエラ」シリーズは大型の冷凍、冷蔵庫だけで終わらせず、カウンター下や別荘向けのサイズ、ほかにも後付けエアコン、食洗機、IH、オーブンなどの展開も考えています。ビルトイン型のものをどんどんつくっていって、空間をすっきり納められるようにするのがこのシリーズの展望です。

天然石造作キッチンのような存在感をもつ、普及価格帯のフルセラミックキッチン

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白大理石をモチーフにした石目柄の「CALACATA(カラカッタ)」

山根:高い質感と価格帯を両立するソリューションとして、システムキッチンのフラッグシップモデル「GEORA(ジオーラ)」を5月に発売しました。全面フルセラミックで仕上げ、石の塊を据えたような存在感が特徴です。

これまで天板にセラミックを採用したキッチンはありましたが、扉はステンレスやメラミン樹脂でした。そこで、まだ市場にない「サイドパネルもフロントも全面セラミックで仕上げた高級感と存在感のあるキッチン」を、「手の届きやすい価格」で提供するために開発したものです。価格の高さ、重量による施工の困難さ、施工の複雑さといったこれまでの課題を、設計や物流、加工の最適化で解決しています。

ミラタップ

山根:セラミックタイルの厚みを変えることで、ワークトップやサイドパネル、扉に使うことを可能にしました。玄武岩や大理石など天然石で造作したような奥行きや高級感があり、小口も美しいだけでなく、セラミックは耐熱性、耐傷性、耐汚性などに優れているので、性能やメンテナンス性を重視するユーザーにもソリューションになるものです。

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フルセラミックのため小口にも統一感が生まれノイズにならない

要望に応え、課題を解決する大判スラブタイル

ミラタップ

—— 天然石の一枚板のような大判スラブタイルも発売されました。こちらも課題に対するソリューションでしょうか?

山根:天然石ならではの上質な質感は常に高いニーズがありますが、本物の石材はコストが高いだけでなく、非常に重く職人1人で搬入することが困難です。薄くて軽い大判のタイルを少ない枚数で施工できれば現場も楽になりますよね。大判タイルはこうした意匠面のニーズに応えるだけでなく、職人不足や職人の高齢化という課題に対するソリューションでもあります。

天然石スラブタイルの重さや色ブレ、供給の不安定さも解決する今回発売のスラブタイルは、最大サイズ横3000㎜、縦1200㎜、厚みは3.5~6.5㎜で、屋内外の壁、屋内の床に採用できます。「ジオーラ」と同一素材のスラブタイルを壁材・床材・家具の表面材と組み合わせることで、キッチン空間全体のトータルコーディネートが可能になります。

近年、住宅やクリニック、商業施設など、空間のノイズを減らしたいという設計者やデザイナーの要望が多くあり、目地が少なくて済む大判のセラミックタイル仕上げが注目されています。大判化や加飾技術の進歩で天然石の一枚板のようなスケール感と質感を表現できるようになったスラブタイルは世界的なトレンドです。

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重厚感のあるスレート調の「ANNAPURNA(アナプルナ)」と同素材のスラブタイルで仕上げた例

ミラタップの製品だけで住宅を建てられるようにしたい

ミラタップ

—— 2024年にサンワカンパニーからミラタップへ社名変更されましたが、どのような背景からでしょうか。また今後の展望を聞かせて下さい

山根:ミラタップ(旧サンワカンパニー)の創業者は「造作で対応していたものを既製品化してコストが下がれば、建築家にも施主にも喜んでもらえる」ということを常に考えていました。これが創業当時からのフィロソフィです。

今、住宅設備や建材の問題点の1つに、「一物一価ではない」という点があります。どこから見積りを取るかでまったく価格が違ったり、ショールームで聞いた値段と違ったり。見積もりがぶれないことはとても重要で、私たちはこの煩雑さや分かりにくさを取り払いたいと考えています。

販売チャネルによって見積りが変わることなく、建材価格の透明性を確保することが建築業界でスタンダードになってほしいと思い、それに必要な認知拡大のために社名を変更しました。展示会などでも綴りの短い社名のほうが看板のロゴも大きくなり、視認性が高まります。国内外に広く展開できる社名となるよう、5年ほど前から時間をかけて準備してきました。

ミラタップ

山根:まだ屋根材や便器など、ミラタップが提供できてない製品群があります。統一感をもって納められるところまでやってこそソリューションと言えるので、ミラタップからこの辺りの建材や設備もすべて提供できるようしたいですね。1つの住宅に納める商品が増えれば増えるほど物流が集約でき、環境問題の解決にもつながると考えています。

 

ミラタップ 2026年版 最新カタログ請求受付中!

今回紹介した3商品に加え、今年発売の新商品やミラタップの哲学を反映した多彩なプロダクトを多数掲載したカタログ最新号「Best Selection2026-2027」「Materials2026-2027」(どちらも5月8日発行)の請求を受け付けています。

 

トップ写真:東京ショールームに展示されているフルセラミックキッチン「ジオーラ」(アイランド型 W2400㎜/バサルティベージュ)
インタビュー:2026年6月3日 ミラタップ東京ショールームにて
Photograph:Kei Sasaki

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