福岡県東区で進められている「海の中道海浜公園官民連携推進事業」において、民間事業者に選定されている、三菱地所、積水ハウス、オープン・エー、一般財団法人公園財団が連名でプレスリリースを発表。計画の全体図建設予定の施設規模が明らかになりました。
同事業は、公募設置管理制度(Park-PFI)[※1]に基づき、国営の海の中道海浜公園に滞在型レクリエーション拠点を建設するもので、民間事業者として、三菱地所を代表法人とする構成が2020年1月21日に発表されています。
開発コンセプトは、公園に「非日常体験ができる旅」を掛け合わせた「パーク・ツーリズム」。海の中道海浜公園を起点として、地域固有の魅力を文化的交流や体験型コンテンツによって伝えていくことを目指します。
幅広い世代で楽しめるよう、宿泊施設やレストラン、アスレチックタワーなどの常設施設を基盤に、海浜部を活用したカヌーやサップ、ホーストレッキングなど多様なアクティビティを組み合わせて展開。公園という日常の空間にいながら、長期に滞在することで、「憩う」「学ぶ」「遊ぶ」といった非日常感も体験でき、公園そのものが旅の目的地となる、それが、本計画が目指している「パーク・ツーリズム」です。
目玉となる施設は、最大直径約6mの球体テント。夜には発光させ、幻想的な風景を創出します。そのほかにも、ヴィラ棟、アウトドアリビング、シーサイドキャビンといった宿泊施設を各種整備し、海に面した公園ならではの開放感と、プライベートを両立させた空間を提供します。
滞在型レクリエーション拠点 施設概要と事業体制(予定)
建築主:三菱地所
基本設計:オープン・エー
実施設計:シミズ・ビルライフケア
設計・施工:積水ハウス
施設運営・公園管理:公園財団
企画・設計・宿泊施設運営:オープン・エー)用途地域:市街化調整区域
主要用途:宿泊施設・温浴施設・飲食施設など
公募敷地面積:約159ヘクタール
公募対象公園施設面積:約25,000m²
特定公園施設面積:約7,000m²
※施設面積は今後の詳細設計により変更する場合あり球体テント:13棟
テントに灯った光がカモ池の周りに浮かび上がり、幻想的な景色を創出。1基あたり4名の利用を想定
ヴィラ:1棟2室
博多湾に面した大きな開口と、専用のテラスを有する。2室同時利用も可能で、家族やグループでの利用を想定
アウトドアリビング:12棟
専有できるリビングのようなスペースをテントの外に設け、家族やグループでの利用を想定したグランピング施設
シーサイドキャビン:3棟
ダイナミックな海景を額縁効果で切りとり、海と夜景を楽しめる。2名での利用を想定事業期間:20年間
運営開始(予定):2022年3月
なお、三菱地所はこれが初のPark-PFI事業。さらには、Park-PFI事業による国営公園の開業は、本件が日本初[※2]とのこと。
建設工事は今年7月に着工、2022年3月にグランドオープンを予定。施設は2041年1月に運営を終了し、2041年5月に更地で返還されるとのことです。(en)
※1.2017年(平成29)の都市公園法改正により創設された公募設置管理制度。飲食店、売店などの公園利用者の利便向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場などの一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修などを一体的に行う事業者を公募により選定。民間資金を活用した整備・管理手法(三菱地所 2021年5月17日プレスリリースより)
*2.国営公園初のPark-PFIとして公募・認定されたのは「淡路島 国営明石海峡公園」だが、Park-PFI事業による国営公園の開業は本事業が日本初となる予定(同上)
海の中道海浜公園 公式ウェブサイト
https://uminaka-park.jp/